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「手取り10万円」を増やすより断然ラク…FP「今年中に必ず見直して」、家計に潜む"固定費貧乏"の罠

  • 2025.11.29

物価が上がり続ける一方で、手取りはなかなか増えない。そんな家計を静かに追い詰めているのが“見えない固定費”だ。6人の子供を育てるFP・橋本絵美さんは「真っ先に見直してほしい三大固定費がある。年10万円を節約できる可能性がある」と指摘する――。

通帳を見る女性
※写真はイメージです
サブスクの罠にハマっていませんか?

スマホ、動画配信、音楽アプリ、クラウド保存、電子書籍などなど、気づけば毎月、自動的にお金が引き落とされていくサブスクが家計をじわじわと圧迫しています。ひとつひとつは小さな金額でも、積み重なれば大きな支出に。サブスクはれっきとした固定費です。

使っていないのに払い続けている、どこから引き落とされているのか分からない、そんな“サブスク疲れ”の時代にどうすればムダを見極め、家計を守ることができるのか。6人の子どもを育てる大家族ママFPが、令和版固定費削減術をお伝えします。

「気づくと今年も契約更新してしまっていた」「無料体験のつもりが課金されていた」「解約しようにも何に契約しているかわからない」家計改善のご相談でもこうした“サブスク迷子”の方が本当に増えています。

サブスクサービスは1回あたりの金額が小さいため油断しがちなのですが、月500円、700円といった支出が積み重なれば、年間10万円を超えることも珍しくありません。しかも、支払い方法がクレジットカードやQRコード決済、スマホのキャリア決済(スマホ代とまとめて支払うこと)など色々なものに紐づいているため、支出の全体像を把握しづらいことが多いのです。

この“少額×自動引き落とし”の仕組みが静かに家計を圧迫する現代の“見えない固定費”になっています。

さらに厄介なのが解約のしづらさです。どこから手続きすればいいのか分からない、ボタンを何度も押さなければならない、英語ページに飛ぶ、ログインできない……こうしてまた今度にしよう……と先延ばしにし、無意識のまま払い続けてしまう人が後を絶ちません。

必要ないものにお金がどんどんたれ流されていくことは家計をじわじわと疲弊させる最大の原因です。ひと昔前の節約は電気をこまめに消す、食費を切り詰めるなど、我慢をすることが節約になっていました。しかし今は、固定費を見直すことが節約になる時代。放置こそ最大の浪費です。

企業が「買い切り」をやめてサブスクにする理由

企業が買い切り型ではなく、次々にサブスク型サービスを導入するのには理由があります。1回購入してもらえれば終わりだった商品も、サブスク化することで継続的に収益が入るようになります。企業にとっては、毎月の利用料は安定的な売上となります。

とりあえず無料体験、月数百円ならいいかと契約してしまった経験、皆さんもあると思いますが、低価格なサブスク型にすることで消費者側もやってみたい、やってみようという最初の契約の心理的ハードルが下がります。始めるときのハードルは低いのですが、解約は心理的にも面倒なため、そのまま長期契約につなげられるというしくみです。

真っ先に見直すべき「三大固定費」
1デジタルコンテンツ

Amazonプライム、Netflix、Spotify、iCloud、YouTube Premiumなどのデジタルコンテンツは気がつけば増えているサブスクの代表格です。家族全員が別々に契約しているケースも少なくありません。重複しているサービスはないか、家族で共有できるサービスはないか、そもそも不要なサービスはないか、一度、契約を洗い出す作業をしてみましょう。クレジットカードの明細、QRコード決済、スマホのキャリア決済の明細をひとつひとつ確認します。これ何のサービス⁉ という項目がいくつも出てくるはずです。よくあるのが、無料お試しから有料化の落とし穴。

これを防ぐには、契約の際に来るメールを解約日の3日前にスヌーズしておくのがおすすめです。通常契約時に契約確認のメールが来ると思います。そのメールをスヌーズ機能を使って解約予定日の3日前に届くように設定しておくと、忘れなくて済みます。また、スマホの容量が少なくなり、表示されるままにクラウド契約をしてしまいがちですが、アプリ、写真、動画の整理をすれば、容量はまだまだ足りたということも多いです。

サブスクリプション
※写真はイメージです
2通信費(スマホ・ネット)

通信費は、固定費の中でも節約効果が最も高い項目です。大手キャリアをそのまま使っているご家庭では、格安SIMへの乗り換えで、年間数万円もの削減が可能です。

4人家族のSさんは大人2人と中学生、高校生の子ども2人分のスマホ代を大手キャリアで毎月3万円ほど支払っていました。格安SIMへの乗り換えで、4台全員分月8000円に抑えることができました。

