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海から消えた秋の名物…かつて川を黒くそめた「町の主役」を守る苦渋の決断とは

  • 2025.11.16

秋の港を賑わす食材の中で、北海道だけに生息する魚といえば、シシャモです。

ただ「シシャモの町」として知られる北海道の太平洋沿岸に位置するむかわ町では、ここ数年、肝心の主役が海から姿を消して、漁が中止になるなどピンチに瀕しています。

地元では、シシャモ復活をかけた挑戦が続いています。

海から消えた主役…シシャモの町はいま

じっくりと炙って…頭からいただく…。
そんなたまらない秋のごちそうが、ここ数年、危機的な状況に陥っています。

北海道の太平洋沿いにある、7200人ほどが暮らすむかわ町。
毎年大勢の来場者を集めるイベント『秋の味覚まつり』が、10月25日に開催されました。

Sitakke

「めっちゃおいしかったです」

「はじめて食べた…おいしい!」

Sitakke

約20年前いち早くブランド化に取り組み、知名度抜群となった「鵡川ししゃも」。

ところが、会場でふるまわれたシシャモは、同じ太平洋沿いにある広尾町や白糠町でとれたものばかりでした。

かつて『むかわ町ししゃも祭り』だった名称も2年前、改められていました。
むかわ町はいま、厳しい事態に悩まされています。

鵡川漁業協同組合指導事業部の圷 勝部長は「漁師さんも苦渋の決断なんですよ」と話します。

「今は我慢」かつての姿は…

Sitakke

「シシャモ漁を休むのは、資源を回復させるため、また町に人びとが来ていただくために、今はとるのを我慢してシシャモをまた復活させる」

今シーズンも、シシャモ漁は中止。これで3年連続となります。

むかわ町の漁獲量は、2017年の72トンから激減。
2022年には、わずか65キロ、2千尾に届かない少なさでした。
かつては、町内を流れる鵡川を埋めるほど、シシャモの群れが遡上する光景が、秋の風物詩でした。

Sitakke
庶路川 白糠町 2001年

今では禁じられていますが、当時のエピソードとして、祭りの来場者が教えてくれました。

「鵡川の橋のあたりが、シシャモの群れで真っ黒だった。竿で引っかけてやったんだよ。5個の針を付けたら、シシャモが5匹、釣れた。面白くてやめられなかった」

それほどまでに、昔は本当に“よくとれた“のだそう。

川が真っ黒になるほどのシシャモとは、どんな様子なのか。HBCに貴重な映像アーカイブがあります。地元では、川で捕まえ、シシャモ汁や鍋にする時代もあったといいます。

町にとって、どれだけシシャモが身近だったか…意外な場所でも出会えるんです。
「宝物」復活へ、着実に歩む取り組みも次回の記事でお伝えします。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月29日)の情報に基づきます。

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