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U-17日本代表、W杯の舞台で「光り輝く未来」を予感させた5名

  • 2025.11.24

廣山望監督率いるU-17日本代表のワールドカップでの挑戦は、ベスト8という結果に終わった。

しかし、この世代のアフリカ王者モロッコと欧州王者ポルトガルを破り、堂々の1位でグループステージを突破。初のベスト4進出をかけた準々決勝オーストリア戦も決定機の数では上回っていただけに、あらためて日本サッカーの力を示した大会だったと言える。

そんな今大会において、素晴らしいパフォーマンスで高い将来性を感じさせた5名の選手を紹介する。

村松秀司

画像1: (C)Getty Images

2008年8月6日生まれ(17歳)

ロサンゼルスFC所属

今大会で日本代表のキャプテンを務めた村松秀司。唯一の海外組として参戦した17歳は「最大の発見」と言える一人だろう。

アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、アメリカで育った村松。その佇まいは日本人離れしたものがあり、語学力を含めピッチ内外で大きな影響力を発揮した。

肝心のピッチ上のパフォーマンスにおいても、いま自分がするべきことを的確に見極め、若いチームの中で良い意味での“重し”に。流れの中で見せた数々のスーパーセーブ、そして北朝鮮戦とオーストリア戦でのPKストップは圧巻だった。

日本代表を自ら選択したからこそ垣間見える覚悟。近年、若く有望な大型GKの台頭が目立つ日本だが、紛れもなく心技体を兼ね備えた村松こそ、鈴木彩艶を追いかける存在になるかもしれない。

元砂晏翔仁ウデンバ

画像2: (C)Getty Images

2009年3月10日生まれ(16歳)

鹿島アントラーズユース所属

U17アジアカップ後にスター候補の1人としてピックアップした元砂晏翔仁ウデンバだが、その後大きな飛躍を遂げた。

同大会で手にした自信を胸に鹿島アントラーズユースで中心選手に成長すると、U-17日本代表でも主力に。アジアカップが追加招集での参戦だったことが今では信じられないほどだ。

今大会は3バックの右でレギュラーを務め、強豪国のアタッカーたちと対峙。的確な守備対応とともに190cmの長身を攻守に生かしたほか、強いインサイドキックでビルドアップにスピード感を加えた。

残念ながらコンディション不良により準々決勝のオーストリア戦を欠場。チームも敗退を喫してしまったものの、新たな大型センターバックとしての元砂の台頭は、近い将来A代表にもプラスの影響を与えそうだ。

和田武士

画像3: (C)Getty Images

2009年6月5日生まれ(16歳)

浦和レッズユース所属

実力者が集った今大会の日本のボランチ。川本大善(柏レイソルU-18)や野口蓮斗(サンフレッチェ広島F.Cユース)も持ち味を存分に発揮した中で、一味違う個性を見せたのが和田武士だ。

小学生時代から浦和レッズのアカデミーでプレーするMFは、グループステージ最終節のポルトガル戦、見事な連係から先制弾を奪い勝利に貢献すると、以降中盤のコントロールタワーとしてチームをけん引。

「憧れのサッカー選手」に挙げるクロアチア代表のレジェンド、ルカ・モドリッチのように攻守で機敏に働き、相手の嫌がる場所へパスを送り続けた。

和田は元砂や長南開史(柏レイソル)同様、2009年生まれのため来年の次回大会にも出場が可能。中心選手としてのプレーが今から楽しみだ。

瀬口大翔

画像4: (C)Getty Images

2008年1月10日生まれ(17歳)

ヴィッセル神戸U-18所属

名前の読みは「たいが」。瀬口大翔は、グループステージのモロッコ戦とポルトガル戦で鮮やかなミドル弾を沈め、今大会の日本を勢いに乗せた。

普段は2列目でプレーすることが多いものの、U-17日本代表では主に左のウィングバックとして出場。しかし、だからこそよりプレーヤーとしての資質の高さが浮かび上がったとも言える。

スピードや技術に優れるだけでなく、相手と駆け引きしながら冷静に最善のプレーを選択できることが瀬口の強み。目の前の局面を攻略してチームを前進させていくクレバーさが光った。

ヴィッセル神戸では来季トップチーム昇格が内定済み。今大会でのパフォーマンスと2つのゴールは、海外クラブに対しても名刺代わりになったに違いない。

マギー・ジェラニー蓮

画像5: (C)Getty Images

2008年12月24日生まれ(17歳)

FC琉球U-18所属

最後は、9月の候補合宿で初招集され、ワールドカップメンバーに滑り込んだマギー・ジェラニー蓮。FC琉球の所属選手として初めて「W杯出場」を果たした。

沖縄の米軍基地で育ったマギーは、アメリカ人の父親譲りの高いフィジカル能力を誇り、身長186cmの体躯にスピードや跳躍力などを備える。さらに周りとつながる技術にも長けた楽しみなアタッカーだ。

そんなマギー最大の魅力は、強引さと力の抜け具合が高いレベルで融合していること。北朝鮮戦で決めた「ループ気味のヘディング弾」はまさに彼の巧さを表すゴールだった、

画像: イングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードを彷彿とさせるセレブレーション (C)Getty Images
イングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードを彷彿とさせるセレブレーション

恵まれたフィジカル能力に頼り切らないプレースタイルの奥深さは、今大会のメンバーでも一、二を争う衝撃度。

今回の大抜擢はある種のシンデレラストーリーであったが、廣山監督が何を期待してマギーを選出したのか。ワールドカップの舞台でそれをしっかり表現できたことは、今後の個人としての成長に大きく寄与するはずだ。

筆者:奥崎覚(編集部)

試合だけでなくユニフォーム、スパイク、スタジアム、ファン・サポーター、カルチャー、ビジネス、テクノロジーなどなど、サッカーの様々な面白さを発信します。現場好き。週末フットボーラー。

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