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「人生で最も悩む決断トップ25」アンケート調査で判明

  • 2025.11.17
Credit: canva

「仕事を辞める」「マイホームを買う」

誰もが一度は直面する“人生の大きな決断”。

では、人はどんな瞬間に最も悩み、心を揺らすのでしょうか?

スイス・チューリッヒ大学(University of Zurich)による大規模アンケート調査で、現代人が日常で最も「悩み、リスクを感じる決断」のランキングが明らかになりました。

そのトップには意外な“ある選択”がランクインしています。現代人の「決断のリアル」に迫ります。

研究の詳細は2025年11月6日付で学術誌『Psychological Science』に掲載されました。

目次

  • 現代人はどんな選択で最も悩む?4000人超アンケート調査
  • 「現実に悩む決断」は研究者の予想とズレていた?

現代人はどんな選択で最も悩む?4000人超アンケート調査

「人生の大きな選択」と聞くと、多くの人は健康や家族、お金にまつわる決断を思い浮かべるかもしれません。

ところが、チューリッヒ大学の研究チームがスイスの一般市民4380人を対象に行った調査では、予想外の傾向が見えてきました。

チームは「自分や身近な人が直面したリスキーな選択」を自由に記述してもらい、その内容を分類。

最終的に100種類の代表的な「悩ましい決断リスト」が作成されました。

調査で最も多かったのは「新しい仕事を受けるべきかどうか」という職業選択。

続いて「仕事を辞める」「お金を投資する」「車を運転する」「自営業になる」「家を買う」といった日常的な選択が続きます。

意外にも、健康や家族の決断よりも「仕事」に関する悩みが圧倒的に多かったのです。

このトップ25は以下のとおりです。

人生で最も悩む決断トップ25

これらの「決断」は、職業、金融、健康、社会、交通、レクリエーションなど多様な分野にわたりますが、最も多く挙げられたのは「職業分野」でした。

さらに、男女や年齢層によっても「悩む決断」の内容に違いがありました。

たとえば、若い世代は「仕事を辞める」、高齢者は「新しい仕事を受ける」といった選択に不安を感じやすい傾向が明らかになっています。

「現実に悩む決断」は研究者の予想とズレていた?

この調査のユニークな点は、「リスク」の定義をあえてせず、参加者自身が「これは人生の岐路だ」と感じた選択を自由記述してもらったことです。

その結果、従来の行動科学で重視されてきた「健康」や「レジャー」分野のリスク選択よりも、圧倒的に「仕事」や「経済」に関する悩みが多いという現実が浮かび上がりました。

実際、同じ調査で「研究者がよく使うリスキーな選択肢(たとえば「運転中にシートベルトをしない」「タバコを吸う」など)」と比べると、一般の人が実際に直面している「悩ましい決断」ははるかに頻繁で、多様だったのです。

年間に遭遇する回数は、一般視点のリスキーな選択肢で平均168回、従来型の典型的リスク選択肢では平均60回と大きな差がありました。

さらに、コロナ禍という社会的インパクトがあったにもかかわらず、人々が「リスキー」と感じる選択の全体的な傾向や分布には大きな変化が見られませんでした。

つまり、「人生の悩みどころ」は時代や環境が変わっても、意外と普遍的である可能性が高いのです。

一方で、リスク嗜好(「自分はどれだけリスクを取る性格か」)が高い人ほど、実際に多くのリスキーな選択を選びやすいという傾向も確認されましたが、個々の決断は年齢や状況、人生のステージによって大きく変化することも示唆されました。

参考文献

The 100 life decisions people dread most, according to psychologists
https://www.popsci.com/health/100-most-dreaded-decisions/

The risky choices of modern life
https://www.eurekalert.org/news-releases/1105936

元論文

Mapping the Ecology of Risk: 100 Risky Choices of Modern Life
https://doi.org/10.1177/09567976251384975

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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