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意外と読めない?【漢字クイズ】「稚い」はなんと読む?→気になる正解は?

  • 2025.12.15

現代語の基盤となっているのは古語と呼ばれる言葉ですが、古語と現代語とではその意味が大きく異なることがほとんどです。例えば、「うつくし」という古語は現代語では「かわいい」、「ありがたし」という古語は現代語では「めったにない」と訳します。

その一方で、古語と現代語とで意味を変えない言葉もいくつか存在しています。今回ご紹介する「稚い」がそのうちの一つなのですが、みなさんは正しく読むことができますか?

問題

「稚い」はなんと読む?
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語源は「いとけなし」

「稚い」の正しい読み方は「いとけな(い)」で、「幼けない」と表記することもあります。「おさない」という意味を持つ言葉で、古語の「いとけなし」が語源となっています。

「いとけなし」という古語は、「幼気(いたいけ)」と「なし」が組み合わさってできた言葉です。「幼気」は「痛い気」が語源とも言われ、「心が痛むほど、幼くてかわいらしい」という意味を持ち、「なし」は「幼気」を強調して形容詞化するための役割を果たします。

近世に作られた「あどけない」

幼さや子供っぽさを表す古語は「いとけなし」意外にもたくさんあります。「子どもっぽい」「たわいない」という意味を持つ「あどなし」や、「幼稚である」という意味を持つ「いわけなし」です。

実は、「あどなし」「いわけなし」「いとけなし」などの混交によって、近世になってから「あどけない」という言葉ができたと言われています。私たちにとっても、「稚い」より「あどけない」の方が馴染みがあるかもしれませんね。古語から現代語まで、幼さを表す言葉がこんなにもあることには驚きですが、この機会にしっかりと理解しておきましょう!


参考文献: 大辞林、明鏡国語辞典

文(編集):そこさん

元国語科教員。一文字でたくさんの意味を持つ漢字に魅了され、大学では中国文学を専攻し、漢詩について研究。とても身近なのに、意外と深くは知らない漢字。読むだけでちょっと賢くなれる、そんな豆知識をお届けします!