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「急がない勇気」が、あなたを救う。瞑想でもヨガでもない、“心を整える”最小の習慣

  • 2025.10.23

瞑想でもヨガでもない。心の余裕を取り戻す小さな習慣

全自動コーヒーメーカーを使うのをやめて、昔ながらの直火式エスプレッソポットに戻した。理由は、味でも節約でもない。朝の始まりを変えたかったからだ。ボタンひとつで数秒のうちに豆が挽かれ、ガーッという機械音が鳴り響くよりも、静かに湯気を立てるあの時間を楽しみたい。キッチンいっぱいに広がる香ばしいコーヒーの香り。それだけで、心がふっとほぐれていく。詩的に聞こえるかもしれないけれど、これは本当の話だ。

ずっと欲しかった高性能マシンは、確かに手早く完璧にコーヒーを淹れてくれる。でも同時に、まだ家を出る前から私を“自動運転モード”にしてしまう。だからこそ、そのスイッチを少しのあいだオフにしておくこと。それが、私なりの“幸せを探す方法”になっている。

この小さな実践は、心理学者たちが勧める「マイクロ・セレブレーション(日常の小さな祝い)」の一例だという。いつもの行動に意味を見出し、ルーティンのなかに小さな喜びを見つけること。週末や休暇を待つのではなく、いまこの瞬間を味わうこと。

コーヒーをゆっくり淹れる、同僚とのちょっとした会話、ランチをデスクから離れて食べる、夜のドラマを楽しむ……。そんな“ささやかなこと”の積み重ねが、気づけば心を軽くし、毎日を少しだけ幸せにしてくれるのだ。

小さなことを大切にすることが、自律神経を整え、ストレスを軽減する

日常のなかの“当たり前”を特別なものとして受け止めるたびに、私たちの体内ではストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが下がっている。そう教えてくれるのは、心理学者であり、ウェルビーイング・プラットフォーム「Combrension(コンブレンシオン)」のCEO、ブレンダ・デ・ラ・ペーニャだ。

「心理学的に見て“小さなことを祝う”というのは些細な行動ではありません。それは、自分の神経系を整え、心身のバランスを保つための方法なのです」と彼女は語る。「喜びや充実感を“大きな出来事”にだけ結びつけてしまうと、私たちの体は常にコルチゾールの波にさらされることになります。多くの人が“幸せ”を未来のどこかにあるゴールとして捉え、今この瞬間の心地よさを感じることを忘れてしまっているのです」。

“急がない”という選択が、心を整える

あれもこれもこなしたい一心で、実際には大して急ぐ必要がない場面でも、常に走り続けることが“当たり前”になっていた。そうすれば「時間を稼げる」と思い込み、やるべきことをすべてリストから消せるはずだと信じていたのだ。

けれど、最近は日常のなかにある“ちょっとした心地よさ”に立ち止まるようになってから、自分が以前よりも落ち着き、集中できるようになったのを感じている。

「小さなことに価値を見出すことは、まず“内なるスピードを落とす”ことから始まります。体も心も“サバイバルモード”にあるとき――つまり、コルチゾールが高く、常に“次に何をするか”を考えている状態では、“今この瞬間の心地よさ”を感じることはできません。そして実は、私たちは“落ち着いているとき”のほうがずっと効率的なのです。焦って物事を進めると、ミスをしやすくなり、結果的にやり直しが必要になって、最初から丁寧にやるよりも時間がかかってしまうことが多いのです」。

だからこそ、最初のステップは“身体レベルの変化”を、無理のないかたちで取り入れること。

たとえば、呼吸をゆっくり深くする。罪悪感なく休む。食事中は“いまこの瞬間”に意識を向ける。

「脳は“安心しているとき”にしか、喜びを感じることができないのです」と、ブレンダは締めくくる。

日常の中で「マインドフルネス」を鍛える方法

心理士であり、クラリタス心理学研究所のセラピストでもあるミレン・エギアラ・アラソラによれば、“自動運転モード”の毎日から抜け出し、彼女が言うところの「日常の中でマインドフルネスを鍛える」ことは、誰にでも可能だという。

「その方法とは、一日の中に意識的な“間”をつくること。たとえば、コーヒーの味にしっかり注意を向けたり、身近な人の笑い声を丁寧に聴いたりすることです。そうすることで、脳は“いつもの中にある喜び”を感知するように訓練されていきます」

日々の暮らしの中に“繰り返しの儀式”をつくることも有効だという。小さくてシンプルなルーティンは、私たちの毎日を支える“心のアンカー”になり、感情の安定をもたらしてくれる。「朝の数分を穏やかな朝食に使う」「好きな音楽を集中して聴く」――そんなわずかな行動が、心の軸を整える力になるのだ。

また彼女は、“目に見えない努力”に目を向けながら、日常の中にある小さな喜びを感謝とともに受け取る大切さも強調する。それは誰もが自分なりに見つけられるものであり、形は人それぞれだが、クラリタス心理学研究所のミレンが言うように「脳を“いつもの中の幸せ”に気づかせるためのトレーニング」でもある。

見過ごしたくない、“小さな幸せ”の瞬間

  • コーヒーの味わいにじっくりと意識を向けること。
  • 整った部屋の心地よさを眺めて感じること。
  • 友人との何気ない会話を楽しむこと。
  • しばらく会っていなかったご近所さんに声をかけること。
  • 友人と一緒にジムへ行き、帰り道の会話を味わうこと。
  • 一日の終わりにキャンドルを灯すこと。
  • 好きな音楽に耳を傾けること。
  • 今日、自分が決めたことをちゃんとやり遂げたときの満足感を噛みしめること。

FROM VOGUE.ES

Text: Ana Morales Adaptation: Makiko Yoshida

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