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「AIのVTuber」がTwitchで最も人気のあるストリーマーに

  • 2026.1.8
AIのVTuberがTwitchの頂点に / Credit:Canva

2Dや3Dのキャラクターを用いる人間の配信者「VTuber」の人気が高まっていますが、いまやその主役の座に「人間ですらない存在」が現れました。

2026年1月、AIが動かすVTuber「Neuro-sama(ニューロ様)」が、世界最大級のライブ配信プラットフォームTwitchで1位となりました。

有料サブスクライバーも16万人超えという規模に達して、「Twitchで最も人気のあるストリーマー」になったのです。

AIの進化によって、「配信者とは何か」という前提そのものが揺り動かされることになりました。

目次

  • AIのVTuber!?「Neuro-sama」がTwitchの頂点へ
  • AIの配信者はなぜ人間より有利なのか

AIのVTuber!?「Neuro-sama」がTwitchの頂点へ

VTuberとは、アニメ調などのデジタルキャラクターを使って配信を行う配信者の総称です。

多くの場合、その背後には実際の人間がいて、カメラやモーションキャプチャで動きを取り込みながら、ゲーム配信や雑談、歌枠などを行っています。

見た目はバーチャルでも、話しているのは生身の人間という点が、従来のVTuber文化の前提でした。

Neuro-samaは、その前提を根本から変える存在です。

彼女は、人間がリアルタイムに操作している「中の人」がいる配信者ではなく、実際の会話やツッコミをAIがその場で作り出すVTuberです。

開発したのは個人開発者のVedalで、最初はリズムゲーム「osu!」を自動でプレイするAIとして生まれました。

のちに大規模言語モデルを組み合わせることで、視聴者のチャットに返事をしたり、冗談を言ったりできるようになり、2022年12月にTwitchでVTuberとしてデビューしました。

配信内容だけを見ると、Neuro-samaは他のVTuberと大きくは変わりません。

Minecraft、チェスなどのゲームを遊び、雑談をし、ときどき歌も歌います。

しかし裏側では、かなり複雑な仕組みが動いています。

視聴者のチャットは大規模言語モデルが読み取り、返答の文章をその場で生成。

その文章は音声合成で高めの女の子の声に変換され、アニメ調のアバターがそれに合わせて口を動かします。

もちろん、すべてが完全自動というわけではありません。

配信の枠を立てたり、技術的なトラブルに対処したりするのはVedalの役割です。

Neuro-samaの会話やリアクションの多くはAIが自動で行い、人間の開発者は裏方として全体を見守る形になっています。

こうした技術と運営の積み重ねの結果、2026年1月2日、Neuro-samaはTwitchの有料サブスクライバーが約16万2千人以上に達し、1位を記録しました。

月額5ドルのサブスクがこれだけ集まるということは、手数料を差し引いても月に数十万ドル規模の収益が発生している計算になります。

これは、AIがもはや「実験的なおもしろ企画」ではなく、人間のトップ配信者と同じ土俵で戦うストリーマーとして成立してしまったことを示しています。

では、なぜAIのVTuberがここまで強いのでしょうか。

AIの配信者はなぜ人間より有利なのか

AIのVTuberの強さの秘訣は、「休まなくていい」「ずっと動き続けられる」という点です。

人間の配信者は、睡眠や体調、精神的な状態に左右されます。

長時間配信を続ければ燃え尽きてしまうリスクも高くなります。

一方、AIには疲労がなく、サーバーと電気さえあれば24時間配信を続けることができます。

この「止まらない」という特性は、視聴者が世界中のどの時間帯から来ても、いつでも会える存在になれるという意味で、配信という文化と非常に相性が良いのです。

視聴者の楽しみ方も、従来の配信とは少し違います。

Neuro-samaの視聴者は、彼女を「完璧なAI」としてではなく、どこまで混乱させられるかを試す対象として扱うことが多いとされています。

変わった質問を投げてみたり、ゲーム画面の認識をだまして誤った反応を引き出したりする行為そのものが、エンターテインメントになっているのです。

それでも、多くの人はNeuro-samaに対して、ただの実験対象以上の感情を抱いています。

ここで効いてくるのが、いわゆる「たまごっち効果」です。

これは、人間のように振る舞うモノに対して、人が自然と愛着を持ってしまう心理現象のことです。

Neuro-samaは、視聴者との会話の記録をもとに、過去のやり取りを「思い出している」かのように振る舞います。

半年ぶりに訪れた視聴者に「久しぶり」と声をかけられると、多くの人は「ちゃんと覚えていてくれている」と感じてしまいます。

実際には情報を検索して文章を作っているだけですが、その錯覚が強い関係性のように受け取られるのです。

AIのVTuberがTwitchの頂点に立った出来事は、人と技術(AI)の付き合い方が次の段階に入ったことを告げるサインなのかもしれません。

参考文献

An AI Anime Girl Has Become the Most Popular Streamer on Twitch
https://www.zmescience.com/other/offbeat-other/an-ai-anime-girl-has-become-the-most-popular-streamer-on-twitch/

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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