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【実はソレ宮崎が発祥!】人気ご当地グルメ「チキン南蛮」やドラッグストア「コスモス」など!各スポットの観光情報も紹介

  • 2025.12.29

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は宮崎の発祥をご紹介します。

サンメッセ日南 モアイ像

宮崎県が発祥!観光におすすめのスポットも

チキン南蛮

チキン南蛮 ※画像はイメージです。

延岡市は、チキン南蛮の発祥地として知られています。チキン南蛮には、甘酢ダレでさっぱり味わう「むね派」と、タルタルソースをかけるスタイルの2系統があるのが特徴です。

さっぱり派の代表とされる栄町の「直ちゃん」では、先代・後藤直氏が延岡市内にあった洋食店「ロンドン」で働きながら料理と向き合う中で、まかない料理からヒントを得て甘酢ダレだけで味わうチキン南蛮を試行錯誤の末に提供しました。

一方、全国的に広まったタルタルソースをかけるスタイルは、延岡の洋食店「おぐら」から知られるようになったものです。

創業者・甲斐義光氏の兄である甲斐照幸氏が、鶏ムネ肉を無駄なくおいしく食べる方法を模索していました。そんな中で、子どもたちがアジの南蛮漬けの甘酢に唐揚げを浸して食べている様子に着想を得たといわれています。そこに、後からタルタルソースを添える工夫が加わり、現在広く知られている「チキン南蛮」の形が次第に定着していったとされています。

どちらが元祖かを断定することはできませんが、チキン南蛮は複数の試みが重なり合いながら、延岡の土壌の中で育まれてきたご当地グルメといえるでしょう。

延岡市を訪れたら、甘酢ダレのみで味わう直ちゃんと、甘酢にタルタルソースを合わせた味のおぐらチェーンの両方を巡り、それぞれ異なる魅力を持つ宮崎のチキン南蛮をぜひ食べ比べてみてください。

ドラッグストア「コスモス」

※画像はイメージです。

ドラッグストア「コスモス」を展開する株式会社コスモス薬品は、延岡市で1973年に宇野回天堂薬局として創業したのが始まりです。1983年に「有限会社コスモス薬品」を設立し、延岡市に岡富店を開店して本格的なドラッグストア運営を開始。

その後1991年に株式会社へ組織変更し、1993年には宮崎市の浮之城店で本格的な多店舗展開に乗り出しました。1999年には売場面積1,000平米型の店舗を日向店として展開し、同年にはドラッグストア事業子会社(現・株式会社コスモス・コーポレーション)も設立。

2000年には本社を宮崎市へ移転し、九州を中心に全国へと店舗網を広げています。現在では「毎日安い」をコンセプトに、地域の生活に根ざしたドラッグストアとして高い支持を得ています。

創業の流れを受け継ぐ「ドラッグストアコスモス 岡富店」は現存しており、今も地域に根ざした店舗として営業しています。

ドラッグストアコスモス 岡富店

宮崎県延岡市岡富町113

旭化成株式会社

旭化成のベンベルグ工場の煙突

旭化成株式会社のルーツは、1922年に創業者・野口遵氏が設立した旭絹織株式会社にさかのぼります。翌1923年には延岡市で合成アンモニアの製造を開始し、日本の近代化学工業の礎を築きました。

1931年には延岡アンモニア絹絲株式会社として組織を整え、繊維や化学製品の生産を本格化。戦後は事業領域を広げ、住宅・建材、医療機器など多角的な分野へと発展し、現在は世界各地で事業を展開する総合化学メーカーとなっています。

旭化成株式会社の歴史や製品に触れたいのなら「旭化成展示センター」へ。タブレットの貸出を行っており、製品紹介動画を閲覧しながらの見学が可能です。なお、見学は事前予約制になっています。

旭化成延岡展示センター

宮崎県延岡市旭町6-4100

本格芋焼酎「霧島」

霧島焼酎神社

本格芋焼酎「霧島」の歴史は、1916年に都城市の「川東江夏商店」で江夏吉助氏が焼酎造りを始めたことに端を発します。ここで生まれた焼酎が、のちの「霧島」。1933年には商標登録を受け、銘柄としての歩みを本格化させました。

1945年には二代目・江夏順吉氏が家業を継承。1949年に霧島酒造株式会社へと改組し、製造体制を整備します。その後も品質向上や設備の近代化を進め、芋焼酎の原料に黄金千貫を使うなどの工夫を重ねながら、全国的に知られる銘柄へと成長しています。

本格焼酎の魅力や歴史を体感したいなら、焼酎造りの現場や資料を見学できる「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」がおすすめです。製造工程の見学やミュージアムを通して、霧島焼酎のものづくりに触れられます。

焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン

宮崎県都城市志比田町5480

天孫降臨(建国)

天逆鉾

日本神話における建国の神話、天孫降臨は宮崎県を舞台としています。

アマテラスオオミカミの孫、ニニギノミコトは、地上の葦原中国を治めるよう命じられ、「三種の神器」を携えて高天原から降臨しました。幾重にもたなびく雲を押し分け、ついに日向の高千穂峰に降り立ち、「朝日が真っすぐに射し、夕日が輝く素晴らしい地」と称し、高天原に届くほど大きな屋根の宮を築いたとされています。

この地に根付く天孫降臨の伝説は、宮崎県の高千穂町と高原町に今も残り、日向三代の物語の始まりとして人々に伝えられています。

ニニギノミコト降臨の地と伝わる「高天原遙拝所」と「天逆鉾」は、歴史と神話を感じられるスポットです。高天原遙拝所では、神々が高天原を拝した場所を実感でき、天逆鉾ではニニギノミコトが降臨の地を探った神話の舞台に触れることができます。神話の世界に思いを馳せながら、ぜひ訪れたい場所です。

高天原遙拝所

宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井

天逆鉾

宮崎県西諸県郡都城市御池町

日向ひょっとこ踊り

日向ひょっとこ踊り

日向ひょっとこ踊り(永田のひょっとこ踊り)は、日向市に伝わる郷土芸能です。明治時代に日向市塩見永田地区で眼科医を開業していた橘公行医師によって形づくられたと伝えられています。

その動きや所作は、里神楽に登場する道化的な役柄「もどき」をモデルにしたものと考えられていますが、成立の詳しい経緯については明確になっていません。

かつては、初午(はつうま)の日に踊られていたそうですが、現在では五穀豊穣や商売繁盛を願う踊りとして、祭りやイベントなどさまざまな場面で披露されています。地域を代表する伝統芸能として評価され、日向市の指定無形民俗文化財にも指定されています。

また、「日向ひょっとこ踊り」の名で親しまれる祭りは、近年では毎年7月末から8月初旬にかけて2日間開催されています。訪れる際は、開催日程を事前に確認して足を運んでみてくださいね。

日向ひょっとこ踊り

宮崎県日向市

宮崎には神話と食、産業の始まりが盛りだくさん!

宮崎県には、チキン南蛮や本格芋焼酎「霧島」、日向ひょっとこ踊りといった食と文化の発祥に加え、旭化成株式会社やドラッグストア「コスモス」に代表される日本の産業を支えてきた始まりが点在しています。さらに、日本神話の舞台として語り継がれる天孫降臨の地・高千穂をはじめ、神話と歴史が今も息づく土地でもあります。ぜひ宮崎ならではの始まりに触れる旅を楽しんでください。

[All photos by PIXTA]

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