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焚き火が原因の火事に注意! 安全なやり方を紹介

  • 2025.10.15

アウトドアで楽しむ焚き火が人気です。しかし、焚き火は火事の原因にもなるので、安全に気をつけて行うことが大切です。

この記事では、焚き火のやり方と注意点を分かりやすく紹介します。

焚き火をする前にルールを確認

レジャーとしての焚き火は、周囲に迷惑をかけない場所で行うのが原則です。詳しく解説します。

野外焼却は原則禁止、ただし焚き火は例外

日本では、廃棄物を野外で燃やす行為が法律で禁止されています。ここでいう廃棄物の中には、伐採された木材も含まれています。

レジャーとしての焚き火は「周辺地域の生活環境に与える影響が軽微」であれば禁止の例外ですが、近隣から苦情が寄せられた場合には自治体や警察から指導を受けることがあります。住宅地で焚き火をする場合は自宅の敷地内であっても、近隣への十分な配慮が必要です。

河川敷や海岸は自治体のルールを確認

河川敷や海岸には、人に迷惑をかけない限り誰もが自由に使ってよいという「自由使用の原則」があります。

ただし、焚き火には火事や自然破壊のリスクがあるので、管理している自治体などが「禁止」または土の上で直接火を燃やす「直火禁止」などのルールを設けていることが多いです。焚き火が許可されているエリアでも、原状回復と灰の持ち帰りがマナーです。

山では土地の所有者の許可が必要

林野庁の情報によると、令和元年~令和5年の山火事の原因別出火件数でもっとも多いのが焚き火(32.6%)です。

国有林では、山火事を防ぐために指定された場所以外で火を使うことが禁止されています。国立公園などの自然公園内でも、焚き火は許可された場所でしか行うことができません。

その他の山で焚き火を行う場合も、土地の所有者の許可が必要です。

キャンプ場などで行うのが手軽で安全

焚き火は、キャンプ場などバーベキューや焚き火で火を使うことが許可されている施設で楽しむことが手軽かつ安全です。

水場や灰捨て場があり、その場で薪が購入でき、必要な道具をレンタルできる施設であれば、準備と後片付けがラクになります。

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安全に焚き火をするための道具と服装

焚き火を安全に行うには、次のような道具が役立ちます。

<火ばさみ>
柄の長いトングのようなもので、火の着いた薪を動かすときや消火するときに使います。

<耐火手袋または綿の軍手>
熱いものを扱うときに手を保護します。ゴムの滑り止めがついた軍手やナイロンを使用した軍手は、熱で溶けることがあるため不向きです。

<焚き火台>
地面を熱から守り、炎が周囲に燃え広がることを防ぎます。キャンプ場に備え付けのかまどを使って焚き火ができる場合もあります。

<焚き火用の耐熱シート>
焚き火台の下に敷くことで、より手厚く地面を保護します。

<火消し壺>
消火や、灰の持ち帰りに使う専用の容器です。

<消火用のバケツ>
水を汲んで火の近くに置いておき、火事の危険があるときに使います。

<よく乾いた薪>
薪は、よく乾燥したものを使わないと不完全燃焼の原因となります。針葉樹のほうが火を着けやすく、広葉樹の方が長持ちします。

他にも、火をつけるためのガストーチ(ライター)や、薪を細く割るための鉈(なた)などが必要です。

土の上では焚き火台+耐熱シートが必須

直火は、周辺の植物や土の中の微生物を傷つける行為で、火災の原因にもなります。土の上で焚き火をするときは、耐熱シートを敷いた上に焚き火台を設置して、地面を熱から保護しましょう。

火の影響を受けにくい服装で

服装も重要です。ナイロンやポリエステルは熱に弱く、火の粉で穴が開くこともあるので、焚き火をするときには避けた方がよい素材です。アウトドアで火を使うときは、木綿やウールの長袖・長ズボンで手足を炎から守るのが基本とされてきました。

ただし、一概に化繊よりも天然素材が良いというわけではなく、アウトドアメーカーでは近年、難燃性の高い化学繊維を使用したウェアを販売しています。また、木綿でも薄くひらひらとしたデザインの服だと火が燃え移りやすく、危険です。

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設営時のチェックポイント

焚き火台を設置する場所、テントやタープと焚き火台の位置にもポイントがあります。それぞれのポイントについて、見ていきましょう。

燃えやすいものが近くにない場所で

枯れ草などの燃えやすいものが近くにない場所を選びましょう。地面に落ち葉などが積もっている場合には、払いよけて焚き火をする場所を作ります。

芝生の上もできれば避けたいですが、他に場所がないときは背の高い焚き火台で熱を遠ざけ、耐熱シートを併用してください。

木のすぐ近くや、頭上に木の枝が張り出している場所も、炎の熱で木を傷めてしまう恐れがあるので避けましょう。

風向きを確認してテントやタープを設置

テントやタープは、火の粉が飛んで穴が開かないよう焚き火台の風上に、少なくとも3mほどの距離をあけて設置します。近くに人がいるときも、風向きを見ながら相手に煙や火の粉が向かない場所を選びましょう。

火の粉はどこまで飛ぶ?

