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ミスを減らしたいなら決断力を鍛えよう!スピードゴルフ王者が解説

  • 2025.12.14

スコアとタイムの両方で競う「スピードゴルフ」は、1打ごとの瞬間的な判断と決断が大事になる。

スピードゴルフ界の第一人者、松井丈は「通常のゴルフに生かせることがたくさんあるし、スコアアップのヒントも多い」と言う。“究極のプレーファスト”を参考に上達しよう!

スピードゴルフとは!?

日本スピードゴルフ協会主催の競技。一定の間隔で1人ずつスタートし、18ホールのスコアと時間(1分を1打とする)の合計で競い合う。使用クラブは7本までなどのルールがあるが、プレー方法やその他のルールはゴルフの規則に準ずる。日本選手権は過去6度開催。昨年12月のレンブラントGC御殿場の大会で松井丈がゴルフスコア77、ランタイム46分22秒の計123・22で優勝。6連覇を達成した。

「スピードゴルフ」から学べること
考えすぎない→迷いがなくなる→集中力がアップ
キビキビとプレー→リズムがよくなる→ミスが減る

クラブの本数を減らすだけで迷いがなくなる

スピードゴルフで使うクラブは7本までですが、私は40ヤードピッチで6本を選び、番手間の距離はコントロールショットで打ち分けています。

中途半端な距離を打つときは、番手間の距離が10ヤードくらいしか違わないのに「6番と7番のどっちがいいかな」と悩む人がいますが、差はありません。肝心なのは「自信がもてるクラブで打つ」こと。それを素早く決断するクセをつけましょう。迷ったままで打つと、ミスが生じやすくなります。

スピードゴルフ中の私は、キャディバッグを置いたときがルーティンワークのスタート。そこからボールを打ち終えるまでは4、5秒くらい。そこまで急ぐ必要はありませんが、構えたらサッと打ち終える。これがミスを防ぐことにつながることは間違いありません!

中途半端な距離でも気にしない

ミスを減らしたいなら決断力を鍛えよう!スピードゴルフ王者が解説
7or6番アイアンどっちでもOK

たとえば、ピンまで145ヤード。「6番では大きいし、7番だと小さいかな」と迷うが、番手間の距離がたった10ヤードくらいなら、どっちで打ってもグリーンには乗る。大差はないと考え、自信をもって打つことのほうが大事!

ルーティンワークは速やかに

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素振りを2~3回(写真左)目標をはっきり決める(写真右)

スピードゴルフでは素振りはしないが、自分のチェックポイントを意識しながら2、3回素振りしてスイングイメージを高めるといい。目標の設定も早めに決断して、時間をかけすぎないようにしよう。

構えてからモジモジしていると、体が硬くなってミスショットを招く。

「構えたらサッと打つ」を習慣化

通常のプレーでプロたちは、ルーティンからボールを打ち終えるまで平均20秒くらい。アマチュアも長くても30~40秒以内でショットを済ませるように心がけよう。

ハーフセットでプレーしてみよう

14本のクラブをどう使い分けるかは、ゴルフの楽しみのひとつだが、本数が多いと迷うのも事実。ときには1W、5W、6Ⅰ、8Ⅰ、PW、SW、パターのハーフセットでプレーしてみよう。1Wが苦手なら代わりに3Wを入れてもOK。少ないクラブでプレーをするといろいろな気づきが得られる。

松井の「スピードゴルフ用」クラブセッティング(計6本)と飛距離

▶1W 260ヤード
▶5W 220ヤード
▶5Ⅰ 180ヤード
▶8Ⅰ 140ヤード
▶AW(52度) 100ヤード
▶パター

「クラブは7本まで使えますが、私は6本に絞っています。40ヤード間隔にして、このクラブしかない! と思うと苦になりません」と松井。クラブを限定することで迷いがなくなり、決断が速くなるそうだ。

スピードアップのためにボールにもひと工夫。見つけやすいように色やマークのついたボールを使用している。

安全な場所と危険な場所を素早く見極めよう

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ターゲットをピンポイントで狙う必要はなし!2打目がグリーン方向に楽に打てる広く安全なエリアを狙おう左サイドがOBなら徹底して左を避ける

ティーショットはフェアウェイ全体を見渡して、OBや池など絶対に打ってはいけないエリアやフェアウェイが広く安全なエリアを素早く見つけましょう。目標をあまり絞りすぎないで「セカンドショットがきちんとグリーン方向に打てればいい」くらいの気持ちで打ってください。フェアウェイが狭いホールなら、曲がり幅を抑えるために出球を低くしたいので、クラブを短く持つと成功率がアップします。

