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「歴史に残る伝説のコラボ」放送直後に反響…批判も生まれる"男女アイドルコラボ”が“称賛の嵐”となったワケ

  • 2025.12.5
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【プロ野球日本ハム対オリックス】ファンの歓声に応える中島健人=エスコンフィールド北海道 (C)SANKEI

“歴史的コラボ”に称賛の声が相次いだ理由とは

2025年12月3日放送の『2025 FNS歌謡祭 第1夜』で、=LOVEと中島健人によるスペシャルコラボ『絶対アイドル辞めないで』が披露された。

放送直後からSNSでは大きな反響が巻き起こり、「良すぎて100回は見た」「最高に可愛くて最高にかっこいい」「歴史に残る伝説のコラボ」といった投稿が相次いだ。X(旧Twitter)では「ケンティーとイコラブ」とワードがトレンド入りし、ネットを中心に大きな話題を呼んだ。

今回の組み合わせは、男性アイドルと女性アイドルという、通常ならばファンの間で賛否が生まれやすい構図でもある。それにもかかわらず、称賛の声が圧倒的多数を占めたのはなぜなのか。本記事では、その背景をひも解く。

楽曲のテーマが示した“ファンの想い”

『絶対アイドル辞めないで』は、アイドルを応援するファンの切実な願いと葛藤を真正面から描いた楽曲。「永遠にアイドルでいてほしい」「けれど、あなたの幸せも願いたい」という複雑な心情を、飾らない言葉で表現している点が、多くの支持を集めた。

そのメッセージが、中島健人という“アイドル像を象徴する存在”と結びついたことで、歌詞の世界観がより立体的に浮かび上がった。

男性アイドルと女性アイドルの共演が“成立”した理由

男性アイドルと女性アイドルのコラボは、ファンの嫉妬や誤解を招きやすく、否定的な反応につながる例も多い。しかし今回のコラボでは、その障壁をほとんど感じさせなかった。

その理由として挙げられるのが、パフォーマンス全体の構成と演出の精度である。

歌割りや振り付けには無理な接触演出や恋愛的なニュアンスはなく、楽曲の世界観を第一にした表現が徹底されていた。中島健人と=LOVEが互いの個性を尊重しながら溶け合うステージとなり、“性別の組み合わせ”ではなく“アイドルとしての表現”へ視点が向く構造が成立していた。

中島健人だから成立したステージ

今回のステージが成立した大きな要因は、中島健人が“アイドルという職業に対する覚悟と誇り”を体現してきた存在であることにある。

長く第一線で活躍しながら、「アイドルとは何か」「ファンとどう向き合うか」という問いを自らの言葉で発信し続けてきた人物でもある。表情、立ち姿、曲中の視線の向け方に至るまで、その姿勢は一貫して“アイドルとしてステージに立つ意味”を示していた。

ステージで過剰に自己主張することなく、かといって存在感を薄めることもしない。演出の中心に立ちながら、作品のテーマと=LOVEの世界観に丁寧に寄り添い、“共演ではなく共創”として見せるバランス感覚。その佇まいこそが、この楽曲に求められていたものだったといえる。

つまり、このコラボレーションは“誰でもよかった”のではなく、「中島健人でなければ成立しなかった」という必然性があったということだ。

プロが支えた“必然性のあるコラボ”

楽曲プロデューサーの指原莉乃は、制作段階から以下のように考えたと語っている。

『絶対アイドル辞めないで』を書くにあたり、アイドルと言えばで真っ先に浮かんだのが中島健人さんでした。
出典:12月3日『2025 FNS歌謡祭 第1夜』指原莉乃歌唱前メッセージより

話題作りではなく、作品性の追求を目的とした企画であったことが、ファンに誠実さとして伝わったと言えるだろう。

やっぱりアイドルってすごい

=LOVEと中島健人『絶対アイドル辞めないで』は、性別や立場を超えて“アイドルとは何か”を描いたステージだった。

楽曲のメッセージ性、演出の精度、プロフェッショナリズム、そしてファンの成熟した受け止め方。
複数の要素が重なってはじめて成立した「歴史的なコラボ」だったと言えるだろう。


※記事は執筆時点の情報です