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公開後わずか7日で興行収入11億突破!“彼にピッタリ”な【新作映画】目黒蓮が演じる主人公の“決め台詞”から連想させる思いとは

  • 2026.2.17

人はいつか死ぬ。親しい人との最期がいつ訪れるかは誰にもわからず、誰でも大切な人の最期に直面するのはとても辛いことだ。しかし、そうした別れは誰もがいつかは経験することであり、人生の終幕といかに向き合うかは人生において、とても大切なことだ。

目黒蓮と浜辺美波主演の映画『ほどなく、お別れです』は、死を見つめる人々に向き合う葬祭プランナーを描いた作品だ。目黒蓮が実直で仕事に対してストイックな先輩プランナーを演じ、浜辺美波は、とある特殊な能力を持っていることから、この仕事にスカウトされる新人を演じている。

2月6日(金)に公開され、週末観客動員ランキングにて初週1位を獲得し、公開から7日間で観客動員86万436人、興行収入11億7646万円を突破している。残された人々の悲しみに寄り添うだけでなく、愛する人々を残して逝ってしまった魂にも向き合おうとする感動の物語だ。

霊が見える新人と仕事に厳しい葬祭プランナー

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浜辺美波(C)SANKEI

自分が何をやりたいのかわからないでいる清水美空(浜辺美波)は、就職活動が上手くいかないことで将来に焦りを感じていた。そんな時、彼女に話しかけてくる女性がいた。しかし、周囲はその女性に気づいていない。
実は、その女性は霊体で、美空は霊と会話できる特殊な能力を持っていた。美空は彼女の伝言を葬祭プランナーの漆原礼二(目黒蓮)と喪主の男性に告げて去ろうとしたが、その特殊な能力をプランナーの仕事に活かしてみないかと漆原に誘われる。

人生の目標を見つけられないでいた美空は渡りに船とばかりに、そのオファーを受けて葬祭プランナーの見習いとして就職することを決める。しかし、漆原のストイックな姿勢についていけないこともしばしば。しかし、彼女の特殊能力によって、遺族と亡くなられた方の想いを繋いでいくうち、次第に彼女はこの仕事のやりがいに目覚めていくようになる。

漆原にも愛する人を失った過去があり、美空にも祖母との別れの時が近づいていく。2人はそれぞれの悲しみや喪失感とも向き合いながら、葬祭プランナーとして、愛する人々を葬る作業を手伝い続ける。

「泣ける」と多くの観客から絶賛されている本作だが、たしかに涙なくしては見られない作品だ。もう二度とは帰ってこない失われた命を前にして、残された人々は悲しみ打ちひしがれている。そんな人が再び前を向いて生きられるように、悲しみに一区切りつける作業として葬儀をとらえ、葬祭プランナーはそれを手伝う仕事として描かれている。

本作の物語としての特徴は、美空に霊が見えるという設定にある。この設定によって本作は、生きている人々の想いだけでなく、家族や恋人を置いて先に逝ってしまった人の想いも汲み取ろうとしている。
葬儀は、これからも愛する人を失った後にも生きていくために大切な儀式なんだと説得力を持って描いている。そんな人々の想いに真摯に向き合う葬祭プランナーの姿に思わず涙がこぼれ落ちる作品だ。

目黒蓮の美しい所作は必見

本作の見どころは、感動的な物語を体現する役者たちの存在感にある。主人公の美空を演じる浜辺美波は、どこにでもいる、将来に悩む大学生だ。そんな彼女の特殊能力が活かされる場所を得て、自分の生き方を選ぶようになる。この物語は美空の成長物語としても見ごたえのあるものになっており、覇気のない前半から葬祭プランナーとして成長する後半への変化を、浜辺美波は、等身大のリアリティで体現している。霊が見える特別な存在だからこそ、一層地に足の着いたリアルな存在に見えないといけない役どころと言えるが、彼女はそれを体現するのにふさわしい存在だった。

そして、なんといっても目黒蓮の存在感が抜群だ。遺族の心に寄り添うことを信条に、どこまでもストイックな姿勢で仕事に打ち込む、ちょっと堅物な青年を演じている。葬祭プランナーであると同時に、「納棺師(のうかんし)」でもある彼の所作の一つひとつが丁寧で美しい。
目黒蓮は長身でスタイルもいいという好条件はあるが、立ち姿が非常にきれいだ。彼の姿勢の良さによって、葬祭プランナーを厳粛な仕事に見せることに成功しているし、厳かな雰囲気を作り上げている。

そして、彼の発する決め台詞「ほどなく、お別れです」が、静かに深く心に染み入る。この一言にどんな想いが込められているのか、さまざまな連想をさせる深さを感じさせるセリフの発し方をしている。
この作品は目黒蓮にはピッタリだったと思う。彼の誠実さと実直さが感動を生み出すのにとても大きな役割を果たしている。
また主演の2人以外にも、美空の祖母役の夏木マリも、抜群の存在感で作品の要所を締めている。

『ほどなく、お別れです』は泣ける映画だ。しかし、ただ泣けるだけじゃない。いずれ訪れる最期をどう迎えるのか、そして、身近な人の死を体験した後に、どう生きていくべきかを見る人に考えさせる深さも併せ持った作品だ。この映画を見て流す涙は深い心の奥底から流れる涙なのだ。


出典:大ヒット記念と感謝の想いを込めて、公開後プロモーション映像を≪ほどなく、大公開です≫ | 映画『ほどなく、お別れです』公式サイト

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi