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観光地も穴場も楽しむ熊本旅!3か月滞在でめぐった街歩きや歴史も楽しめる絶景&温泉スポット

  • 2025.10.18

これまで訪れたことのなかった九州。そのなかでも約3か月間過ごした「熊本」は、心からまた訪れたいと思うほど魅力的な場所だった。

今回は、滞在して実際に感じた熊本の良さやおすすめスポット、過ごし方を紹介していく。

阿蘇山周辺の絶景スポットをめぐる

阿蘇の草原と馬牛注意の看板

熊本の観光地といったら、まず1、2番目に名前が出てくるのが「阿蘇」。

まるで海外のような、広大に広がる青々とした草地、放牧された牛たち、眼下に栄える阿蘇の街並みが忘れられない。見渡すかぎり木がなく、なだらかな大地や山が続いている景色がとても新鮮で、心を奪われた。

大観峰で360度パノラマを楽しむ

大観峰からの眺め

最初に訪れたのは大観峰。夏特有の地表からの熱気の影響でやや霞んでいたが、その中に見える独特なカルデラ地形が不思議だった。

4度にわたる巨大噴火によって山の中心がなくなり、今の地形が生まれたという歴史を思うと、自然の力に圧倒される。見渡す限り広がる柔らかそうな草地を見ていると、思わず飛び込みたくなるほどだった。

草千里ヶ浜で広大な草原を散歩する

青々とした草地広がる草千里ヶ浜

大観峰から車で約40分。一面に広がる草原を馬が歩く姿が見られる草千里ヶ浜へ。

遠くには烏帽子岳や杵島岳といった阿蘇五岳の山々がそびえ、道を挟んだ反対側には阿蘇火山博物館やカフェ、レストラン、お土産店が並ぶ。

ここで1日のんびりするのもよさそうだ。

白馬が草原を歩く姿はまるで海外みたい

中岳火口を間近で感じる

エメラルドグリーンの火口湖から白い煙が上がる

草千里ヶ浜から車で約10分。先ほどまでの”緑の世界”から、岩がゴロゴロとむき出しになっている”グレーの世界”に変わる。

ゴロゴロとした岩肌と地層が織りなす模様

車を降りた瞬間、焦げ臭い匂いが鼻をつく。今も活発に活動を続ける噴火口からは、モクモクと白煙があがっていた。

大観峰や草千里ヶ浜とはまた違う”生きている地球”を肌で感じる。日によっては火山ガスの影響で火口付近に行けない場合もあるので、近くまで行けたのはラッキーだった。

奥に火山シェルターと賽の河原のように積まれた石

熊本城と街歩きで歴史を感じる

外壁が白く美しい熊本城

熊本といったら、くまモンと熊本城!……ということで、熊本市街にも行ってきた。

お城が見える市内には路面電車が走り、西洋文化が入ってきた頃の名残を感じる街並み。散策すればするほど、もっと熊本のことを知りたくなった。

熊本城を歩いて武士気分を味わう

熊本城の本丸御殿の下を通る「闇り通路(くらがりつうろ)」

熊本城を見て「今まで、ちゃんとしたお城を見たことがなかったんだな」と気づいた。

白く美しい外観と、地上6階・地下1階建ての城内は、階ごとに熊本城を管理した藩主や時代の変化が詳細に展示されていて、見どころ満載。

細川時代に水害対策として、蛇行した川を真っすぐ流れるように大整備を行ったこと、2016年の熊本地震で崩れた石垣は石にすべて番号が振られ、地震前の写真を元にパズルのように復元したという話が衝撃だった。

熊本地震の傷跡が今なお残る

熊本市電で街をぶらり散策する

路面電車「熊本市電」レトロバージョン

路面電車のあるところには、歴史あり。昨年、全国各地をめぐって気づいた法則だ。

路面電車「熊本市電」は、一律200円。5分おきくらいにどんどん電車が来るので、市内散策にとても便利。車窓から見える熊本市街は、現代の建物と古い建物が入り交じり、調和している雰囲気が印象的だった。

偉人たちの住まいでタイムスリップ体験する

最古の洋風建築「熊本洋学校教師ジェーンズ邸」

明治時代、西洋の文化が入ってきた名残を感じられるのが「熊本洋学校教師ジェーンズ邸」。

熊本県内に現存する最古の洋風建築で、現在は県の重要文化財に指定されている。近くには夏目漱石の旧居もあり、彼らが生きていた時代に思いを馳せるひとときとなった。

夏目漱石大江旧居

黒川温泉でまったり過ごす

夏祭り時期で提灯がともる黒川温泉

熊本市街からバスで約3時間。人里離れた山奥にあるのが「黒川温泉」。初めて知った場所だったが、今まで知らなかったのがもったいないくらい最高の温泉地だった。

湯めぐり手形発祥の地をめぐる

使い終わった湯めぐり手形は黒川地蔵尊に掛けられる

全国の温泉地でよくある”湯めぐり手形”を最初に作ったのが黒川温泉。

「一軒で儲かるのではなく、地域全体で黒川温泉郷を盛り上げたい」との思いから生まれた湯めぐり手形を象徴するように、どの旅館も看板の色味が統一され、一体感のある温泉地である。旅館の人手不足や長時間労働をなんとかしようと挑戦している旅館もあり、20~30代も働きやすそうな雰囲気だった。

25カ所の温泉・7つの泉質を比べてみる

黒川温泉の地図。パンフレットには各温泉の泉質や温泉ソムリエによる、おすすめ湯めぐり方法が記載されている

日帰りできる温泉の数が25カ所、泉質も7種類とその豊富さにビックリ!

