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医師「病気の土台を作る存在です」 5歳未満は注意して…『ピロリ菌』の感染経路と正しい知識とは

  • 2025.10.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

胃の調子が悪いと聞くと、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)という言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実はピロリ菌は、私たちの生活や健康に密接に関わっているにも関わらず、よく知られていない側面や誤解されやすい点がたくさんあります。

今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『ピロリ菌の真実と検査法』について紹介しています。

ピロリ菌とは?実は幼児期に感染しやすい?年齢と家庭での注意点

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中に生息する細菌です。

ピロリ菌は大人になってから新たに感染することはまれで、主に幼少期に感染すると考えられています。特に5歳未満の子どもが感染しやすいと報告されています。そのため、家庭内での口移しや食べ物の分け与えなど、感染経路となりうる行為には注意が必要です。

家庭での具体的な注意点

  • 乳幼児に食べ物を噛んで与える「口移し」は避ける
  • 幼児に使う食器やスプーンの共有を控える
  • 衛生管理が不十分な水(井戸水など)の摂取は避ける

感染予防のためには、これらの家庭内での習慣に注意することが重要です。

妊娠前の検査のすすめ

将来的に子どもにピロリ菌をうつさないためにも、妊娠前に胃カメラを受けることが推奨されます。
内視鏡検査で自分がピロリ菌に感染しているかどうかを確認し、必要であれば除菌治療を行うことで、家族全体の健康を守ることにつながります。

ピロリ菌に感染するとどんな症状が出るのか

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

ピロリ菌に感染すると、次のような胃の不調が現れることがあります。

  • 胃の痛み
  • 食欲不振
  • お腹の張り(膨満感)
  • 胃もたれ
  • 吐き気

これらの症状は日常的によくある不調と似ているため、「ただの胃の疲れ」「体質のせい」と思って見過ごされることも少なくありません。

ピロリ菌が引き起こす変化と病気

幼少期に感染したピロリ菌は、知らないうちに長年胃の中に住み続けます。時間が経つにつれて、胃に次のような変化をもたらします。

  • 胃の粘膜を薄くする「萎縮」を引き起こす
  • 胃酸の分泌を抑制し、自らにとって住みやすい環境を作る
  • 結果として慢性胃炎や胃潰瘍の原因になる
  • 長期的には胃がんのリスクを高める

つまりピロリ菌は「胃の働きを乱し、病気の土台を作る存在」といえます。

感染に気づくきっかけ

ピロリ菌感染は自覚症状が乏しく、気づかないまま成人まで過ごす人も多いです。ただし、次のような症状で受診した際に検査で判明するケースがあります。

  • 慢性的な胃の不快感や胃炎症状
  • 消化不良や胃もたれ
  • 繰り返す胃の痛み

最近では 「ABC検診」 と呼ばれる血液検査によるリスク判定が普及しており、胃がん予防の観点からも検査の重要性が高まっています。

診断には胃カメラが有効

ピロリ菌感染の有無を正確に判断するためには、胃カメラ(内視鏡検査) が不可欠です。内視鏡検査では胃の粘膜の状態を直接確認でき、ピロリ菌感染が疑われれば検査・治療へ進むことができます。

不快な症状があったり、症状がない場合でも一度胃カメラでチェックしてみてくださいね。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『【意外と知らない】消化器専門医が徹底解説!ピロリ菌の真実と検査法


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

東京女子医科大学消化器内科に入局後、複数の医療機関で胃・大腸内視鏡を中心とした臨床経験を積み、同大学病院助教を経て2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及をミッションに掲げ、健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療、内視鏡検査と幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性をわかりやすく発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

都内トップクラスの内視鏡設備を完備し、土日診療対応、胃・大腸カメラ同日検査、専門医による鎮静下内視鏡、女性医師による検査体制など、患者さんの苦痛を抑えたきめ細かな検査環境を提供。今後も一人でも多くの患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、質の高い医療サービスを追求し続ける。
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。