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【三宅香帆】言語化スキルを高める方法とは?

  • 2025.12.19

【VOCE’s Monthly Interview】話題の著者に訊く!

pick up interview

KAHO MIYAKE

三宅香帆さん

1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院在学中に初著書を出版し、文芸評論家として活動を始める。2024年に刊行した『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が「書店員が選ぶノンフィクション大賞」を受賞するなど大きな話題に。

テーマ:言語化スキルを高める!

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で知られる文芸評論家の三宅香帆さん。最新刊では、言語化スキルを鍛えるコツを伝授してくれています!

「めっちゃよかった!」と言いがちな人へ

今、もっとも注目される若手文芸評論家と言って過言ではない三宅香帆さん。昨今必須とされる“言語化”に関する著書も多く刊行していますが、新刊『伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング』は、読むだけでなくしっかり練習もできる実践形式の一冊となっています。

「コロナ禍以降、仕事でもプライベートの場でも、テキストコミュニケーションを取る機会が劇的に増えましたよね。LINEやメールはもちろん、社内でのやり取りもビジネスチャットアプリのSlackを使ったり。SNS上でも、自分の思いを発信することが当たり前になっています。でも身振り手振りや表情なしにおこなうコミュニケーションって、実はかなり高度。そのため伝えたいことが伝わらず、モヤモヤしている人は多いのではないでしょうか」

三宅さんによると「みんな、情報や思いを言語化するためのちょっとしたコツを知らないだけ」だそう。そのコツを、本の中から一部教えていただきました。

「一つは“クリシェ(=ありきたりな表現)”を使わないことです。思いを伝えるとき、ついつい『めっちゃよかった』とか『泣けた』とか言いがちですよね。たしかに“それらしい感想”にはなりますが、オリジナリティがないので人の心には届きにくくなります。

もう一つは“情報量の差”を意識すること。たとえば推しのアイドルについて伝えるとして、世代の違いやアイドルへの興味のあるなしなど、人によって持っている情報量には差があります。でも私たちは、つい相手も同じように知っている前提で話しがち。“伝わらない”に悩んでいる人は、まずこの2点を意識してみてください」

“伝わる”以外にも、もう一つ、言語化には素晴らしい強みがあるといいます。

「それは思い出の保存です。何かに強く感情を動かされたとしても、時間が経つとその熱量はどうしても薄れてしまいがち。人間は忘れる生き物ですから。でも言葉で残しておけば、読んだとき当時の感動がよみがえるはず。言語化は自分の人生を愛する手段でもあるので、身につけておいて損はないと思います!」

『伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング』三宅香帆著¥1760/ディスカヴァー・トゥエンティワン

『伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング』三宅香帆著

7つの実践的ワークを通して、「自分の中の思いを言語化する」技術と「他人に伝わる言語化」技術を磨けます。仕事だけでなくあらゆる人間関係に役立つはず!

【VOCE’s Recommended Books】今月の注目本をご紹介

テーマ:心を解きほぐす本

秋の夜長は静かに読書に没頭したいもの。ほっこり系から自分とじっくり向き合う系まで、凝り固まった心を解きほぐしてくれる3冊を紹介します。

essay/僕には鳥の言葉がわかる

現代版ドリトル先生の愛あふれる鳥エッセイ
動物言語学者の著者が、研究者の日常やシジュウカラの言葉を解明する様をユーモアたっぷりに綴った一冊。「世界の見え方が変わる!」とクチコミで話題になり多数の賞も受賞!!

recipe/私のおいしい味噌汁

身も心もホッとさせてくれる究極の味噌汁本!
スープ作家として知られる一方、毎日味噌汁を作り続けてきたという著者。ベーシックなものから「こんな組み合わせも!?」という具材アイディアが満載。読んでいるだけで温まります!

clinical psychology/カウンセリングとは何か 変化するということ

なぜ心は変わるのか、知りたい人は必読
“読むセラピー”として数々の著書が話題の著者が、このたびカウンセリングの全貌を明かした総決算書を刊行。どうしようもないモヤモヤを抱えるすべての人に読んでもらいたい!

構成・文/山本奈緒子

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