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「自分は普通」と思っているマジメなサラリーマンほど大化けする…「第2の収入源」を得る週末・朝15分の活動

  • 2025.9.5

セミナーや資格講座などでインプットをし続けている人はいないだろうか。スクール「朝キャリ」でアウトプット指導を続ける池田千恵さんは「まずはアウトプットし、その結果をインプットすることによって自分だけの専門性を持てるようになる」という――。

※本稿は、池田千恵『朝15分からできる! 週末アウトプット』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

インプットしすぎてしまう人々

副業、パラレルキャリア、リスキリング……人生100年時代といわれる中、多くの人が「学ばなければ」「いかに学ぶか」と、インプットに注力しています。

資格を取ったのに仕事がこないとなればマーケティングやセールスの勉強をしたり、専門知識が足りないからと思えばさらなる上位資格を取ろうと努力したり。関連することを調べたり本を読んだり人に聞いたり、セミナーを受けたり……。いまの自分に「足りないこと」を埋めるように、インプット(勉強)を始める方が多いようです。

チームの前でプレゼンテーションをするビジネスマン
※写真はイメージです

でも、インプットには落とし穴があります。皆さんも経験があるのではないでしょうか。インプットしてもインプットしても、次々と新しい知らないことが出てくる。セミナーや講演会で「勉強になった」と思っても身につかない。インプットできたと思ったことが実際の仕事に結びつかない。そう、インプットには「終わりがない」のです。

・自分には何もないから、まずは資格を取らなきゃ、と頑張るけど、資格を取ったら取ったで不安になってまた新しいスキルアップの勉強を始めている
・国家資格などの難関資格にチャレンジして、やっと合格。これで大丈夫! 将来安泰だと思っていたのに、いざ資格を取って活動をしようと思ったら、何をどこからどうすればいいかわからない。

たとえばこのように、やってもやっても足りない気がするのがインプット。それなのに、勉強好きな人が次に向かうのは「さらなるインプット」です。「もっともっとインプットして、もっともっといい自分にならなきゃ」……インプットで自分をバージョンアップさせたい気持ちはよくわかります。

でも、待ってください。逆なんです。みなさん学びすぎです。ただでさえ情報爆発といわれている時代、限られた私たちの24時間を、流れてくるスマホやPCからの情報でパンパンにしたうえ、さらに自分でインプットをパンパンにすると、消化不良を起こしてしまいます。

アウトプットしなければ何も始まらない

では、どうするか。その答えこそ、アウトプットです。勉強不足だと感じているからこそ、中途半端で不安なまま、アウトプットをしていきましょう。なぜなら、アウトプットしていかないと自分の方向性が間違っているのかそうでないのか、楽しいのか楽しくないのかがわからず、知識だけが肥大化してますます動けなくなってしまうからです。

世の中の常識が日々アップデートされているのに、昔からの教えを後生大事に守り、完璧にマスターしてから動こう……と言っていたら、あっという間に時代遅れになってしまいます。古い考えをいつまでも取っておいてもいいことなんてありません。

いつか役に立つかもしれないと思って学ぶのと、「この学びを誰かに伝えよう」と思って学ぶのでは結果に雲泥の差が出ます。伝えるつもりでまとめることで、いままでとは違う頭の使い方をマスターでき、いままで無駄に思っていたような仕事まで学びの対象となります。

まずはアウトプットにチャレンジする
出所=『朝15分からできる! 週末アウトプット』

もちろん失敗もあるでしょう。でも失敗があるから改善点が見えてきます。「まずはアウトプットして、その結果をインプットする」ようにしましょう。

「このテーマでやってみたけれど、しっくりこない」「自分はこれが好きだと思っていたけど、好きじゃない気がする」といったように、本当に自分が求めていること、そうでないことも、アウトプットによって明らかになります。

“コピペ言葉”を使っていることに気づいたら

また、インプットばかりしていることのデメリットは、インプットされた言葉が自分の言葉と同化してしまい、誰かがどこかですでに語った、借り物の言葉しか出てこなくなることです。

特にいまはPCやスマホから名言をコピペするのが簡単な分、自分で言ったことなのか、誰かが言ったことなのかの境目も曖昧になってしまっています。あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。

ネットで「なるほど」と思った言葉を、さも自分で思いついたかのように誰かに言ったことってありますよね。(私もありますけどね)。自分がドヤ顔で名言を言い出したとき、あたかも自分で考えているようでいて、実は何も考えていないのです。

