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初回放送から4年…今でも色あせない“日曜劇場”の名作「かっこいい!」「絶対に観に行く」映画化続編に“高まる期待”

  • 2025.12.18

TVerでは現在『TBS冬の人気番組特集!』が開催中だ。1か月以上にわたって、40タイトル超が無料で観られる。

その中から、2021年7月4日から9月12日まで日曜劇場枠で放送された『TOKYO MER~走る緊急救命室』をピックアップする。

最新映画も大ヒット

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鈴木亮平 菜々緒 (C)SANKEI

『TOKYO MER~走る緊急救命室』で主演を務めるのは鈴木亮平だ。ドラマだけではなく、2023年、2025年には映画化もされている。『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』は公開から3日間で観客動員67.5万人、興行収入9.1億円を記録。さらに2026年には続編となる劇場版第3作の公開も発表されている。12月3日には続投キャストが登場する予告が公開され、「相変わらずかっこいい!」「絶対に観に行く!」とSNSではすでに期待が高まっている。

ドラマの舞台となるのは東京。最新の医療機器と手術室を搭載した緊急車両が、事故や災害、事件の現場に急行し、スピーディーに負傷者に救命処置を行うのがTOKYO MERだ。

救命救急医でTOKYO MERのチーフドクターを務めるのが、鈴木亮平演じる喜多見幸太。ほかに循環器外科医を目指す研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)、麻酔科医の冬木治朗(小手伸也)、臨床工学技士で救命士の徳丸元一(佐野勇斗)、ベトナム出身の看護師のホアン・ラン・ミン(フォンチー)、そして厚生労働省の若手エリート医系技官でMERの評価を行う音羽尚(賀来賢人)がMERのメンバーだ。

医療界のヒーローの登場

東京都知事の赤塚梓(石田ゆり子)の肝入りで始まったTOKYO MER。彼らに課せられた使命は「死者をひとりも出さないこと」である。そんな使命からも察せられるように、彼らが急行する場所は危険が伴う場所であり、ギリギリの状態で助けを求める負傷者たちがいる場所だ。そこで的確な判断と処置を行う喜多見はまさに医療のヒーローにも見える。TOKYO MER自体がこれまでにない試みということもあり、最初はチーム内でも戸惑いがあった。しかし、喜多見の実力とリーダーシップに引っ張られるようにして、彼らのチームワークも増していく。

最悪の災害、事故、事件で負傷したとき、というのは多くの人が絶望感を覚えるだろう。助からないかもしれない、というギリギリの状況のときに現れるTOKYO MERにはきっと心強さが感じられるはずだ。その心強さは回を重ねるごとに増していき、視聴者側の彼らへの期待感も高まっていったのではないだろうか。

医療と絡む政治の思惑

喜多見たちは、ただできるだけ多くの人を救いたい、という思いがあるのみなのだが、スムーズに進まない部分もある。喜多見の人を救いたいという気持ちが強いばかりに、周りが止めるのも聞かずに危険な場に飛び込むこともあり、それが問題視されることに。関係機関と衝突も絶えず、良く思わない人間もどうしても出てくる。

さらに、TOKYO MERは都知事の赤塚が立案したプロジェクトということもあって、彼女を引きずり下ろすべく、チームを解体させようと目論む政敵の存在もある。政敵たちは少しでも弱みを掴むため、喜多見たちにとって不利な情報が欲しい。それゆえに喜多見の過去も探られることにもなる。彼が抱えている過去というのは医師として、目の前にいる人の命を救うというごく当たり前のことだった。だが、その医師としての使命を最優先したからこそ発生してしまう事件もある。完璧に見える喜多見から覗く人間らしさというのも作品の見どころのひとつだ。

「死者をひとりも出さないこと」という使命があるからこそ、観ていても彼らが間に合えば大丈夫という安心感がある。にも関わらず、彼らを襲うのはピンチの連続。きっと大丈夫だという信頼感もありつつ、緊張感と共に見守ってみてはどうだろうか。


ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko)
うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。