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パワースポットや多彩なご利益アイテムも♪世界遺産「比叡山延暦寺」のめぐり方

  • 2025.9.11

京都と滋賀の境にそびえる標高848mの霊峰・比叡山。山の全域を境内とする「比叡山延暦寺」は、1200年前に伝教大師最澄が開いた天台宗の総本山です。スケールの大きさゆえ、どこを訪ねればいいかわからず二の足を踏んでいる人もいるのでは。「東塔」「西塔」「横川」の3つのエリアと、ご利益アイテム、絶景と開運メニューが楽しめるカフェ、限定のおみやげなど、比叡山延暦寺の見どころをご紹介しましょう。

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知っておきたい、比叡山延暦寺のきほん

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山内にはあわせて100ほどのお堂が点在。写真は、比叡山から望む琵琶湖。山の西側には京都市街の眺望が開ける

788(延暦7)年、22歳の最澄が杉木立に囲まれた山中にお堂(一乗止観院)を建て、自ら刻んだ薬師如来像をお祀りしたのが比叡山延暦寺のはじまり。桓武天皇により平安京が開かれてからは、都の表鬼門を守る役割を担いました。天台宗の高僧をはじめ、後に浄土宗(法然)、浄土真宗(親鸞)、臨済宗(栄西)、曹洞宗(道元)、日蓮宗(日蓮)を開いた名僧たちも修行したことから、「日本仏教の母なる山」「仏教の総合大学」とも称されています。

比叡山延暦寺へのアクセスは?

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比叡山延暦寺の最寄の停留所「延暦寺バスセンター」。エリア間の移動時に利用するシャトルバスもここから発着する。おみやげ店や名物・鶴㐂そばのコーナーなどのある無料休憩所の奥が、メインエリアとなる東塔の拝観受付

レンタカーや自家用車で京都市街や琵琶湖の眺めを楽しみながらのドライブがおすすめですが、公共交通機関を利用するなら3通り。JR京都駅から京都バス51系統で70分、乗り換え不要のルートのほか、京都・洛北の八瀬から叡山ケーブル&ロープウェイとシャトルバスに乗るルート、滋賀・坂本から坂本ケーブルで行くルートがあります。

東京ドームなら360個以上、1700ヘクタールの広さを誇る境内は、「東塔(とうどう)」、「西塔(さいとう)」、「横川(よかわ)」の3つのエリアに分けられ、それぞれにご本尊を安置する本堂が建っています。

比叡山延暦寺はじまりの地・東塔

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十数年にわたる大改修中の根本中堂。素屋根が外れるのは2030年頃となる見込み

延暦寺バスターミナルのすぐそば、拝観受付の先に広がる一帯が、比叡山延暦寺のメインエリアとなる東塔。最澄が建てた一乗止観院を前身とする本堂の根本中堂(国宝)に、過去・現在・未来のうち「現在」を見守るご本尊の薬師如来をお祀りしています。

根本中堂は、60年ぶりに屋根の葺き替えと天井や壁の塗り替えを行う大改修中で、400年近く前に江戸幕府第3代将軍・徳川家光が再建した当初の姿がよみがえりつつあります。外観は素屋根に覆われていますが、内部はお参りOK。創建以来絶えることなく灯りつづける「不滅の法灯」越しに、秘仏・薬師如来のおられる内陣に手を合わせることができます。

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丹塗りがあでやかな大講堂(重要文化財)は、60余年前に山麓坂本の讃仏堂を移築

僧侶たちの学びの場である大講堂には、ご本尊の大日如来をはじめ、比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像を安置。心願成就、良縁、厄除けなどご利益もデザインも豊富なお守りが並ぶ堂内の授与所もお見逃しなく。

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三面出世大黒天を祀る大黒堂は、財福、商売繁盛、出世開運のご利益で信仰を集める

東塔にはほかに、羽柴(のちの豊臣)秀吉が参拝後、天下統一を成し遂げたことに由来し、「出世大黒天」として信仰される大黒堂、学問の神・菅原道真の逸話を伝える北野天満宮の末社「登天天満宮」、寺に受け継がれた宝物を所蔵するミュージアム「国宝殿」など、見どころがたくさんあります。

深山幽谷の趣をたたえる「西塔」

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技芸上達の神様・弁財天を祀る西塔の蓑淵(みのぶち)弁財天は、青もみじや紅葉の隠れ名所

東塔からシャトルバスで3分、歩くと20分ほどの「西塔」は、伝教大師最澄の跡を継いだ第2世天台座主・寂光大師円澄により開かれました。怪力自慢の弁慶ゆかりの「にない堂」をくぐって石段を下りた先に、伝教大師最澄自作のご本尊・釈迦如来(秘仏)をお祀りする本堂の釈迦堂(転法輪堂)がたたずみます。

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境内一の聖域である浄土院。枯山水庭園の砂紋が美しい

西塔のバス停から見て釈迦堂と反対側、400メートルほど林道を歩いた先には、最澄のお墓(御廟)の「浄土院」が。56歳で亡くなってから1200年を超えた今でも僧侶が毎日欠かさず掃き清め、食事を用意し、お仕えしているのだそう。

厄除けのパワースポット「横川」

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船が浮かんでいるかのような横川中堂。堂内からは舞台越しに森の景色が望める

西塔からシャトルバスで10分の「横川」は、第3世天台座主・慈覚大師円仁によって開かれたエリアです。「未来」を見守るご本尊・聖観音菩薩をお祀りする本堂の横川中堂は、遣唐使船をイメージして建てられたのだとか。

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すぐれた法力を持つ元三大師が暮らした一帯は、延暦寺最大のパワースポット。さらに奥には、元三大師の御廟も

横川中堂からさらに奥に進むと、比叡山中興の祖と崇められる、「元三大師(がんざんだいし)」こと第18世天台座主・慈恵大師良源をお祀りする元三大師堂(四季講堂)があります。平安時代、都に疫病が蔓延した際、鬼と化した自身の姿をお札に映し、世に広めて見事パンデミックを鎮めたというエピソードが伝わり、厄除けのご利益で厚く信仰されています。

元三大師は、おみくじの元祖としても有名。事前に予約をすれば、僧侶との対話を経て元三大師から「今どうするべきか」のメッセージをを授かるという、本格的なおみくじが体験できます。

オリジナルメニューもある絶景カフェでひと休み

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「梵字ラテ」は、カフェラテと抹茶ラテの2種各700円。写真左は酉年の守り本尊・不動明王を示す梵字「カーン」、写真右は、子年の守り本尊・千手観音菩薩と戌・亥年の阿弥陀如来を示す梵字「キリーク」

東塔の延暦寺会館1階にある「喫茶れいほう」では、空と溶け合う“琵琶湖ブルー”を眺めながらゆったりとカフェタイムが楽しめます。自身の生まれ年の干支や求めるご利益で自由に選べる「梵字ラテ」や、週末限定「梵字テラミス」も。

澄んだ空気が満ち、鳥のさえずりが響く山内を歩けば、日々の喧騒から逃れ、心身が浄化されるよう。滋賀と京都が誇る世界遺産・比叡山延暦寺へお参りにでかけてみてはいかがでしょうか。

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