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いつものおんぶを快適に。防災にも役立つ! <br>~重さを感じにくい、荷物やあかちゃんの背負い方~

  • 2025.12.19

緊急避難の時は抱っこよりおんぶが安全!日頃から練習を

げんこつやまのたぬきさん
おっぱいのんでねんねして
だっこして おんぶして またあした♪

ちいさな頃によく耳にした童謡ですが、最近は、あかちゃんのだっこひももいろいろに進化していて、街中でおんぶを目にする機会は以前より減ったように感じています。

もちろん、抱っこには抱っこのいいところがたくさんあり、あかちゃん達もだっこが大好き。でも、もし、急いで避難をしなくてはいけないような状況ではどうでしょうか?

万が一、親が前に転んだ時、だっこの場合には、あかちゃんが親の下敷きになってしまいます。でも、おんぶならば。あかちゃんを下敷きにせず守ることができます。

おんぶのメリットは、何よりもまず、前と両手が空き、行動しやすくなること。

よくよく考えてみれば、重たいものを運ぶ時、人は「前に抱える」ではなくリュックや背負子を使うなど、「背負う」という選択をします。とすれば、あかちゃんが重たくなってきた時や急ぎ避難をしなくてはいけない時など、おんぶを選択できるよう、普段から練習をしたり、おんぶできるアイテムを揃えたり、活用したりすることは、防災にもつながると考えます。(実際、防災グッズとして大人の介助用おんぶひもなどもたくさん出ています)

赤ちゃんをおんぶする母親の画像

背負い方の極意を紹介! 重さを感じないコツは、”密着・揺らさない・重心高く”

重い荷物と軽い荷物を重ねて運ぶとき、重い荷物(重心)を上にした方が、実は軽く感じます。リュックに詰めて、重い荷物を運ばなくてはいけない時にも、重いものを背中側上の方に、軽いものを下の外側部分にするなど、詰め方の工夫ひとつで、身体への負担も変わります。

最近は、リュックも、あかちゃんのおんぶも腰あたりの低い位置で見かけることが多いのですが、実はこれ、重く感じる背負い方。背負い方にもコツがあるのです。大切なのは、以下の二つ。

  1. 重心を高い位置にする
  2. 身体に密着させ、揺らさない

アウトドア用リュックは、があり、体に密着するように留めるので揺れない設計になっています。

おんぶをする際にも大切なのはこの背負い方です。腰ベルト付きの抱っこひもでおんぶをする場合や低い位置でおんぶされている場合、あかちゃんの姿勢が崩れやすくなり落下しやすくなる、お子さんが進行方向を見づらいということもあります。

そもそも背負われている時に、背中しか見えなかったら、あかちゃんも不安だし、つまらないですよね。そこで、今回は、あかちゃんを高い位置で背負うことのできる「昔ながらのおんぶひも」と「登山用ベビーキャリア」をご紹介します。

お勧めおんぶグッズ2選 「昔ながらのおんぶひも」&「登山用ベビーキャリア」

昔ながらのおんぶひも

実は、古来、日本では背中にあかちゃんを背負うおんぶをするための道具が“おんぶひも”で、もっこ、さらし布、兵児帯(へこおび)など、様々な種類が日本中にあると言われています。

私が使っていたのは、兵児帯と昔ながらのおんぶひも。特に、昔ながらのおんぶひもには本当に助けられました。身体にしっかり密着するので安心するのか、いつの間にかすやすやと寝息を立てることも多かったように思います。

使い始めは練習が必要ですが、慣れてしまえばサッと短時間でおんぶができます。また、高い位置でおんぶができるため、背中にいても、同じ景色を楽しむことができるので、あかちゃんも楽しそう。何より、おんぶしている側からも、あかちゃんの様子を見ることができるので安心でした。(価格はそれぞれ、私が利用していた「北極しろくま堂」の商品の場合、昔ながらのおんぶひもが8000円前後、兵児帯は生地の厚さなどにより4600円から~13000円前後まで)

