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海外のセレブ御用達プランナーたちに聞く、最高のウエディングの作り方

  • 2025.12.13

結婚式は人生の大きな節目だ。そして昨今の結婚式は細部まで計算し尽くされた一大イベントと化しており、プランニングもその分気の遠くなるほど複雑になっている。また、あらゆる縛りが緩くなったことでウエディング自体の形も変わった。今や型にハマった伝統的な式を挙げる必要はなく、趣向を凝らした結婚式にするカップルが多い。だが、人によってはこの制約のなさを逆に不自由に感じ、何から手をつけていいかわからなくなる。

そこでUS版『VOGUE』は、ブライダル業界で最も人気のあるウエディングプランナーたちに、自分が理想とする結婚式を実現するためのアドバイスを聞いた。

あれこれ詰め込み過ぎず、ふたりにとって大切なものを中心に考える

今回話を聞いたプランナーは皆、まず主役のふたりらしいウエディングにするにはどうしたらいいかを考える。「馴れ初めから好きなものまで、ふたりのことを知るようにします」と語るのは、セレーナ・ゴメスベニー・ブランコヘイリー・ビーバージャスティン・ビーバーの結婚式をプランニングしたミンディ・ワイズ。俳優のマイケル・ファスベンダーアリシア・ヴィキャンデルの式を担当したヨハンナ・カールソンも、カップルのこれまでを知った上でアイデアを練ることに重点を置く。「そうすることで、お互いのことをより深く理解することができますし、私のクリエイティビティが発揮される気がするんです。ふたりのこれまでの歩みを知っていると、明確なイメージと意図を持って、いろいろなことが決められます」

もちろん、ゲストに出す料理から音楽に至るまで、主役の“ふたりらしさ”が感じられる演出が結婚式をユニークなものにする。「どんなカップルなのか、とことん知りたいのです」とロンドンを拠点とするイベント会社Pearl, Rock and Ravenのパール・ファン・デン・エンデは言う。彼女は今夏シチリア島で挙げられたチャーリーXCXウエディングを手がけたプランナーだ。「お気に入りのレストランはどこか、どんな音楽が好きか、好きなカクテルは何か、ふたりにとって一番大切なことは何か。結婚式はふたりをそのまま表したものでなければなりません」

多くの人はついトレンドを参考にしがちだが、ほかのカップルがどういった結婚式を挙げているのかを気にし過ぎないのが一番だ。「インスタグラムはあまり見ないように」とラグジュアリーイベント会社Niemierkoのマーク・ニエミエルコは言う。彼は歌手のロシェル・ヒュームズとマーヴィン・ヒュームズが2012年に挙げた結婚式と、2022年に行ったバウ・リニューアルを手がけた。「インスタグラムは似たような投稿を繰り返し表示する仕組みになっています。だからこそ、流れてくるウエディングの写真や動画はどれも変わり映えしないんです」

また、演出は大がかりなものをいくつも取り入れればいいというわけではない。「ド派手な演出を次々と展開するよりも、考え抜かれた演出を少し取り入れるほうが断然いいです」とカールソンは指摘する。フラッシュモブに生バンドに花火。スケールが大きい演出をあれこれ詰め込み過ぎると、逆にインパクトに欠く。本当にすべて必要かどうか今一度考えて、選りすぐるほうが効果的だ。

夢のない話だが、現実的なプランにするのも重要だとジェファーソン・ハックとアンナ・クリーブランドの結婚式を手がけたリズ・リンクレーターは言う。「意味もなく派手で贅を尽くした式にすることはありません。ふたりの個性が感じられる、想いのこもった、こだわりのウエディングになるよう常に心がけています」。そのためにはフラワーアレンジメントのひとつでさえ、妥協してほしくないと彼女は付け加えた。

早いうちから予算についてざっくばらんに話し合うのもまた重要だ。後々になって予算が足りないことに気づき、それまで練っていた壮大なプランを諦めなければならないことほどもどかしいことはないとリンクレーターは言う。

予算の分配に関しては、自分たちの好きなものにお金をかけることが大切だとワイズは考える。「ふたりとも大のグルメなら、奮発して料理には特別こだわりましょう。もしふたりとも花が好きなら、ブーケやフラワーアレンジメントに予算を割く」。周囲の期待に応える結婚式にしなければ、と思うこともあるだろう。しかしワイズが言うように、ふたりの希望に沿った、ふたりらしいウエディングにすることに尽きる。

