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ジョルジオ アルマーニが遺した、最後のコレクション──「彼は私たちの中で、永遠に生き続ける」【2026年春夏 ミラノコレクション】

  • 2025.9.29

どうか、嘘だと言ってほしい。ジョルジオ・アルマーニが手がける新作の服をランウェイで見ることができるのは、これで最後だなんて。

この日お披露目された服が新作だということは言うまでもないが、いろいろな意味で昔と全く変わらない。ショー会場となったミラノのブレラ絵画館の上階では、現在ジョルジオ アルマーニGIORGIO ARMANI)の50周年記念展が開催されており、展覧会で見て取れる通り、アルマーニ氏のスタイルは季節ごとに変化していたが、一貫性とブレない軸があった。イヴ・サンローランの名言、「ファッションは廃れる。だが、スタイルは永遠だ」はアルマーニのためにあるのではないか。そう思ってしまうほど、今季のコレクションは、アルマーニが1975年10月にブレラ絵画館から程近いコルソ・ヴェネツィア通りの会場で行った初のショーに、はっきりと通ずるところがあった。

アルマーニ氏は、今月初めに91歳で逝去した。今季のコレクションは本来、あくまでも店頭に並べられる新作として、そして自身がファッション界に残してきた功績の数々を静かに讃える回顧コレクションとして着想されたものだ。だが、手がけた本人が旅立ってしまったことを思うと、途中から亡きアルマーニの集大成を観ているように感じられ、心を打たれた。ショーにはオルガ・セローヴァ、ヴェロニカ・ポスピシロヴァ、ヴェロニカ・ラック、オルガ・シェレール、ラヴィニア・バルラデアヌ、ローラ・リーフ、ジーナ・ディ・ベルナルド、アンナ・リー、アンドレア・クラクヘッケ、マーク・ヴァンダールー、ダニエラ・ペストヴァ、ナデージュ・デュボスペルタスなど、1980年代初頭からアルマーニと親交のあったモデルたちもキャスティングされており、その何人かは涙ぐんでいた。

ブルーのレザーを織って作られた、セーターとベストとジャケットを掛け合わせたようなハイブリッドピースは、アルマーニの初期のコレクションを想起させ、さまざまな国や文化の影響は至るところに見られた。グレージュやネイビーやインペリアルパープルといった色合い、“脱構築”されたスーツ、流れるようなライン、柔らかなメンズとウィメンズのテーラリング、煌びやかな装飾、奥行きのある柄、豊かな素材感。どこを見ても、アルマーニを感じる。唯一と言っていいほど意外な点は、彼のランウェイでは定番のハットがひとつもなかったことだ。

フィナーレを飾ったのは、クリスタルが散りばめられたブルーのトップとスカート。トップには全盛期のアルマーニを捉えた有名なポートレートが描かれており、その真剣な眼差しは、未来を見据えているようだ。その後、ウィメンズ部門とメンズ部門をそれぞれ率いるシルヴァナ・アルマーニとレオ・デルオルコがランウェイに登場し、あたたかい拍手で迎えられた。ハットをはぶいたのは、おそらくこのふたりだろう。「アルマーニさんは、多分永遠に生き続けると思います。私たちがここにいる限りは」と、ゲストのひとりのローレン・ハットンはショー後に語った。最後まで第一線で活躍したモードの帝王を、誰が忘れられるだろうか。

※ジョルジオ アルマーニ 2026年春夏コレクションをすべて見る。

Text: Luke Leitch Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

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