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力を入れると、指がカクンと跳ね上がる!【ばね指】に効く「10秒神経マッサージ」とは?[医師が解説]

  • 2025.12.31

力を入れると、指がカクンと跳ね上がる!【ばね指】に効く「10秒神経マッサージ」とは?[医師が解説]

「特に朝起きたとき、指の曲げ伸ばしがしづらい」という方は必読です。痛みの専門家・富永喜代先生の話題の新刊『「キャップが開けられない」「指が痛い・こわばる」人のお助けBOOK』から、一部抜粋してお届けします。第2回は、指を使いすぎている人がなりやすいという「ばね指」。

動かそうと力を入れるとばねのように跳ね上がる「ばね指」

「ばね指」は、手指の使いすぎなどで腱(けん)や腱鞘(けんしょう)がこすれ、炎症が起きて指が動かしにくくなる病気で、腱鞘炎の一種です。

通常、指の曲げ伸ばしをする際は、トンネル状になっている腱鞘の内側を腱が往復するように移動をしています。それが手指の使いすぎなどにより腱や腱鞘がこすれ合うと、厚くなったり硬くなったりなどの炎症が起こり、腱が引っかかることで、指の曲げ伸ばしがしづらくなるのです。

曲げ伸ばしがしづらい状態から、指を動かそうと力を加えると、指がカクンと跳ね上がるような動きになります。この跳ね上がる動きがばねのように感じられるので、「ばね指」という病名がついています。

ばね指の症状はどの指にも起こりますが、親指、中指、薬指に多い傾向があります。症状は朝方に強く現れる傾向があり、手指を使っていると日中は軽減することもありますが、悪化すると指の曲げ伸ばしが困難になり、日常生活に支障が出ます。

ばね指は、指がカクンと跳ね上がる症状の病気

●指の曲げ伸ばしがしづらい
●指を動かそうと力を入れると、指がカクンと跳ね上がる
●指の付け根が痛い
●朝方に指の跳ね上がりが出ることが多い

「ばね指」が起こる原因は、手指の酷使とホルモンバランスの崩れ

手指や手首を酷使すると、腱や腱鞘が過度に摩擦を起こして炎症が起こり、厚くなったり硬くなったりして「腱鞘炎」になります。

手や指、手首にはさまざまな場所で腱鞘炎が起こる可能性がありますが、手のひらの指の付け根で起きた腱鞘炎がばね指です。

ばね指の主な原因は、手指の使いすぎです。ばね指になる人は、日頃から仕事や趣味、スポーツで指を使いすぎている人などに多く見られます。1日中パソコンに向かって作業をしている人、重い荷物を運ぶことが多い人、ギターやピアノなど楽器の演奏でよく指を使っている人などは要注意です。

手指を酷使するたびに、過度な摩擦で腱鞘が硬くなったり太くなったり、腱も肥大することで腱鞘の通過障害を起こすなどして、より症状が悪化します。

さらに、女性のばね指の発症には、女性ホルモンが大きくかかわっています。したがって、ホルモンバランスが大きく変わる妊娠~出産期や、更年期に差しかかった女性に、ばね指の症状がかなり多く見られます。

女性ホルモンのエストロゲンには、腱や腱鞘を柔軟にし、血管を拡張してくれる役割があります。出産後や更年期にはエストロゲンの分泌が大幅に減るので、腱や腱鞘が硬くなって狭くなった血管の血流が悪くなり、ばね指を起こしやすくなるのです。

ばね指は男性にも症状が出ることがあります。また糖尿病の持病がある方にもよく発症する傾向があります。

自分でできる対策

■「10秒神経マッサージ」を行う。
■手指を使いすぎていると感じたら、適宜中断して休ませるようにしましょう。
■痛みの初期にはアイシングなども効果的。

書籍『「キャップが開けられない」「指が痛い・こわばる」人のお助けBOOK』では、富永喜代先生考案の「10秒神経マッサージ」を全部で7種類紹介しています。

ここでは、ばね指に効く「手首(親指側)」を刺激する「10秒神経マッサージ」を取り上げます。

「10秒神経マッサージ」神経ポイント【手首(親指側)】

神経ポイントの見つけ方

痛みを感じるほうの手で親指を伸ばして広げ、人さし指と親指がV字になるように手をかまえます。

親指と人さし指のラインが交わる角度の真ん中をそのまま手首のほうに伸ばします。手首の横ジワから3cm程度のところに、刺激するとグリグリした感覚のある場所が神経ポイントです。

刺激の与え方

見つけた神経ポイントに親指の爪を立て、上からしごくように10秒間刺激を加えます。爪の先に力を込めてタテ方向に小刻みにゆらしながら刺激しましょう。

神経ポイント

親指と人さし指のラインが交わる角度の真ん中をそのまま手首のほうに伸ばす。手首の横ジワから3cm程度のところの、刺激するとグリグリした感覚のある場所。

親指の爪で上からしごくように刺激するとよい。

同じ手首でも場所が間違っていては、効果がまったくないので要注意。

まんが・本文イラスト/杉本綾子

※この記事は『「キャップが開けられない」「指が痛い・こわばる」人のお助けBOOK』富永喜代著(主婦の友社刊)をウェブ用に再編集したものです。

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