たとえ十分な予算があっても、豪華な演出を取り入れるよりも、記憶に残るウエディングにすることを優先するべきだ。「ゲストたちが楽しめる体験かどうか。それが一番重要なポイントと言っても過言ではないです。心地良く、サービスも良いと感じてもらえるウエディングは盛り上がります」とカールソンは言う。ニエミエルコも彼女に同意する。「装飾も大事ですが、それと同じくらい大事なのはサービスです。良いサービスがウエディングの満足度を上げ、満足度の高いウエディングが心に残るのです」

ゲストたちも楽しめる最高のウエディング体験にするために、サービスと並んで重要なのが結婚式そのものの流れだ。「当日の流れは本当に大事です」とファン・デン・エンデは指摘する。「これは自信を持って言えます。ディナーの前に3時間にもおよぶレセプションパーティーに参加したい人や、延々と続くスピーチを聴きたい人はひとりもいません。ゲストたちが1日を通して楽しんでいるか、だんだんと盛り上がってきているかが大事なんです。あと、移動のために車やバスを手配するのであれば、待ち時間はなるべくないようにしましょう。会場間の長時間にわたる移動も避けたほうがいいです」と彼女は続けた。

明確なビジョンを持つことが、最高のウエディングにつながる

豪華な演出を取り入れることに気を取られるカップルもいるかもしれないが、挙式自体が形式的なものになってしまってはもったいない。「信じられないかもしれませんが、結婚式を挙げるそもそもの目的を見失うカップルがときどきいます。ウエディングがメインイベントで、演出などはあくまでも式を引き立てるためのものであるべきです。自分たちが想像している以上に、挙式は特別な瞬間になりますから」とリンクレーターは言う。文化的・宗教的な制約がない限り、伝統に縛られる必要はない。「自分たちの結婚式なのだから、自分たちのやりたいようにやること」とニエミエルコはアドバイスする。「“結婚”という形をとっただけで、十分伝統に則っているんですから」

カールソンはまた、1日にいろいろと詰め込みすぎないことを勧める。「一番印象に残るウエディングというのは、メリハリがあるウエディングです。ふと立ち止まり、会話に花を咲かせられる瞬間や、これまでを振り返り、のびのびと過ごせる余裕がある、ゲストたちも心からゆったりと楽しめるものです」と彼女は言う。リンクレーターはというと、写真撮影はほどほどにしておくことをアドバイスする。「ゲストと過ごす時間よりも、写真撮影に費やす時間が多くならないように」。ただし、フォトグラファー選びは妥協しないこと。ファン・デン・エンデが指摘するように「写真は一生残る」ため、フォトグラファーは熟考して選ぼう。

音楽に関しては、最初はあまりニッチなものをかけないようにするのが無難だという。「プログレッシブなハウスミュージックが好きでも、せめて最初はゲスト全員が知っているような曲を流すといいです」とリンクレーター。「予算があまりない場合は、生バンドにこだわらないこと。良いバンドを呼ぶのは費用がかかりますし、妥協してバンドを選ぶとすべてが台無しになってしまうことがあります。代わりに良いDJを呼ぶといいです」

また、費用を抑えるためにはデザートとウェルカムギフトを省くことをニエミエルコを含むほとんどのプランナーたちは勧める。「ウエディングケーキもデザートも両方提供するのではなく、ケーキだけにすると良いです」とファン・デン・エンデは言う。どうしてもウェルカムギフトを用意したい場合、特に海外や遠方で式を挙げる場合は、ゲスト一人ひとりに合わせた、コンパクトでかさばらないものにすること。「気持ちのこもった手書きのメッセージカードはとても喜ばれますし、お金もかかりません」とリンクレーターは提案する。

そしてファン・デン・エンデ曰く、多くのカップルは席次表作りにかかる時間を少なく見積もる。「ウエディングを格段に良いものにするので、時間をかけて取りかかる価値はあります」

12月はプロポーズが非常に多い時期だ。これから婚約するであろうカップルたちに、ワイズは最後にこう言い残した。「婚約したからといって、翌日から慌てて結婚式を計画し始める必要はないです。じっくり考え、しっかりとスケジュールを立て、プランニングそのものを楽しむ。自分がどんな結婚式を望んでいるのかがはっきり見えてから、本格的に計画を進めること。はっきりとしたビジョンと経験豊富なプロたちの知恵があれば、まぎれもなくふたりらしい特別なウエディングになるはずです」

Text: Ellie Robertson Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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