サムズダウンが描かれたキーボードのキー
※写真はイメージです

たとえばSNSなどを見ていて、「それ知ってる」、「誰々が言っていたあの話だよね」、「そんなの当たり前」、「みんな知っていることを、何えらそうに言ってるの?」と、いちいち突っかかりそうになったときは気をつけてください。そんなときはインプットしすぎていて、「知っている」と思い込んでいるだけなのです。知りすぎているわりに、実践が足りないのです。

「ヤバ! 自分の頭で考えていないかも」とドキッとしたときがチャンスです。ドキッとするということは、まだ挽回の余地があります。「知ってる」「聞いたことがある」を超えて、自分はどう感じたか、どう行動するかを考えてみよう、と思えたときが変化のタイミングです。

気づかぬ間に専門家になっている

こうやって偉そうなことをどうして言えるかというと、私自身がインプットばかりしていたからです。私は以前、資料作成の仕事をしていました。パワーポイントで資料をキレイに作り直す仕事で、同じ部署の人は全員、当然のようにできていました。だから会社員のときは、私のパワポ作成能力なんて、全然大したことないなと思っていました。作成スピードもいまいちだし、ミスタイプもするし、コミュニケーションも下手だし、みんなすごすぎる! と思っていたのです。

ですが、いざ会社から出て、ほかの人の資料作成の手伝いをしてみると「すごい」「なんでこんなことができるの?」などと褒められたのです。いままで「こんなこと、誰でもできるよ」と思っていた資料作成能力が、違う場所に行ったことで価値になったのです。

また、私は『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)という本を2009年に上梓し、おかげ様でベストセラーになりましたが、まさか私が「朝4時起き」の本を出すなんて、夢にも思っていませんでした。

なぜなら、私にとって「朝4時起き」は普通すぎて、誰に言うまでもないことだったからです。過去には「朝2時起き」をするというタイトルでベストセラーになった本があり、「2時に比べたら4時なんて大したことない」と思っていたし、睡眠の専門家でも医師でもない、ただの会社員の私の話なんて誰も聞いてくれないと思っていました。

また、朝早起きしていても、別に大したことをしていないし、こんな内容が本になるわけがないと思っていました。でも、そんな話を、私のことをあまり知らない「アウェイ」な環境で話したところ、「おもしろい!」と反応をもらい、出版につながりました。

自分の中に眠っている“宝物”

この話からお伝えしたいのは、「あなたの普通は誰かのすごい」ということです。誰もがみんな、自分にとって当たり前にできること、簡単にできること、工夫してできるようになったことを「大したことがない」と軽視しがちです。

皆さんが普通に日々やっていること、会社の中で当たり前のように続けていること、趣味でずっと続けていることで「普通すぎて言うまでもない」と思っているものはありませんか? それこそ、アウトプットがまだ足りていない、アウトプットしてほしいことです。

いいニュースを聞き両手を上げて喜ぶ女性
※写真はイメージです

アウトプットしたとたん新たに価値を感じてもらえることが、必ずあるはずです。「いやいや、こんなの大したことないです!」と自分が勝手に判断しないようにしましょう。価値を判断するのは自分ではなく、相手です。自分がどうでもいい、価値なんてない、と思い込んでいることに、すごい才能が隠れている場合がたくさんあるのです。でも、これは、アウトプットしないと誰にも見つけてもらえないのです。

周囲に少しでも「すごい」「どうやってるの?」「教えて!」と好意的な反応をもらったら、別にそれを極めようと思わなくてもいいので、気軽に伝える練習をしてみましょう。アウトプットしないと、せっかくの宝物が永遠に埋もれて、誰にも気づかれないままになってしまいます。ほんの少しの勇気を持って、自分だけの「だし」を出していく。そこからがスタートです。

夢中になっていることをSNSで発信したら…

ここで、実際に自分の「だし」をアウトプットして成功している事例をご紹介します。私が主宰する「朝キャリ」メンバーのtomokoさんは、羽田空港とおひとりさまモーニングが本当に大好きで、休みになると誰にも頼まれていないのに、ついつい羽田空港やおひとりさまモーニングに行くぐらい夢中になり、インスタでもずっとこのテーマで発信しています。そこに楽しさを伝えたい! という気持ちが「だし」になって滲み出ています。

先日、月間1300万PVの朝ポータルサイト「朝時間.jp」で発信したところ、5万5000PVでランキング入りしました。

もうひとり、みぃさんも同じく「朝時間.jp」で朝勉強について語ったところ、2万7000PVのアクセスがあり、ランキング入りしました。みぃさんは、シングルマザーで時間もお金もよりどころも経験も全くない中で、資格取得のための勉強をしたことによって、つらいところから浮上できたという原体験があるため、アウトプットから、資格の大切さとか、計画の立て方、時間管理とか心の持ち方のコツを伝えたいという気持ちが滲み出ています。このように、「だし」が出た記事だからこそ、多くの人に読まれます。