スピードゴルフでは呼吸を整える暇がありませんが、私はリズムとテンポだけは速くならないように気をつけています。とくにテークバックのスタートと切り返しのタイミングが速くなるとリズムが狂いやすいので、急いでも「イチ、ニー、サーン」と唱えながらスイングするといいでしょう。

直感も大事!目標をパッと見た瞬間に、安心感を得られる場所を見つけよう。

フェアウェイが広いホール

フェアウェイの幅が広くてティーショットを伸び伸びと打てそうなら、クラブを通常の長さで持ってスイング。ティーアップの高さはいつもどおりでOK。

フェアウェイが狭いホール

狭いホールやアゲンストの風が吹いているときは、ティーアップを少し低くし、クラブを短く持って打つ。出球が低くなってフェアウェイをキープしやすい。

スイングのリズム&テンポを一定にする

「イチ」でテークバックの始動のきっかけを作り、「ニー」で振り上げて「サーン」で振り抜けばスイングのリズムやテンポが整いやすい。切り返しで打ち急いでリズムが狂うことがなくなる。

ピンやグリーンをオーバーさせない作戦を立てる

ミスを減らしたいなら決断力を鍛えよう!スピードゴルフ王者が解説
バンカーに入れると大きくタイムをロスする。通常のラウンドでもスコアをロスしやすいので徹底的に避ける(×)この状況では左手前のグリーンエッジ狙い。グリーンに届かなくても次のアプローチがやさしく打てるので大叩きしにくい

グリーンやピンを狙うショットはオーバーが禁物。スコアメイクが難しくなり、タイムもロスしてしまうからです。バンカーを避けながら手前から攻めていきますが、この思考は通常プレーにも当てはまると思います。

手前のグリーンエッジまでの距離を見て、使うクラブとターゲットを決めますが、たとえばピンまで135ヤードで手前のグリーンエッジまでは125ヤードの場合。私の8番アイアンでのフルショットではオーバーする危険がある。番手を下げてのPWでは無理をしないと届かない。そのため8番の飛距離を20ヤード減させてグリーンエッジの近くへと運ぶ作戦を立てますが、20ヤード減を打つにはフォローのスピードを少し落とすのがコツ。これは、番手間の飛距離を調整するのに役立つはずです。

「振り抜きスピード」の変化で飛距離を調整

どの番手、何ヤード打つときも、アドレスとバックスイングは一緒。

キャリーを20ヤード減させるときは、フォローのスピードをフルショットよりも少し落とす。結果的にフィニッシュがコンパクトになる。

グリーンに向かいながら周囲を観察

スピードゴルフでは、走りながら風向きを見たりグリーン周りの状況をチェックしているが、これは通常プレーでも同じ。歩きながら確認しよう。

グリーンに上がる前に傾斜を見る

グリーンの近くまで来たら、ボールの場所やピンの位置だけでなくグリーンの全体の傾斜も見ておく習慣をつけよう。

シンプルに考えて速やかに決断迅速なプレーが好結果につながる

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ラフからは「乗せる」花道からは「寄せる」アプローチでも迷わなくてすむ決め事を作っておこう

アプローチやパットの状況はさまざま。決断が難しい1打です。私は決断力を早めるために、自分なりの決め事を作っています。アプローチでいえば「花道からはピンに寄せる」「ラフからは乗ればOK」と決めているのでショットに迷いがなくなります。

ロングパットでラインを読むときは、第一印象を大事にする。ボールの場所にきてグリーンの傾斜を最初に見たときの直感は結構当たっているもので、その直感を優先して打ちます。ライン読みで迷ったときほど、第一印象を信じてストロークしましょう。

「花道」からのアプローチ

フェースをスクエアにセットし、ボールの位置はスタンスの中央。

パッティングのようにスイングして転がしで寄せる。ピンの位置が奥の場合は8Iを使うこともあるそうだ。

「ラフ」からのアプローチ

フェースを軽く開く。ボールの位置は半個ほど左寄りにセット。

テークバックで少しコック。クラブの重さを利用して振り抜いていくイメージ。

パットは「直感」勝負!

ミスを減らしたいなら決断力を鍛えよう!スピードゴルフ王者が解説
ラインは第一印象を優先させる。

パットは自分の感覚や感性がモノをいう。ラインを読みすぎたり考えすぎたりして悩んだところで、結局は自分の直感が当たっていたというケースが案外多い。

いかがでしたか? スピードゴルフの決断方法をぜひ参考にしてください!

レッスン=松井 丈
●まつい・じょう/1974年生まれ、東京都出身。2004年プロ入会。JPGA公認A級インストラクター。東京・渋谷区の「ツーサムゴルフスタジオ」を主催。多くのゴルファーをレッスンする一方でスピードゴルフの普及にも務める。

構成=三代 崇
写真=相田克己
協力=新武蔵丘ゴルフコース

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