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“13年前”に放送された日曜劇場「若い頃も素敵」「ほんとにかわいい」第1話から“涙の演技”で魅了した名俳優

  • 2026.1.27

TBSの日曜夜9時のドラマ枠である日曜劇場といえば、どんな作品が思い浮かぶだろうか?『下町ロケット』や『陸王』『半沢直樹』のような池井戸潤の小説を原作としたビジネスドラマや『テセウスの船』『危険なビーナス』のように、漫画や小説を原作としたミステリードラマなど、独特の重厚感のある作品が多い放送枠だ。

そんな重みのある過去の日曜劇場の作品のなかで、2013年4月クールに放送された『空飛ぶ広報室』は圧倒的な爽やかさがあるドラマだ。見た後に「頑張ってみようかな」と明日への活力をくれる。

※以下本文には放送内容が含まれます。

真摯に働く人々を丁寧に描く

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綾野剛 (C)SANKEI

『空飛ぶ広報室』の原作は、有川浩による同名小説。小説では、航空自衛隊の空幕広報室に異動したばかりの空井大祐(綾野剛)が主人公なのに対し、ドラマでは空井と共に仕事をする情報番組のディレクター・稲葉リカ(新垣結衣)が主人公になっている。

リカは記者を志しながらあることをきっかけに挫折し、不本意なまま情報番組のディレクターを務めている。物語の序盤は、リカがやる気のないままディレクター業に取り組んでいることが伝わってくる。そんなリカが一緒に仕事をすることになる空井は、幼い頃からの夢であるブルーインパルスのパイロットに内定した矢先、交通事故の後遺症により、パイロット免許を取り消され、失意のどん底のまま広報官として働いていた。リカも空井も昔からの夢を叶えられない現実を前に、ぶつけようのない怒りと悲しみを持っているのだ。

そんな2人は、メディアの担当者と広報官という立場でどのように航空自衛隊をPRするかを考えていくうちに、現在の仕事の意義に気づき熱く向き合っていく。ドラマを通して、空幕広報室の室長・鷺坂正司(柴田恭兵)をはじめとした空幕広報室のメンバーの過去や仕事ぶりを見ていると、リカや空井と同じように心を動かされ、今の仕事に向き合おうと思わせてくれるのだ。

仕事に対して夢と希望を持てることは幸せなことだ。かといって、その夢が叶うとは限らない。夢に近づいたことで現実が見えてしまうことも、自分の努力ではどうにもできない状況に直面することだってある。『空飛ぶ広報室』は、社会人として絶望からどう立ち上がるかが丁寧に描かれているのだ。

第8話で、情報番組のディレクターとしてのやりがいを見出したリカが「でも、どんなに失敗しても、なりたいものになれなくても、人生はそこで終わりじゃない。どこからでもまた始めることができる」というセリフを言う。このセリフは、リカが変わったことを象徴する言葉だ。

空幕広報室のメンバーやテレビ局の先輩職員、取材に応じてくれた航空自衛隊職員、番組が放送されたことで喜んでくれた人たちの言葉を真摯に受け止め続け、社会人として成長した証拠だろう。

綾野剛史上もっともかわいい子犬系男子

『空飛ぶ広報室』の魅力はお仕事ドラマの側面だけではない。リカと空井の恋愛描写も大きな見どころだ。なんといっても、綾野が演じる空井のかわいさを取り上げたい。

前述したとおり、物語の冒頭では空井は失意のどん底におり、佇まいには空虚さが漂っている。そんな彼が、ブルーインパルスのパイロットになれない悔しさから泣くことができた第1話の終盤。悔し泣きをする空井の姿には、自然と涙を誘われる。第1話から、綾野の高い演技力が感じられる。

第1話以降の空井は広報官としての今後に向き合えるようになり、リカとのやりとりにも積極的になっていく。「稲葉さん!」と人懐っこい笑顔でリカに近寄ってくる姿は、まるで子犬のようだ。空井は距離感の近い発言も多く、空井の言動に戸惑うリカの様子もかわいらしい。物語が進むにつれ仕事上の良きパートナーになる2人だが、プライベートの面で互いに嫉妬してしまうような場面も。恋愛の面でどのように発展するのかも見どころになっている。

放送から13年近く経つが、SNSでは「空井さんほんとにかわいい」「綾野剛は空飛ぶ広報室の空井くんが好き!!」「若い頃も素敵」など、空井のかわいさと綾野の芝居を絶賛する人が多い。空井の抱える絶望、広報官としての成長、リカへの素直で誠実な受け答え、見え隠れするリカへの恋心などを、ひたむきに演じているからこそ、何年経とうと空井という役に思いを馳せる人が多いのだろう。

年が明けて気持ち新たに仕事に向き合いたいという人や綾野のかわいらしい役柄を堪能したい人、少しツンデレな新垣結衣の芝居を楽しみたい人は、『空飛ぶ広報室』をぜひ。


ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202