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「骨折して正月が台無しに…」NITEが注意喚起、大掃除で“絶対にやってはいけない“NG行動”

  • 2025.12.16
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

年の瀬が近づき、大掃除シーズンが到来。普段は手の届かない窓の上の方や照明器具、エアコンの掃除など、高い場所での作業が一気に増える時期です。そんなとき活躍するのが踏み台や足場台ですが、実はこうした道具を使った作業中の事故が年末に多く発生しているのです。

大掃除でケガをしてしまっては、せっかくのお正月が台無しになりかねません。そこで、今回は、踏み台や足場台を安全に使うためのポイントをご紹介します。

「まさか自分が」が現実に!実際に起きた事故の事例

まず、踏み台や足場台によってどのような事故が起こっているのか確認しましょう。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公式サイトで公開している実際に起きた事故の事例には、次のようなものがあります。

  1. 踏み台の使用中に、バランスを崩して落ちた
  2. 踏み台に背を向けて降りようとし、落ちた
  3. 開き止め金具をロックせずに足場台を使用し、落ちた

1つ目は、踏み台使用中の事故です。踏み台自体に異常はなく、作業中なんらかの理由で無理な姿勢になり、本人も気づかないうちにバランスを崩したことが原因と考えられています。

2つ目は、踏み台を降りる際の事故です。取扱説明書には身体の前側を踏み台に向けて慎重に降りるよう指示があったにもかかわらず、つい踏み台に背を向け、階段のように降りてしまいバランスが崩れたようです。

3つ目は、足場台の開き止め金具をロックしなかったことによる事故です。開き止め金具がロックされていなかったことにより、使用中に足場台の脚がいきなり内側に折りたたまれてしまい、それによりバランスを崩してしまいました。

一つひとつは小さな原因。しかし、「これくらい大丈夫」「少しの時間ならいいか」といった油断や、作業に夢中になるあまりの不注意が、思わぬケガにつながってしまうといえるでしょう。

事故を防ぐために!踏み台・足場台の正しい使い方

では、事故を防ぐためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか?以下の点を、大掃除を始める前に、ぜひ確認しておきましょう。

天板に乗れるか乗れないか確認する

「踏み台」は天板に乗って作業できますが、A字型に自立できる構造の一般的な脚立の天板には乗ってはいけません。天板に乗る目的で作られていないものの天板に乗ったり、天板をまたいだりすると非常に危険。必ず本体表示や取扱説明書を確認しましょう。

滑りにくい履物を履いて作業する

スリッパや、底面のツルツルした靴を履いて踏み台や足場台に乗ると、滑って転倒するリスクが高まります。屋内の場合は素足や滑り止め加工の施されている靴下を履いて乗りましょう。屋外の場合は、滑りにくく動きやすい靴を履いて使ってください。

乗る前に開き止め金具がロックされているか確認する

開き止め金具がしっかりロックされていない状態で使用すると、使用中に踏み台や足場台がグラついたり、最悪の場合脚がいきなり折りたたまれたりしてしまいます。乗る前に、必ず開き止め金具がロックされているか確認しましょう。

安定した体勢を保つ

高い場所を掃除していると、足場台や踏み台の上でつい「あともう少し…」と身を乗り出したり、つま先立ちになったりしてしまうものです。しかし、これは非常に危険な行為。バランスを崩して転倒・転落する恐れがあります。

届きにくい場所は面倒でも踏み台の位置を移動させて作業しましょう。また、高さが足りない場合は、より高い踏み台の使用を検討してください。踏み台や足場台の上では「安定した体勢を保つ」ことが大切です。

昇り降りの際は昇降面の方を向く

踏み台や足場台を使う際は、必ず身体の前側を昇降面(踏み台や足場台の脚側)に向けて昇り降りしてください。階段のように背を向けて降りると体のバランスが崩れやすく、製品自体も不安定になります。荷物を持っているときや慌てているときは背を向けてしまいがちですが、くれぐれも正しい姿勢を心がけましょう。

「これは大事なこと」「注意しなくては」気を引き締める人多数

SNS上ではNITEの注意喚起に対し、「これは大事なことだね」「今まで誤った使い方をしていたから注意しなくては」「年末の大掃除で気をつけないと」といった声が見られました。

また、「知り合いが誤った使い方をして脚立から転落し、大怪我を負った」「バランスを崩して踏み台から落ちたことがある」「家族が脚立から落ち、後遺症が残った」など、実際に事故に遭った体験談を共有する方も見られました。

「これくらい大丈夫」という油断が大きなケガにつながることを、多くの人が実感しているようです。

安全第一で、気持ちよく新年を迎えよう

今回は、年末の大掃除で使う踏み台・足場台の安全な使い方についてご紹介しました。

実際に起きた事故事例を見ると、「身を乗り出してバランスを崩す」「背を向けて降りる」「開き止め金具をロックし忘れる」など、小さな油断や不注意が大きなケガにつながっていることがわかります。作業に集中していると、つい無理な体勢になってしまったり、「これくらい大丈夫」と安全確認を怠ってしまったりすることがあるものです。あらためて踏み台や足場台の危険性を確認・理解し、気を引き締めて使用する必要があると気付かされますね。

踏み台や足場台を使う前には、「天板に乗れるか乗れないか確認する」「滑りにくい履物を履いて作業する」「開き止め金具がロックされているか確認する」「安定した体勢を保つ」「昇り降りの際は昇降面の方を向く」など、基本的なポイントを守り、事故を未然に防ぎましょう。

今年の大掃除は安全を第一に考えて作業を進め、家族みんなが元気に笑顔で新年を迎えられるといいですね。


参考:新年を安全に”踏み”出そう!~年末の大掃除での踏み台・足場台の事故に注意~(独立行政法人製品評価技術基盤機構)