温泉街の中心地は川に沿うように旅館が建っていて、昔ながらの石段や岩で作られたお風呂や滝が見られるお風呂など、地形を生かした作りに温泉に辿り着くまでもワクワクが止まらなかった。

中心街から少し離れた温泉は、敷地が広くゆったりとした露天風呂が多く、まるで京都のような手入れされて美しい庭の中に温泉があるようだった。また入浴方法も立湯、寝湯、顔湯などさまざまなタイプがあり、すべてを満喫するには時間が足りなかった。

たくさんの温泉卵を味わう

いこい旅館の温泉卵

他の温泉地と違うなと感じたのが、温泉卵があちこちにあること。泉質によって味も違い、私のお気に入りは南城苑の温泉卵。鉄成分の影響か、お肉の燻製ような香りがして美味しかった。

黒川温泉に行った際は、湯めぐりだけではなく”温泉卵食べ歩き”もおすすめしたい。

南城苑の温泉卵。殻がひび割れていた部分が黒くなっている

五輪の書を記した洞窟・霊巌洞を訪れる

熊本市の金峰山山麓にある洞窟「霊巌洞」

熊本観光について調べていたときに、たまたま知った穴場スポット。熊本市街からはやや外れた位置にあるが、歴史や神社仏閣、仏像や石仏、苔が好きな人には刺さる場所だと思う。

五百羅漢の独特な表情・佇まいに出会う

苔むした岩に座る五百羅漢

五百羅漢とは、お釈迦様の弟子である阿羅漢(あらかん)500人を指す言葉。

仏教等には詳しくないのだが、1体1体表情が違うという石仏・五百羅漢見たさに行って正解だった。巨大な岩に合わせて姿勢も違い、胡坐をかいていたり、片膝を立てた姿勢で座っていたり、その表情の豊かさや独特な雰囲気が見ていて飽きずあっという間に時間が過ぎていった。

蔦と苔に覆われた五百羅漢

霊巌洞の神秘的な雰囲気を感じる

霊巌洞中央には大きな岩が鎮座している

宮本武蔵が晩年、五輪の書を書いたと言われる霊巌洞。

急な石段を登り、実際に洞窟内部に入ることができる。洞窟奥には木の格子で囲われた神様を祀るほこら、側面に垂れ下がるツタにはおみくじが結ばれていた。不思議と落ち着くその空間は、そこだけ時間の流れが違うように感じた。

霊巌洞内部からみた岩肌

国道からすぐ!夫婦滝で自然の神秘を楽しむ

夫婦滝にまつわる伝説

黒川温泉から南小国市街地方面へ国道442号沿いを進むと、右にあるのが「夫婦滝」の看板。

「こんなところに滝なんてあるのかな?」と思うような場所だが、駐車場から歩いて約3分で目の前に大迫力の滝が姿を現す。

同じ場所で滝になる2本の川を観察する

滝に行く前にあるお土産屋さんの店先にはハートの絵馬がたくさん

2本の川が同じ場所で滝となり、ひとつに合流するという珍しい景観。

高さ15mの男滝と、高さ12mの女滝は、出会いの滝とも呼ばれ、縁結びの地として知られている。滝へ向かう途中にはお土産屋があり、店先にはハート型の絵馬がずらりと並んでいた。

滝つぼまで間近で迫力を感じる

右が女滝、左奥が男滝

アクセス抜群なのに、大きな滝をすぐそばから眺められるのも魅力だ。滝つぼ前のスペースには、平日にもかかわらず多くの人が訪れていた。

水しぶきと轟音に包まれながら滝を見つめていると、時間を忘れるほど心地よいひとときだった。

【番外編】3か月滞在して気づいた「熊本あるある」

約3か月間、熊本を歩き回って気づいた「熊本あるある」をまとめてみた。

水が豊富で綺麗

環境省の名水百選に選ばれている「白川水源」

どこに行っても”水”がある。神社や町のちょっとした場所に、必ず和風庭園で見るような竹と石で作られた筧(かけひ)と蹲(つくばい)がある。

熊本市街でも都市とは思えないほど水が透き通っていて驚いた。また熊本市は、水道水の原水が100%地下水!「水の国」と呼ばれる所以を垣間見た気がした。

熊本市街の川が綺麗すぎる

軒先にぶら下がるトウモロコシ

阿蘇神社近くのお店の軒先にぶら下がるトウモロコシ

黒川温泉や阿蘇神社のある阿蘇地域でよく見かけたのが、軒先にトウモロコシをぶら下げている家。

地元のお店の方曰く、昔牛や馬の餌としてトウモロコシを軒先で乾燥させていた「とうきびの軒先掛け」という文化の名残らしい。その地域らしさを感じられた一瞬だった。

森の中にきのこの原木

山の中を歩いていて見つけた丸太

山の中を歩き回っている時によく見かけたのが、網で囲われた丸太がたくさん並べられている場所。「何だろう?」と気になっていたのだが、答えは阿蘇の道の駅にあった。

後日、阿蘇の道の駅で発見!シイタケの原木だったみたい

3ヶ月滞在したからこそ見えた熊本の魅力。知れば知るほど、もっと行ってみたい場所が増える旅だった。

熊本を訪れたら、ぜひあなたも自分だけのお気に入りスポットを見つけてみてほしい。

All photos by Kuon Kanayama

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