格安SIMへの乗換ご提案したときは「よくわからないから不安だし、面倒でやっていませんでした。繋がりにくいと嫌だし、電話番号も変えたくない」とのこと。回線は大手キャリアと同じで通信品質はほぼかわりません。

「私自身も使っていて問題なく使えていますよ」とお話ししました。電話番号はもちろんメールアドレスも月300円程度支払えば引き続き使うこともできます。ただ、このメールアドレス使用料もサブスクですので、フリーメールに変更することをおすすめします。

また、固定のネット回線も実は不要というご家庭も結構あります。特に年配のご家庭の場合、動画視聴はスマホのみ、PCはほとんど使わないという場合、ネット回線自体不要です。解約すればまるまる月5000円浮くことになります。

かく言う私の実家の両親もPCでネットを使うことはないのに固定回線を契約していました。解約したことで月6万円の節約になりました。これが毎年続くので、大きな節約効果になっています。

3光熱費(電気・ガス)の会社を毎年かえる

電気・ガスも自由化され、安いプランやサービスが充実したさまざまなプランが登場しています。こちらも格安SIM同様、よくわからない、電気やガスが止まったら困ると躊躇しているご家庭もまだまだ多いです。契約する会社を変えたとしても、電気やガスを作り、家まで届けてくれるのは、今まで通り地域の電力会社、ガス会社のままです。

そのサービスの販売契約が自由化されただけで、品質は今までと変わりません。例えて言うと、お菓子の「コアラのマーチ」はそのままで、スーパーで買うか、ドラックストアで買うか、コンビニで買うようなもの、どこで買うかによって値段が違ったり、ポイントがついたり、ノベルティがもらえたり、付帯するサービスが変わるという感じです。

我が家ではほぼ毎年電気とガスの会社を変更しています。変更する際にはポイントサイトを経由し、ポイントサイトでもポイントがもらえるのでおすすめです。

もちろん使っていない電気を消すなど、電気の使い方を見直すことは大切なことですが、契約する会社自体を見直すということを、ぜひやってみてください。

固定費を削減する3つの方法

固定費はこの3つの方法のいずれかで確実に節約することができます。

1不要な契約を解約する

当たり前のことですが、解約してしまえば節約になるのは当然です。でも、今月こそ使うかもと中々解約できないもの。でも、一旦解約しても必要なときに再契約できないわけではありません。サービスを活用していないもの、満足度が低いものは、解約をしてみてください。

2安い契約に変更する

同じ内容でも、どの会社で契約するかで料金が変わる場合があります。変更したいけど、違約金や初期費用がかかるのでは、という心配もあります。スマホの違約金は昔は1万円だったのでなかなかハードルが高かったのですが、今は違約金はかからなくなりました。

固定回線も2万円くらいかかっていましたが、今はかからないケースが多くなっています。安いプランがどんどん登場していますから違約金や初期費用を払っても、数カ月で元が取れるケースがほとんどです。

3支払い方法を変更する

月払いよりも半年払いや年払いの方が割引率が高いケースが多いです。年払いが可能な場合は年払いに変更しましょう。また、口座引落しよりも、クレジットカード払いやQR決済で支払うと、ポイントが付与されるため実質お得です。

全く同じ契約内容でも、支払い方法を変えるだけで家計は軽くなります。不要な契約は解約していただきたいですが、必要な契約に関してはお得な支払い方法に変更しましょう。


まとめ
節約というと「我慢」「頑張る」というイメージがあるかもしれませんが、現代の節約は「無駄をなくす」が正解です。物価高が続き、手取りが伸びない現代。収入を増やすことは簡単なことではありませんし、支出を減らすこともなかなか難しいもの。ですが、固定費の無駄な支出を削減することは、面倒かもしれませんがそんなに難しいことではありません。

通帳やクレジットカード、QRコード決済、スマホの決済サービスの明細を丁寧に洗い出してみてください。使っていないのに払い続けている支出がいくつも見つかるはずです。固定費を見直せば、月に1万円、年間12万円の余裕が生まれます。「面倒くさい」に打ち勝つことが、令和時代の最強の家計防衛術かもしれません。

橋本 絵美(はしもと・えみ)
はしもとFPコンサルティングオフィス 代表
6人の子どもを持つママFP&お片づけプランナー。福岡県出身。小さな頃から「大家族のママになりたい!」という夢を持ち、慶應義塾大学商学部卒業後、学生時代から交際していた夫と結婚。現在、中学2年生から3歳まで2男4女の子育て中。

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