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東京都写真美術館で報道と芸術を結ぶユージン・スミス展──ロフト期から水俣までの名作公開

  • 2026.3.16
W. ユージン・スミス 〈私の窓から時々見ると…〉より 1958年 東京都写真美術館蔵 Photo_ ©1958, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith
W. ユージン・スミス 〈私の窓から時々見ると…〉より 1958年 東京都写真美術館蔵 Photo: ©1958, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith

ユージン・スミス(1918–1978)は、第二次世界大戦中の取材で注目され、『ライフ』誌などで数々のフォト・エッセイを発表した報道写真家だ。晩年には水俣シリーズでも知られている。

本展では、スミスが1957年にニューヨーク・マンハッタンのロフトに移り住み、ジャズ・ミュージシャンや画家、写真家たちと交流しながら実験的な撮影に取り組んだ時期に焦点を当てる。

W. ユージン・スミス 《セルフ・ポートレイト》 1957年頃 Photo_ ©1957, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith /Courtesy of Center for Creative Photography, The University of Arizona: W. Eugene Smith Archive
W. ユージン・スミス 《セルフ・ポートレイト》 1957年頃 Photo: ©1957, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith /Courtesy of Center for Creative Photography, The University of Arizona: W. Eugene Smith Archive

ロフトでの生活は、報道的な記録から時間を超えて本質を浮かび上がらせる芸術的表現への転換期だった。窓の外に広がる街並みや日常の断片を観察することで、スミスはジャーナリズムの枠を超えた独自の写真表現を確立。

本展では、定点的に撮影したマンハッタンの風景や生活空間、ジャズ・ミュージシャンの演奏を捉えた作品など、ロフト期の主要作約50点を展示。当時の映像や音楽とともに、ロフトの空間を再現し、スミスの制作の現場に触れることができる。

また、スミス自身が構成した回顧展「Let Truth Be The Prejudice」(1971年)の一部を再現し、報道と芸術の融合をめざした彼の思想に迫る。さらに、水俣シリーズを通じて社会の現実に寄り添う報道性と芸術的感性の交差を紹介し、撮影に同行したアイリーン・美緒子・スミス氏による全3回のシンポジウムも開催予定。会期中はギャラリートークに加え、ジョニー・デップ主演映画『MINAMATA—ミナマター』の上映も予定されており、スミスの作品世界を多角的に体験できる展覧会となっている。

W. ユージン・スミス 〈私の窓から時々見ると…〉より 1958年 東京都写真美術館蔵 Photo_ ©1958, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith
W. ユージン・スミス 〈私の窓から時々見ると…〉より 1958年 東京都写真美術館蔵 Photo: ©1958, 2026 The Heirs of W. Eugene Smith
W. ユージン・スミス 《無題(認定患者の遺影を持つ親族たち) 》〈水俣〉より 1972年 東京都写真美術館蔵 Photo_ ©Aileen Mioko Smith
W. ユージン・スミス 《無題(認定患者の遺影を持つ親族たち) 》〈水俣〉より 1972年 東京都写真美術館蔵 Photo: ©Aileen Mioko Smith

W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代

会期/2026年3月17日(火)– 6月7日(日)

会場/東京都写真美術館 2階展示室(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)

開館時間/10:00 – 18:00 ※木・金は20:00まで

休館日/毎週月曜日

※ただし5月4日(月)は開館、5月7日(木)は休館

観覧料/一般700円(560円)、学生560円(440円)、高校生・65歳以上350円(280円)

※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、各種カード会員割引料金

※中学生以下及び障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料

※第3水曜日は65歳以上無料

※3月17日(火)~4月5日(日)は、ウェルカムユース2026キャンペーンで18歳以下無料

URL/http://topmuseum.jp

Text: AI YANO

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