アウトプットを習慣化できると、会社員の仕事にもいい影響が生まれます。メリットは次の4つです。

1 いままでの経験が生きる
2 人前で話すのが得意になる
3 経験を教材として、いずれマネタイズも可能になる
4 人の役に立って感謝される

アウトプットで得られる4つのメリット

気軽なアウトプットで仕事にも以下の4つの好影響が生まれます。

いままでの経験が生きる

本書で紹介する「アウトプット」は、できないまま、中途半端なまま、完璧を目指さないまま挑戦する方法です。つまり、最初は「できない」「下手」「満足がいかない」状態から始まります。これは悪いことでもなんでもなく、喜ばしいことです。

なぜなら、できなかったことができるプロセスが自分の中に感覚として身につくからです。いま「できない」「うまくいかない」ことも自分の価値です。できるようになるまでをしっかり記録することで、できるようになったとき、昔の自分のような人を助けることができるようになります。この経験は、会社の中で部下を教育する場合や、自分の仕事を引き継いでもらったりするときにも必ず活きます。

両手でサムズアップするゴリラ
※写真はイメージです
人前で話すのが得意になる

アウトプットは経験や知識を言語化する行為です。伝えることに敏感になるので、練習を重ねるうちに話すのがだんだん得意になっていきます。「話しベタです」という方がいらっしゃいますが、話すのがうまくなるかどうかは、ただの「場数」です。何度も何度もアウトプットをしているうちに、本番に強くなり、度胸がつきます。

私も実は会社員のころ、人前で話すことが大の苦手でした。ひたすら資料を作り続ける裏方の「パワポ職人」だったので、人前で話すと思うと手がふるえていました。でもいまや、何百人の前で話せるようになりました。人前で話すのが得意になると、会社でのミーティングやプレゼンにも必ず役立ちます。

経験を教材としてマネタイズも可能になる

アウトプットを続けていると、インプットばかりしていたときに比べて学びの速度が速まります。たとえば私の場合、「朝活」「早寝早起き」をメソッド化して『朝活手帳』をプロデュースしたり、本を書いたり、講演や研修で先生として伝えたりしています。これができるのは、自分の学びから法則を見つけて、「こうすれば早寝早起きが定着する」がわかったからです。

経験がすべて教材になるので、人生すべてネタになり、日々が発見になります。何か嫌なことがあったとしても、「これを克服したら、また教えられるネタが増えてラッキー」と思えます。

このように、経験をメソッド化することができれば、いまの仕事が楽しくないな、と

思ったときでも、この経験をコンテンツにしよう、と視点を変えることができるようになります。

人の役に立って感謝される
池田千恵『朝15分からできる! 週末アウトプット』(日本実業出版社)
池田千恵『朝15分からできる! 週末アウトプット』(日本実業出版社)

アウトプットは、自分の考えや知識、経験を周囲に伝え、相手に影響を与えることにつながります。私にはいまでも支えになっている言葉があります。「千恵さんの本を読んで自殺を思いとどまりました」という方がいたのです。涙が出るほど嬉しかったし、自分だって誰かの役に立つんだ、頑張ろう、と思えました。

『朝活手帳』のユーザーさんからは、「人生をあきらめかけた自分が生きる意義を見つけられるようになった」と言われ、自分のいままでの生き様のすべてが、受け入れられた気がしました。誰かの人生を、ほんの少しでも、自分の力でいい方向に変えることができた! と実感できたのも、思い切ってアウトプットしたからです。

この4つの喜びは、「自分なんてまだまだだ」「めっそうもない」と思ってインプットばかりしていたら決して得られないものです。4つの喜びを得て自分の納得がいく生き方をするためにも、ぜひ「週末アウトプット」にチャレンジしてみましょう。

池田 千恵(いけだ・ちえ)
朝イチ業務改革コンサルタント
二度の大学受験失敗を機に早起きに目覚め、半年の早朝勉強で慶應義塾大学総合政策学部に入学。外食ベンチャー企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て、2009年に『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)を刊行。ベストセラーとなり、「朝活の第一人者」 と呼ばれるようになる。夜型から朝型に変えた実体験と多くの人の早起き習慣化を指導した実績をもとに、2010年より朝専用手帳『朝活手帳』をプロデュース。10年連続で発売する人気手帳となる。「朝1時間」の業務改革による生産性向上、働き方改革 のための手法を企業に指導しているほか、個人に向けてはキャリアに迷ったとき自分の将来を真面目に楽しく語り、学びたい人向けの朝活コミュニティ「朝キャリ」を主宰。2020年4月現在4歳となる男児を育てるワーキングマザー。

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