意外と読めない？【漢字クイズ】「公達」はなんと読む？→気になる正解は？

かつての日本には、天皇をトップとした厳格な身分制度が存在していたことをご存じですか？特に上流貴族においては、いつの時代も激しい勢力争いが繰り広げられており、日本史や古文を通して学んだことのある人も多いことと思います。

今回は、そういった身分制度に深く関わる「公達」という言葉をご紹介します。みなさんは正しく読むことができますか？

問題

「公達」はなんと読む？

「公達」の正しい読み方は「きんだち」で、「親王・摂家・清華など上流貴族の子弟」を指す言葉です。

朝廷に仕える上流貴族である「公家（くげ）」の中でも、「摂家（せっけ）」や「清華（せいが）」は超一流で、朝廷の要職を任される「公卿（くぎょう）」とも呼ばれる家格です。その子弟ですから、当時はかなりの身分を持った人を指す言葉として用いられていたのでしょう。

また、この他にも「あなた方」「あなたさま」のように、身分のある人々への敬意を込めた呼び方として代名詞的に用いられることもあります。

そもそも「公達」とは、「高貴な身分の人」を指す「君（きみ）」と、複数人を表す接尾語の「達」が合わさった「君達（きみたち）」という言葉が語源だとされています。

そのため、辞書によっては「君達」と書いて「きんだち」と表記されている場合もあります。

また、「公達」と書いて「こうたつ」と読むこともあるので注意しましょう。その場合には「官庁・役所からの通達」という意味で使われます。

参考文献：大辞林

文（編集）：そこさん

元国語科教員。一文字でたくさんの意味を持つ漢字に魅了され、大学では中国文学を専攻し、漢詩について研究。とても身近なのに、意外と深くは知らない漢字。読むだけでちょっと賢くなれる、そんな豆知識をお届けします！