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汚れも乾燥も防ぐ、レザーブーツの正しいケアガイド

  • 2025.11.2

レザーブーツを清潔に、そして美しく保つには?

お気に入りの靴をひいきするつもりはなくても、上質なレザーブーツがワードローブの上位に入ることは否定できない。太ももまでのロング丈でも、ひざ下丈でも、洗練された一足があればどんなシンプルな装いもぐっとスタイリッシュに格上げしてくれる。ただし、それはブーツのコンディションが完璧な場合に限るのだ。美しいブーツはスタイルを完成させるが、汚れたブーツはその魅力を一瞬で損なってしまう。

だからこそ、正しいレザーブーツのケア方法を知っておくことが重要だ。今の美しさを保つだけでなく、数年先まで愛用できる秘訣でもある。「定期的なメンテナンスこそが、レザーの上質な風合いを保ち、その寿命を延ばす鍵です」と、シューズブランドであるドナルド プリナー(DONALD PLINER)のクリエイティブ・ディレクターであり、フットウェアデザインのベテランであるコリン・ロバートソンは語る。「継続的なケアをすれば、いつまでも新品のような輝きを保てます」

どこから始めればいいかわからない? では、ここからは、専門家が教えるレザーブーツの正しいお手入れ方法と、今季以降も美しさを保つためのアドバイスを紹介しよう。

レザーブーツはどのくらいの頻度で手入ればいい?

一見タフに見えるレザーも、もとは天然素材。定期的なケアが欠かせない。ただし、過度に触れすぎると劣化を早める可能性もある。専門家によれば、2〜5回履いたら一度の手入れが理想的だという。

ただし、雨や泥などの環境によっては、もっと頻繁なケアが必要になることもある。「泥や水、汚れが付いたら、できるだけ早くお手入れをするのが良いです」と、シューズにルーツを持つスペイン発のファッションブランド、アロハス(ALOHAS)のプロダクトデベロッパーであるジョージナ・エストルーチは助言する。

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レザーブーツの基本の洗い方は?

幸いなことに、レザーは布やスエードよりもお手入れが簡単だ。まずは表面の汚れを取り除き、レースがある場合は外す。「柔らかいブラシや乾いた布で、目に見える汚れをやさしく払い落とすこと」とロバートソン。

全体を拭く際は、清潔な湿らせた布を使い、円を描くようにやさしく拭くのがコツだ。「水分を含ませすぎると、レザー本来の質感を損なうので注意してください」と彼は言う。

より念入りに汚れを落とす場合は、中性洗剤やサドルソープ、専用のレザークリーナーを使ってもいい。方法は同じで、石けん水を含ませた布で拭いた後、乾いたタオルで水分を吸い取る。乾かすときは直射日光や熱を避け、自然乾燥を。仕上げにレザーコンディショナーを使うと、柔軟性を保てる。

水ジミの落とし方は?

湿らせた布と少量の中性洗剤で汚れ部分をやさしく拭き取る。レザーを濡らしすぎないことが大切だ。ロバートソンは「どんな処理もまずは目立たない部分でテストをしてみてください」とコメント。完全に乾かした後は、コンディショナーで油分を補い、自然なツヤを戻す。

塩ジミの落とし方は?

白い跡が残る塩ジミには、ホワイトビネガーと水を1:1で混ぜた溶液が効果的。「布に含ませて軽く叩くように拭き取り、跡が薄くなるまで続けてください」とエストルーチ。乾燥後も跡が残る場合は、もう一度同じ手順を繰り返す。

油ジミの落とし方は?

厄介な油ジミも、慌てる必要はない。なぜなら家庭でも対応できるから。エストルーチは「コーンスターチやベビーパウダーを油ジミに振りかけ、一晩置きます」と語る。「翌朝ブラシで落とせば、粉が油分を吸収しているはずです」

それでも落ちない場合は、油汚れ専用のレザークリーナーを使うのが正解。「油ジミは繊細な処理が必須」とロバートソン。「迷ったときは信頼できる靴修理店に相談を。ブーツにも“スパデー”が必要なときがあります」

インク汚れの落とし方は?

インク汚れは時間との勝負。新しい汚れなら、アセトンを含まない除光液や消毒用アルコールを綿棒に含ませ、軽く叩くように拭き取る。レザーを濡らさないよう注意を。古いインク汚れの場合は、プロに任せるのが賢明だ。

擦り傷・スレの対処法は?

スレが気になる場合は、乾いた柔らかい布や革用の消しゴムでやさしく擦る。エストルーチは「白い消しゴムで軽く擦るだけでもOK」と言う。メラミンスポンジや、ホワイトビネガーの方法で軽く磨くのも有効だ。

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レザーコンディショナーの使い方は?

コンディショナーにはオイル、クリーム、ワックスなどのタイプがあり、レザーの油分を補って乾燥を防ぐ役割を果たす。「柔らかさを保ち、ひび割れを防ぐことができます」とエストルーチ。

使い方は、清潔で乾いたレザーに少量を取り、円を描くように布でなじませる。硬くなったレザーには、日光や低温のドライヤーで軽く温めると浸透しやすい(ただし濡れた状態では絶対に加熱しない)。その後、数時間から一晩おいてしっかり吸収させる。

「ポリッシュ仕上げのレザーには、ブーツの色に合った高品質のクリームやワックスを使うのがおすすめ。柔らかい布またはブラシで塗り、数分乾かしてから磨くと美しい光沢が蘇ります」

長く愛用するためのケアの心得は?

定期的なクリーニングやコンディショニングに加えて、ブーツを長持ちさせるための簡単な習慣がある。まずは、できるだけ乾いた状態を保つこと。エストルーチは「濡れたときは、直射熱を避けて自然乾燥を。熱はレザーを乾燥させ、ひび割れの原因になります」と述べた。

履かないときは、シダー製のシューツリーを入れて形崩れを防ぎ、折れジワを軽減する。「風通しの良い涼しい場所に保管し、ほこりや光から守るために、シューズボックスや布袋を活用するといい」と彼女は続ける。

また、同じブーツを毎日履き続けるのも避けたい。「ブーツに休息を与え、レザーを呼吸させることで、より長く美しく保てます」とロバートソン。

最後に忘れてはいけないのは、定期的なメンテナンスと信頼できる修理職人の存在だ。ロバートソンは「クイックシャインスポンジは、ブーツを履くシーズン中いつでも手軽にツヤを取り戻せる便利なアイテム」と話し、「縫い目のほつれやソールの摩耗、傷は早めに修理を。放置すると状態が悪化するのです」とエストルーチも補足する。

上質なブーツを美しく履き続けることは、単なるお手入れではなく、自分自身のスタイルを磨くことでもある。丁寧にケアされたレザーの艶は、時を経るごとに深みを増し、履く人の人生を静かに映し出していくのだ。

Photo: Spotlight, Getty Images Text: Christina Pérez Adaptation: Reona Kondo From VOGUE.COM

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