【判決】「職場の 《ちゃん付け》 はセクハラ」に “衝撃”…　報道を受けて議論 巻き起こる「おじさん同士が呼び合うのも？」

「ちゃん付け」以外にも“セクハラ行為”認定

東京地裁が2025年10月23日、佐川急便の元従業員女性が同僚男性から受けた「ちゃん付け」呼びなどの行為をセクハラと認定し、男性に22万円の慰謝料支払いを命じたと、各メディアが報じました。この判決をめぐりネット上では賛否が飛び交っています。中でも目立つのは、親しみを込めて呼ぶことのある「ちゃん呼び」もセクハラの対象になり得ることへの驚きの声です。

X（旧ツイッター）におけるこの判決を肯定する意見は、職場での適切な境界線や個人尊重の観点から判決を支持するものです。

産業医だというあるユーザーは、「（社員との）産業医面談でも、なれなれしくされるのがストレスで体調悪くなるという話は聞きます。仕事では適度な距離感が重要」と、職場での境界線を強調します。

また別のユーザーは、「時代の分岐点を感じる。『ちゃん付け』という文化はもともと、日本特有の親しみや柔らかい距離感の表現。しかし職場という公の場では、それが上下関係を曖昧にする言葉にもなり得る。つまり問題は言葉そのものより、使う側の意識だ」と、言葉の背景を分析しました。

さらに別のユーザーは、「呼ばれても嫌じゃないと思ってもらえる上司になれたらいいけど、相手の心情を全て推し量るのは困難」と、親しみを込めることとハラスメントの境界線を見極める難しさを指摘します。

一方の“懐疑派”は、判決に対する驚きを率直に表明する声が多く見られました。

「理解に苦しんだ。『ちゃん付けはセクハラとまでは言えないが、他の言動はセクハラに当たる』というのであれば分かるけど」と、認定の基準に疑問を投げ掛けるユーザーや、「今の社会怖い。何でも犯罪、パワハラ、セクハラ、モラハラ……」と、社会全体の委縮を懸念する意見も。

また、「おじちゃん（ベテラン男性）たちが『田中ちゃん』『山田ちゃん』『佐藤ちゃん』ってお互いをちゃん付けで呼び合うのもセクハラ！？」と、文化的な親しみが失われることを嘆く声もあります。さらに「職場ではけっこうありそうだけど。私もちゃん付けされていたけど、仲の良さを感じられてうれしかった」と、個人の受け止め方の違いを挙げる女性ユーザーもいました。

ただ、今回の事件を考えるに当たって、当該記事の内容とタイトルに乖離（かいり）を感じるとの指摘が多いことにも留意が必要です。「ちゃん付けはセクハラ、慰謝料支払いを命令」といった見出しについて、「ちゃん付けだけが（セクハラ判決の）理由ではないのに。ミスリードを招くタイトルでは？ 」という疑問や、「記事を読んだら『体形いいね』とか『かわいい』とか言われて鬱になったと書いてあった」と、見出しから受ける印象が「ちゃん付け」に偏り過ぎている点を指摘する声が多数挙がりました。

こうした実態を把握した上でなお、「ちゃん付け」呼びのセクハラ認定に衝撃を覚えるユーザーは少なくありません。時代の変化や状況によってアップデートが必要な「セクハラ」の該当事項。あなたは、職場での「ちゃん付け」についてどう思いますか――？

（LASISA編集部）