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「10万円は全然超える」入学で悩む『隠れ教育費』…セット1万円以下の救世主とは?

  • 2026.3.8

リユースの学校制服の品質は?

札幌の学生に関するデータで、男女ともに、この10年で平均価格が2割以上高くなったものがあります。

それは学校制服です。 男子で3万7686円から4万5843円、女子で2万9895円から3万7530円と、この10年で平均価格は8000円ほど値上がりしました。
物価高騰が続くなか、入学金や授業料以外にかかる『隠れ教育費』が家計を直撃しています。

札幌市北区にある、不用になったリユース品の制服専門店を訪れていた中学3年生の学生は、試着をしながら「もう高校生だなって感じです」とはにかみます。

「全然、キズとか『ほつれ』とかもなくていいですね。新品に近い感じです」と、その品質に驚いた様子です。

リユース制服販売のきっかけ

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制服リユース よしむらプラス(札幌市・北区)

この店では、北区の中学校を中心に市内100以上の中学・高校の学生服や小物など、約3000点を販売しています。 リユース制服の販売を始めたのは、4年ほど前。それにはあるきっかけがありました。

制服リユースよしむらプラスの田邊麻奈美さんは、「ちょっと制服の値段が高いっていうことと、ちょうどコロナ禍で学校で制服をあまり着ないのに、きれいなまま破棄・捨てられてしまう制服がたくさんあるという話を、まわりのお友達から聞いて…」と当時を振り返ります。

そこで、近隣のスーパーなどに制服の「回収ボックス」を設置しました。 集めた制服をクリーニングし、できる範囲で補修してから販売しています。

驚きのお手頃価格!

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リユース制服の驚くべきポイントは、その価格のお手頃感です。 セーラー服や学ランなどの上着は、高いものでも3500円。 スカートやズボンは3000円。 上下そろえても6500円です。

田邊麻奈美さんは、「いろいろと買わなければいけない物がたくさんございますので、そのなかで1つでも何か抑えられる物があれば、というような形で当店をご利用していただく方が多いです」と話します。

原材料の高騰などにより、制服の価格が上がるなか、保護者の負担を減らす取り組みも始まっています。

学校側の取り組みも

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栄南中学校

札幌市東区の栄南中学校では、この春、1976年の開校以来初の制服リニューアルが行われます。

栄南中学校の後藤一真教諭は、「3年ほど前になるんですけれども、今後少なくとも1割2割の値上げが予定されているっていうお話を伺いまして、子どもたちが着ている制服を見ながらちょっと高いなと思っていました」と明かします。

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現行の制服

そこで、保護者の負担を抑えるため、新たな業者と生地の見直しから開始。 現行の制服が値上げされた場合、4万5000円から5万円を超える想定でしたが、男女ともに4万円ほどに抑えることができました。

さらに後藤教諭は、「今回からワイシャツの指定は外しました。そうすることで、お安いところでお求めできるかなと思います」と工夫のポイントを語ります。

「おさがり」できる工夫

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また、新しい制服は男女兼用が可能です。

「どちらとも形は一緒です。これ、いまは左前になっています。けれども、こちら側にボタンをつけ替えて男子女子で兼用することができる」

これにより、性別に関係なく”おさがり”が活用できるなど、他にもいろいろと負担を抑える工夫がされています。
こうした学校側の取り組みもありますが、保護者の負担感は増しています。

「10万円は全然超えます」

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この春に次女が中学校に上がる豊平区在住の安宅さんは、 2つ上の長女のときに比べて、保護者の負担が大きくなったと感じています。

母親の華子さんは「制服・ジャージ以外にも、学校のリュックとか上靴・外靴入れたら10万円は全然超えます」と嘆きの声。

制服も値上がりしたため、ブレザーは長女の「おさがり」を活用。他にも運動着のTシャツは枚数を減らすなど、節約したとのことです。

さらに制服のほかにも、学校生活でかかる費用は多岐にわたり、漠然とした不安も感じています。
華子さんは「研修とか修学旅行とかそういうのもいま、物価がどんどん上がってきているから、どのくらい上がるのか…っていうちょっとドキドキ感はあります」と話します。

『隠れ教育費』で格差が広がる?

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こうした学校教育における保護者の私費負担は『隠れ教育費』と呼ばれ、物価高騰とともに負担が増していると専門家は指摘します。

千葉工業大学の福嶋尚子准教授は、「制服は典型的ですし、教材とかもその可能性はあります。要は教材費として学校が集めていれば、見えやすいわけですけど。物価高もありますし教育活動が変わってきている部分もあって、やはり高くなってきています」と指摘します。

『隠れ教育費』には、習字道具などの教材費や、修学旅行の旅費なども含まれていて、支払先も多岐にわたることから保護者だけではなく学校側も把握しづらく、問題点もあるといいます。

「経済的に豊かな地域の公立学校だったら、保護者は全然気にせず、どんどんどんどんお金を払えるから、どんどん教育活動が充実していくかもしれない…。そうすると保護者の経済的状況によって、その学校の教育条件が変わる。このところで格差が生じるっていうのが一番大きな問題」

総額は200万近く…内訳は?

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制服以外にもお金がかかる『隠れ教育費』。

これには、制服のほかに体操着、修学旅行費や、最近ではタブレット端末なども含まれます。
文部科学省が2023年に行った調査では、公立の小中高校の12年間で保護者が負担する総額が195万3000円にも上るのです。

HBCテレビ「今日ドキッ!」ゲストコメンテーターの田村次郎さんは、「これは削れないですが、ただ、いろいろ考え直すっていうタイミングでもあるんじゃないかなという気もしていて」と話します。

「果たして制服がいるのか。教科書が本当に全部必要なのか?ネットでも見られるので、物として欲しい人だけ購入するとかでもいい。これから必ず子どもが減っていくなかで、国として元気にしていくためにも、子どもたちの教育はやはりしっかりとやっていただかないといけない。国の未来のためにも、みんなが同じラインでスタートできるような環境を作ってもらいたいですよね」

行政の対策は

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行政も対策に動いています。 札幌市の対策では、市立の小学校において2027年度から、1800円から2000円程度の彫刻刀や、500円程度の算数のブロックが、学校の備品となり、保護者が購入する必要がなくなります。

これは、2025年6月に文部科学省が全国の自治体に対して、保護者の負担を軽減するよう検討するように通達したことを受けての対応です。

ゲストコメンテーターの阿部夕子さんは、「私の周りのお母さんたちも皆言っているんですけど…」と実感を語ります。

「制服を入学のときだけでなく、お子さんの成長に合わせて毎年買うっていうご家庭も実は、いらっしゃるんですよね。男の子だとズボンはもう最初から2着とか。ご家庭にもよりますが、負担がすごく高い…というところもある。

しかも制服は高い分、素材がしっかりしているので、先ほどの『リユース』という仕組みはすごくいいなと思います。ご家庭でもうまく活用しながら、家計費を極力抑えられるような工夫が、いま求められているのかなという感じはすごくありますね」

少子化を食い止めるためにも、教育費の負担軽減は、今まさに取り組むべき大きな課題となっています。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年2月20日)の情報に基づきます。

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