おんぶが大好きだった息子は、よく私の真似をしてぬいぐるみをおんぶして、お手伝いしてくれました。「学ぶ」の語源は「まねぶ(まねをする)」だそう。親の肩越しに周囲を見渡すことで好奇心を刺激し、脳や社会性の発達を促します。

おんぶひもなので、「おんぶしかできない」というのがデメリットといえばデメリットではありますが、何か手を動かしたり、前をあける必要がある際には強力な助っ人に。私はいつも昔ながらのおんぶひもをママバッグに忍ばせていました。

(だっこもおんぶもひとつでしたい!という方には兵児帯がお勧めです)

昔ながらのおんぶひもや兵児帯は変幻自在で、体形や身長に合わせて位置を調整しやすく、誰が使っても高い位置でのおんぶが可能。また、軽くて持ち運びやすいことも魅力です。

ただ、どちらも、使い初めには練習が必要。ネット上に使い方の動画などが沢山上がっていて、動画を見ながら練習もできますが、最初はきちんと対面で習いたいという方は、各地で開かれている抱っこやおんぶの講座に参加してみるのも一つです。(例えば、こんな講座も→「だっことおんぶの研究所」https://babywearing.org/lesson/

ベビーキャリア

親子登山をする方にはおなじみの登山用ベビーキャリア。背負子のようにあかちゃんを高い位置で背負うことができるベビーキャリアは公園などの身近なレジャーにも、防災にも役立つ優秀なアイテムです。

登山用ベビーキャリアの使用期間は、生後6カ月~3歳が目安。9~18kgの体重に対応するモデルが多くなっています。

わが家でも、息子が小さい頃、公園などの外遊び時に愛用していました。自立式で地面に直置きできるので、机もいすなどがない場所でおやつやごはんを食べたり、電車などで座れない時に椅子代わりにしたり。例えば、避難所などでも、あかちゃんの落ち着ける場所の一つとして活用が可能です。

ベビーキャリアの特徴とは?

  1. あかちゃんをしっかり固定することができる。
  2. 抱っこひもやおんぶひものようにあかちゃんと密着しないので、暑いときにあせもなどの心配がなく、お互いに暑くない。
  3. 登山など、長時間の使用が想定されているので、あかちゃんの快適性なども考えられた製品が多い。(わが家が購入したものは、写真のようにクマさん耳型のフカフカピローがついていました)
  4. 背面長の調整ができるので、パパもママも背負うことができる。
  5. 自立式で地面にも置くことができるので、公園などでのごはん時に椅子代わりにも。あかちゃんの乗せ降ろしも楽。
  6. オプションで、サンシェードやレインカバーもあり、帽子を嫌がってすぐ脱いでしまうあかちゃんや、天候の変わりやすい場所でも対応ができる。(わが家が購入したものは、オプションではなく、サンシェードとレインカバーは附属していました)
  7. リュックと一体型になっていて荷物も入れることができる。山歩きを想定して作られているので、背負い心地もよく、背負いやすい。(ただし、キャリア自体の重さはそれなりに重いので、子どもの成長につれ背負いあげるのが大変になるデメリットも)

わが家が12年前に購入したものはもう購入できないようですが、モンベルなど、複数のアウトドアメーカーで販売があるので、検討してみてはいかがでしょうか。ただ、モンベル 3万1700円、ドイター 5万8300円、オスプレー 4~6万円台と、それなりにお値段も張るので、「まずは、使ってみて考えたい」という方は山道具のレンタルショップなどで、レンタル利用してみたり、フリマサイトなどをあたったりしてみるのもよいかもしれません。

おんぶライフを楽しもう!

だっこの時にはただただ、お互いの顔を見ていましたが、おんぶができるようになって、「同じものを一緒に見る」ことができた時、なんだか「同志」のような気持ちにもなり、子どもの成長をしみじみと感じました。

もしかしたら、視線の位置が揃っていたこの時が、1番、息子と同じ風景を見ることができていたのかもしれません。

一緒に過ごせる時間を楽しみながら、「もしも」の時の訓練にも。「おんぶライフ」を、ぜひ、楽しんでみてください。

<執筆者プロフィール>
水野佳(みずの けい)
保健師/フリーランスライター
オートキャンプ歴9年

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