火の粉とは、薪などが燃えるときに舞いあがる炎のかけらです。火災現場では50~200m、風の強さや空気の乾燥具合によっては2㎞以上飛ぶこともあります。

風速5m/s超は中止判断

風の強い日の焚き火は危険です。焚き火を中止する目安は風速5m/s以上あり、葉っぱが絶えず動き、旗がはためく程度です。強風注意報・警報が出るレベルではありませんが、火事になると延焼の危険が高まります。

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燃やし方のコツ

焚き火のコツをつかむまでは、火起こしに時間がかかることも少なくありません。ここでは焚き火のポイントについて、ご紹介します。

よく乾燥した薪を使う

薪が湿気っていると、くすぶって煙が出るばかりでなかなか火が着きません。現地で購入する場合、なかには雨風が当たる場所で保管されていることがあるので注意が必要です。

乾燥した薪がどれかわからない場合は、事前にホームセンターなどで購入していきましょう。

空気が通るように組む

薪の組み方は、奥の方に太い薪を横にして置いて(枕木)、そこに薪を立てかけていく形やキャンプファイヤーのように井桁に組む形、焚き付けを土台にして傘のように立てかけていく形など、いくつかの定番があります。

それぞれの組み方に共通するポイントは、最初は火の着きやすい細い薪を使うこと。そして、薪と薪をぴったり重ねずに空気の通り道を作ること。下のほうに焚き付けとなる燃えやすいものを入れることです。

焚き付けや着火剤を使う

焚き付けには杉の葉や松ぼっくり、新聞紙などを使います。ガストーチなどで焚き付けに火をつけたら、薪に火が燃え移るのを待ちましょう。

このときに、うちわなどであおぐ必要はありません。湿気があったり風が吹いていたりすると、焚き付けの火がすぐに消えてしまうことも多いので、着火剤を使うと手軽で確実に火を起こせます。風よけの陣幕も市販されているので、有効に活用してください。

太い薪を足し、熾火へと育てる

薪に火が燃え移ったら、太い薪を足して炎の大きさをコントロールしていきましょう。炎が落ちてから芯が赤く燃え続ける「熾火(おきび)」も温かく美しいので、燃え尽きるまでの時間を考えながら薪を足していくのがポイントです。

安全な鎮火の方法

焚き火は、薪が炭や灰になって燃えつきるのを待って消火するのが簡単な方法です。火ばさみを使って重なった炭を離し、冷めていくのを待ちましょう。

火がほとんど消えかかっていれば、火消し壺に入れて空気を遮断することで、確実に消火することができます。消火を急ぎたいときは、火ばさみで炭をつかんで一つずつバケツの水につけてから、火消し壺に入れる方法もあります。

上から水をかけない

燃えているところに水をかけると、熱い蒸気で火傷をする危険があります。また、急激な温度変化で焚き火台が変形する恐れもあります。水をかけて消火するのは、火事になりそうな場合の緊急手段と考えてください。

灰は密閉して持ち帰り、埋めない

灰は土に埋めても生分解されないため、焚き火をしたあとは土に埋めずに持ち帰るか、決められた灰捨て場に捨てます。

火が消えたように見えても、燃えさしの炭から出火することがあるので、火消し壺に入れて空気を遮断し、容器が手で触れられる温度まで冷めたことを確認してから持ち帰るようにしてください。その後、自治体のルールに従って処分しましょう。

就寝・離席前の再点検

自然に消火を待っていると、一度消えたように見えた炭が風の影響などを受けて赤々と燃え出すことがあります。完全に冷めるまでは他のことをしていても近くを離れずに、時々様子を見るようにしてください。

キャンプの際に就寝する前には、もう一度火の始末を点検し、焚き火台のまわりに水を撒いて、小さな火の粉もくすぶらないようにしてから休みましょう。

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延焼した場合の行動

飛び火の際には水・土などで消火し119番に連絡

周辺の草木に火が燃え移った場合に備えて、消火用の水を手元に置いておきましょう。水がないときは土をかける、毛布をかけるなどの方法で空気を遮断して消す方法があります。

飛び火が燃え広がりそうだと感じたら大声で人を呼び、ためらわずに消防(119番)に通報するとともに、施設の管理者にも連絡をしてください。

衣類着火は「止まる・倒れる・転がる」後に流水冷却

火が服に燃え移ったときは走り回らず、その場に立ち止まって地面に倒れ、体を転がして火を消します。水道が近くにあれば、服の上から水をかぶってもかまいません。

熱で服が皮膚に張り付いていることがあるので、あわてて服を脱ぐのは厳禁です。火傷を負っていたら流水で冷やしながら、病院に行くか、救急車を呼ぶか判断してください。

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まとめ

焚き火は周囲に迷惑をかけない場所で、安全に注意して行いましょう。風のある日は、火の粉が飛んで火事になる危険があるので、行わないようにしてください。

<執筆者プロフィル>
山見美穂子
フリーライター・防災士
岩手県釜石市生まれ。幼いころ両親から聞いた「津波てんでんこ」の場所は、高台の神社でした。

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