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小学生になるのに、甘えん坊で大丈夫?入学前に大切にしたい心の土台の育て方

  • 2025.10.3

こんにちは!保育士のはるです。年長の秋。運動会や作品展、発表会の練習が始まり、気づけば「就学準備」の言葉が少しずつ増えてくる時期ですね。小学校から就学前検診のお知らせも、そろそろ来るのではないでしょうか。この時期になると、保護者の方からよく聞かれることと言えばーー「うちの子、まだまだ甘えん坊で……。こんなんで小学校、大丈夫ですか?」……実は、うちの息子もそうです。年長のこの秋でも、登園しぶりをする日があり、「ママがいい〜!」と涙ぐむことも。なんなら「小学校行かないよ、保育園にいる!」なんて宣言しています。小学校に行くことに対してほとんど不安のなかった姉と比べて、本当にこのままで大丈夫?と思いたくなるような姿も多々。とはいえ「甘え」は決してマイナスじゃなく、心の土台を育てるために必要な大切なプロセスだと思っています。この記事では、「甘えん坊で大丈夫?」という保護者の不安に寄り添いながら、就学前のこの時期に大切にしたい“心の準備”についてお伝えしていきます。

「甘えさせる」と「甘やかす」のちがい

「甘えさせる」と「甘やかす」は、一見似ているようで、実はまったく異なる意味と関わり方を持っています。子育ての中でこの違いを正しく理解することは、子どもの健やかな心の成長を支えるうえでとても大切だと感じていますし、保育でも子どもの甘えを十分に受け止められるように意識しています。

「甘えさせる」は“信頼”と“安心”のコミュニケーション

まず、「甘えさせる」というのは、子どもが安心できる存在に心を委ねている状態です。たとえば、・「ママだっこ~」と寄ってくるとき・朝、離れがたくてギュッとしてくるとき・寂しくて、わざと甘えた声で話してくるときこれらはすべて、子どもが大人を信頼しているからこそできる行動です。大好きな保護者、大好きな先生、大人に気持ちを受け止めてもらうことで、子どもは「自分は愛されている」「受け止めてもらえる存在だ」と安心し、心の根っこが育っていきます。この「安心の土台」がしっかり築かれることによって、自分で頑張る力や困ったときに助けを求める力、自立へとつながっていきます。

「甘やかす」は“境界のない受け入れ”

一方、「甘やかす」は、子どもの要求に際限なく応じてしまうことを指します。たとえば、・自分でできることもすべて大人が先回りしてやってあげる・おもちゃを買ってと駄々をこねたら毎回買ってしまう・約束を守らなくても注意せずスルーするこれは一見「やさしさ」のように見えて、子どもが社会のルールや学ぶ機会を奪ってしまう関わりでもあります。子どもは、自分の思いどおりにいかない経験の中で、「他人の気持ちを考えること」や「我慢する力」を身につけていきます。その機会を「甘やかし」によって減らしてしまうと、自己コントロールの力が育ちにくくなってしまうのです。

甘えにも似た「ためし行動」

甘えや甘やかしに似た行動で、「わざとわがままを言ってみる」「困らせるようなことをしてみる」といった、”ためし行動”があります。たとえば──・わざと泣きわめいてみる・言われたことと逆のことをしてみる・飲んでいた牛乳をわざとこぼすこうした行動の裏には、「本当に自分は愛されているのか?」「受け止めてもらえるのか?」という親や保育士など周囲の大人たちがどこまで許容してくれるのか、自分の行動がどの程度受け入れられるのかという子どもの気持ちが隠れています。このとき、頭ごなしに怒鳴ったり、見放すことは逆効果。「そんなに泣くほど、いやだったんだね」「困らせたくなっちゃったんだよね」と、まずは気持ちを受け止めたうえで、「でも順番は守ろうね」「終わったら戻してね」と伝える。ためし行動を愛情の確認作業と理解すると、大人も少しだけ余裕をもって接することができるのではないでしょうか。

「ママがいい」が続く息子の話

甘えさせることが大事とはいえ、年長の息子は今でもずっと「ママがいい」と年長の春先まで登園の際も登園しぶりで泣いていました。すんなり保育園に行くようになったのは本当に最近で、年長の8月に入る頃だったかと思います。6月に行われた保育参観も、私を見てなぜか大号泣。保育中もママのとなりがいいとずっと私の横にいました……。あっけらかんとしていた姉とは大違い、結局保育園の5年間、全て泣き続けた保育参観。こんなに甘えん坊で本当に小学校に行けるのか……?年長ってこんなだったっけ?と自分の職場の年長児を思い返してみるのですが、割としっかりさんが多い学年だったので息子みたいなタイプを見つけ出せず……。そんな時に息子の園の園長先生から声をかけていただいたのが「子どもは心が自立していくと、自然に親から離れ、甘えてこなくなる」という言葉でした。

子どもはいつまでも甘えん坊

子どもが親に見せる甘えの姿は、「あなたを信頼しているよ」「今ちょっと、心を休めたいよ」というサインでもあります。信頼していない相手には、心をゆだねることはできません。保育園でもやはり信頼している担任のそばに行く子が多く、この先生だったら安心できるというのを見ていて感じ取ることが多いです。甘えてきたときに、「はいはい、また?」と軽く受け流すのではなく、「今はそういう時期だね」「必要としてくれてるんだな」と、受け止めてあげることで、子どもの心の安心タンクは満たされていきます。

もう「〇歳なんだから」は必要ない

もうすぐ小学生だから、もう年長なんだから……どこか片隅にあったその言葉。この「もう〇歳なんだから」が一番子どもにとって必要のない言葉なんですよね。保育士として仕事をしているときは基本的に使わないように意識できることも、親目線になってみると考えてしまうもの。その年齢ならこうしなきゃ!その役割ならこんなことはできなきゃ!ついつい他人と比べてしまいがちなんですよね。その言葉を自分に置き換えてみると「大人なんだから家事出来なきゃ」「親なんだからポテトサラダくらい作れ」……イラっとしますよね(笑)。年長だから甘えてはいけないということは一切ありません。あんなに泣いて保育園に登園していた息子も、存分に甘えた結果小学校には笑顔で……という未来が待っていると信じたいと思います(笑)。

甘えさせることで自立につながる

戻れる場所があるから、子どもは強くなれる。子どもが甘える姿を見て、「まだまだだな」と思うのではなく、「この子はちゃんと、戻れる場所を知ってる」と考えると心が軽くなるのでは?と思っています。息子にもついつい「もう年長なんだから……」とため息をつきたいところでしたが、とはいえ言い換えてみれば「まだまだ年長」生まれてきてからたった5、6年しか経っていません。失敗しても、泣いても、怒られても──最終的に安心して戻れる場所がある。それは、親にとっては「当たり前」のように見えて、子どもにとっては「世界一のセーフティネット」なのです。保育園生活も残り半年。あっという間の小学生ですね。子どもが笑顔で小学校生活を迎えられるよう、私も日々子どもと向き合って過ごしていきたいと思います。

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Blog:保育士ママのリアルな毎日

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