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【田園日記~農と人の物語~ Vol.21】江戸時代から名高い、地元食材を生かした「サツマイモ料理」

  • 2025.10.30

農にまつわるリアルを伝えるドキュメンタリー連載。情熱をもって地元で「農」を盛り上げる「人」にスポットを当て、いま起こっているコトをお届けします。今回訪れたのは埼玉県南部。地域の農家女性のなかから料理上手が集まり、地元の農産物を使ったオリジナルレシピを作成しました。併せて動画も提供しており、若い世代にも好評です。




首都圏にありながら自然豊かで農業が盛んな埼玉県南部は、葉物野菜や根菜類の一大産地です。
地元農産物のPRや消費拡大を目的として、JAいるま野では約二十年前に「料理研究グループ」を立ち上げました。

メンバーは、農家女性のなかから選ばれた十四人。
毎月一回ほど活動し、担当のメンバーが地元農産物で、オリジナルレシピを作っています。



"地元らしさ“をキーワードにレシピを考案

「料理研究グループの任期は二年間です。野菜や茶、鶏卵、餅など、管内の農産物で地元感や独創性のあるレシピを作成します」

そう話すのは、事務局のJAいるま野・総合企画部くみあい組織課の島田英恵さんです。

任期の開始時には、月ごとのテーマ食材を発表します。活動日の二か月前から、担当メンバーが各自でレシピの試作に取りかかります。活動一週間前には、レシピを事務局へ提出。活動日には、レシピを基に料理を作って発表や試食などをします。

「レシピは、広報誌やウェブの『とれ蔵KITCHEN』で公開します。好評につき、五年前からはYouTube動画も始めたんですよ」
と、島田さんは話します。

事務局が撮影から編集まで手がける「とれ蔵KITCHEN」は、ポップなBGMと見せ方の工夫でレシピを紹介。「料理の手順がわかりやすい」と若い世代にも好評で、視聴数もうなぎのぼりです。





地元の農畜産物の魅力を「若い世代」へ

九月初旬の活動日。テーマ食材はサツマイモです。朝早くからJAの調理室に集まったメンバーは、身支度を整えると仕込みに入ります。

揚げ物からデザートまで、作るレシピは違えども手際よく仕上げて、あっという間にすべてのレシピが完成。広報誌用の撮影を終えると、お待ちかねの試食タイムです。

試食中は「この味つけは、なにを入れたの?」「この季節は、いいサツマイモがとれるからね」など、メンバー間で会話が弾みます。



メンバーにやりがいや喜びを尋ねると
「日々の料理と違って、地元らしさや今の時代の感覚を取り入れたレシピ作成はとても難しい。だからこそチャレンジしがいがある。レシピが好評だと聞くとうれしい」と口をそろえます。

コロナ禍収束後、集まりが再開され、活動に活気が出てきたと、笑顔の島田さん。
「これからも料理研究グループと地元農産物を盛り上げて、郷土の味として若い世代に伝えていきたいです」


それでは「料理研究グループ」のメンバーがイチオシする、サツマイモ料理を紹介します。

農家直伝!「サツマイモ料理」ベストセレクション

サツマイモのフルーツサラダ



爽やかなパイナップルやリンゴ、塩トマト、香ばしいクルミがたっぷりのサラダ。隠し味のヨーグルトで、なめらかさをプラスしました(森田節子さん)。

サツマイモと枝豆のチーズ春巻き



棒状に切ったサツマイモとエダマメ、チーズを巻いたオリジナル。天然塩やバジルソルト、からしマヨネーズなどと合わせたいですね(室岡文さん)。

サツマイモと鶏もも肉の甘辛炒め



ホクホクとしたサツマイモと、プリッとした鶏もも肉の炒め煮は、食べごたえあり。絶妙な甘辛の味つけに、箸が止まりません(増岡キヨさん)。

サツマイモのツナマヨサンド



薄く輪切りにして蒸したサツマイモに、マヨネーズや金ゴマを加えたツナペーストをサンド。おやつにぴったりですよ(塩野谷清子さん)。

イカとスイートポテトの柚子胡椒あえ



素揚げしたサツマイモと、味つけしたイカの塩味がポイント。彩り野菜もたっぷり入れて、栄養バランスも抜群です(山嵜友子さん)。

サツマイモ入り野菜サラダ



レタス、ニンジン、パプリカのシャキシャキ食感と、ほっこりしたサツマイモが好相性。オイル系ドレッシングでいただきます(浅見春代さん)。

サツマイモの茶巾絞り



加熱したサツマイモに、砂糖とホイップクリームを加えてペースト状に。ラップで絞って、かわいい彩りを添えてみました(浅見良子さん)。

芋天七変化



黒ゴマ、金ゴマ、紅ショウガ、カリカリ梅、ナッツを天ぷら衣に加える。かるく塩をふり、衣とイモの味を楽しんでくださいね(西海峰子さん)。

今回のレシピは、埼玉県JAいるま野『とれ蔵KITCHEN 』の提供です。こちらもご覧ください。
https://www.ja-irumano.or.jp/recipe.html

※当記事は、JAグループの月刊誌『家の光』2024年12月号に掲載されたものです。

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