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グルマン温故知新:高田馬場〈手打蕎麦 nobu〉蕎麦に惚れ込み、蕎麦屋に転身した博士の蕎麦

  • 2025.10.28
グルマン温故知新:高田馬場〈手打蕎麦 nobu〉
BRUTUS

手打蕎麦 nobu(高田馬場)

蕎麦に惚れ込み、蕎麦屋に転身した博士の蕎麦

店主・藤井信勝さんは、あえて裏通りの目立たない場所を選んで店を構えた。木の葉が風に揺れてこすれ合う音が聞こえるような静かな場所で、お客様に蕎麦に向き合ってほしいと考えたからだ。

店主のバックグラウンドがユニークだ。バイオの研究で博士号を取得。製薬会社に勤務し、在宅医療に携わっていたが、あるとき、巣鴨の名店〈手打そば菊谷〉で「唎き蕎麦」を食べて衝撃を受けた。蕎麦の味わいや香りの違いに触れ、その底知れぬ魅力に惚れ込む。

利き蕎麦
利き蕎麦 産地の異なる2種類の蕎麦を食べ比べる。「土の香りが、また、人の思いが殻と実の間に入る」と店主。今日は、緑色の香りが強い粒だけを選んで打った福井産・大野在来(左)と、師匠・菊谷さんから分けてもらった土の香りが強い益子(ましこ)産・秩父在来(熟成)の2種。確かに違いがわかる。数量限定。1,400円。
生麩三種盛り
生麴三種盛り 京都の生麩尽くしの料理に感銘を受け、オンメニューした新作。よもぎ麩には田楽味噌、粟麩は九条ネギと和牛を加えてすき焼き風に、ごま麩は揚げ浸しに。三者三様の妙味。数量限定。1,580円。
鴨の鉄板焼き
鴨の鉄板焼き 小さな鉄板を熱して、じっくりと低温調理した岩手県産鴨ロースを好みの焼き加減で焼き上げる。つくね、マイタケ、シメジ、ネギも焼いて。バルサミコソースで調味が肝。バイオレットマスタード添え。2人前1,800円。

一大決心をして弟子に入り、7年後独立。無事に店を構えた。といっても、現在も非常勤で勤め人を続けるダブルワーカーゆえ、店を開けるのは土日のみだ。

蕎麦には禅の精神が宿る。呼吸を整え、心静かに蕎麦を手繰れば、それは禅なり、と店主。蕎麦前には、ひとクセある日本酒と手頃なつまみが揃う。秋深い週末のひととき、しっとりと蕎麦を味わいたい。

店主・藤井さん
蕎麦も禅も、静かな環境、姿勢、呼吸が大事と店主・藤井さん。
手打蕎麦 nobuの店内
テーブルがゆったり設(しつら)えられ、蕎麦に向き合う環境として最適。

Information

手打蕎麦 nobu

東京メトロ高田馬場駅から徒歩3分、JR高田馬場駅から徒歩6分。2025年6月28日オープン。予約は公式HPからのLINEを推奨。蕎麦前三品盛り530円、卵焼き(茨城の平飼い玉子の出汁巻き)390円、海老の天ぷら770円など、つまみは14種。もり蕎麦950円、鴨汁蕎麦1,800円。日本酒は日替わりで9種。

住所:東京都新宿区高田馬場2-10-9 戸蒔ビル1F
TEL:03-5273-8007
営:11時~14時30分LO、17時~20時LO
休:月曜~金曜
¥:ビール520円~、日本酒350円~、ソフトドリンク350円~。昼夜とも、もり蕎麦950円~、一品料理350円~、デザート200円~。
席:テーブル6卓14席、カウンター4席

*営業形態、営業時間等は変更になることがあります。

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