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「熊本サポーターに希望を…」ロアッソ熊本入団内定の吉岡優希、先制弾で国士舘大を12年ぶりのインカレ決勝進出に導く

  • 2025.12.25

[第74回全日本大学サッカー選手権大会決勝ラウンド準決勝、国士舘大 3-1 関西学院大、12月24日、栃木・カンセキスタジアムとちぎ]

国士舘大が、2013年大会以来、12年ぶりの全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)決勝進出を果たした。

この日、ボランチで先発した国士舘大MF吉岡優希主将(4年、東福岡高、J2ロアッソ熊本入団内定)は、今大会自身2得点目となる先制点を挙げてチームの勝利に貢献した。

インカレで優勝し、熊本サポーターに希望を届ける

冷たい雨が降りしきる中で行われたこの試合は、立ち上がりから白熱した攻防戦となった。

前半23分に、国士舘大がショートカウンターに出ると、ピッチ中央でボールを受けたDF沖村大也(1年、東山高)が、相手ディフェンスラインの背後へロングボールを供給。

ボールはするりとファーサイドへ抜け、逆サイドからボックス内へ駆け上がった吉岡が、右足アウトでGKの右肩上を打ち抜いた。

国士舘大の背番号8は、「ピッチコンディション的に(ボールが)流れてくるかなと思って、信じて走り続けたら、ちょうどボールが来た。あとは決めるだけでした。とにかく国士舘は、前へと人を追い越すサッカーなので、それがよく出て得点につながった」と、国士舘大らしい崩しで奪った得点シーンを振り返った。

その後すぐに同点に追いつかれた同大だったが、後半に途中出場のMF皆川春輝(2年、日章学園高)が2ゴールを挙げて決勝のチケットをつかみ取った。

画像: ボックス内にドリブルで侵入する吉岡(写真 縄手猟)
ボックス内にドリブルで侵入する吉岡(写真 縄手猟)

熊本県出身の吉岡は、今年6月に熊本への来季加入内定が発表された。

幼いころからえがお健康スタジアム(熊本県民総合運動公園陸上競技場)に足を運び、赤きイレブンに声援を送っていたという。

「ロアッソの試合を見て、プロになりたいと思った」と明かした国士舘大の司令塔は、複数のプロクラブから関心を寄せられる中、故郷のクラブからのオファーを迷いなく決断した。

J3降格が決まったJ2最終節のヴァンフォーレ甲府戦は、テレビで観戦していたという。

降格決定の瞬間を見たときは「とにかく悔しかった」と率直な思いを語ったが、「自分はそれを受け入れてやるしかない」と、チームとともにJ3からはい上がる覚悟を示した。

来季、愛する地元のクラブを昇格させるためにも、インカレを制して弾みをつけたい。

「ロアッソがJ3に落ちて、熊本のサポーターの皆さんに希望を与えられるような結果を残したい気持ちがあります」

画像: 相手選手に身体を寄せられるも、ボールを失わない吉岡(写真 縄手猟)
相手選手に身体を寄せられるも、ボールを失わない吉岡(写真 縄手猟)

決勝は、奇しくも国士舘大が最後にインカレを制した1999年大会と同じ筑波大との顔合わせとなる。

筑波大は今季の関東大学サッカーリーグ1部で、国士舘大に2勝した上でリーグ優勝を成し遂げている。

国士舘大の背番号8は「借りを返すならこのインカレしかない。自分たちは10回目の関東大学リーグ(1部)優勝を目指してきた中で、今年は2位に終わってしまって、本当に悔しかった。最後に決勝で勝って、インカレ日本一を取りたいです」と言葉に力を込め、三度目の正直にかける。

国士舘大と筑波大のインカレ決勝は、27日午後0時から栃木県グリーンスタジアムで行われる。

(取材・文・写真 縄手猟)

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