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ワット・ポーを眺めながら、タイの伝統料理を新解釈で味わえる〈Nusara〉

  • 2025.9.26
バンコク〈Nusara〉内観
BRUTUS

夜空の下、美しく輝くバンコクの象徴、ワット・ポーの伽藍(がらん)が目の前に広がる。幻想的な光景を前に味わう食事は、実にドラマティック。バンコクには特色あるレストランが数多いが、中でも最も旅情を掻(か)き立てるのが〈ヌサラー〉だ。

幼少期にシェフのトンさんが祖母と囲んだ食卓の記憶が料理のインスピレーション源。店名は祖母の名に由来する。全12皿前後のコースには、レッドカレー、トムヤムクン、トムカーガイなど伝統的なタイ料理が並ぶが、実際に運ばれてくる皿は意外なものばかり。

例えばゲーンプー。タイ南部の定番カニ入りイエローカレーで、極細米麺センミーを添えるのが一般的だ。しかし、ここではスパイシーで濃厚なカレーの上に揚げたクリスピーなセンミーをのせ、チリ、ターメリック、バイチャップルー(ハイゴショウ)のパウダーを振りかけてカラフルに。

ストリートフードの代表格ガパオは、サシの美しいステーキとともに。気取らない普段のタイ料理が、シェフの遊び心でモダンに再構築され、特別な一皿へと昇華。

バンコク〈Nusara〉ガパオヌア
ゲーンプー(写真手前)は、稀少なカブトガニ(写真奥左)の卵の粒感もアクセントに。濃厚なカレーには、ランパーン県で作られる、どろりとしたどぶろくのようなお酒を使ったカクテルを合わせて。
バンコク〈Nusara〉ココナッツスープ・トムカー
エビをメインにしたココナッツスープ・トムカー(写真左)。チリオイルを垂らして辛味をプラス。タイ東北部の地酒・ウッをマンゴージュースで割ったドリンク(写真右)は、ココナッツと相性良し。
バンコク〈Nusara〉ゲーンプー、カブトガニ
サシの美しいステーキとともに供されるガパオヌア(写真手前)。カオヤイのワイナリー・グランモンテのグラッパ「レッドジャングル」をブドウジュースで割った一杯が肉の旨味を引き立てる。

シェフの弟でソムリエのタムさんが厳選するワインは、タイのワイナリーからも積極的にセレクト。タイならではの地酒のセレクションもあり、料理とのペアリングも楽しい。

旅のハイライトとして、築50年を超える趣ある一軒家レストランでタイの伝統の新しい形を五感で堪能したい。

バンコク〈Nusara〉内観
伽藍を望むダイニングは、2階と3階。通される前に館内ツアーが。
バンコク〈Nusara〉Nuss Bar
1階のバー〈Nuss Bar〉では、タイらしさに満ちた一杯に出会える。

Information

Nusara

〈Le Du〉のトンシェフにより、2020年にオープン。ミシュラン1ツ星。25年の「世界のベストレストラン50」では35位に輝いている。ヌサラーテイスティングメニューは、全12皿前後で5,990฿(税7%・サービス料10%)。ティーまたはカクテルペアリング3,500฿。要予約。

ヌサラー
住所:336 Maha Rat Rd. 
営:18時~23時
休:無休
IG:@nusarabkk

*掲載情報は2025年7月時点のものです。*1฿(バーツ)=約4.5円(2025年7月4日現在)。

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