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異世界に転生したのに社畜マインドは止まらない!効率厨のサラリーマンが騎士団長とBL始めました【書評】

  • 2026.3.6

【漫画】本編を読む

『異世界の沙汰は社畜次第』(采和輝:著、八月八:原作、大橋キッカ:キャラクター原案/KADOKAWA)の主人公・近藤誠一郎は、三十路直前。どこにでもいそうな社畜サラリーマンだ。聖女召喚という壮大な異世界イベントに巻き込まれた彼が、真っ先に求めたのは「冒険」でも「チート能力」でもなく、まさかの“仕事”だった――。

衣食住を保障されてもなお働こうとする姿には思わず笑ってしまうが、同時に、その真面目すぎる姿勢は異世界ではどこか異質にも映る。近藤にとって仕事とは、生活の手段以上に、自分自身を支える欠かせないものなのだろう。だからこそ、異世界でも愚直に働き続ける姿は、自然と応援したくなる。

読み進めていくと、「異世界×お仕事もの」としての完成度の高さが際立つ。効率重視で理性的、感情よりも合理性を優先する近藤の働きぶりは実に痛快で、異世界においても“社畜スキル”が遺憾なく発揮されていく。その過程で、自然と距離を縮めていくのが、“氷の貴公子”と呼ばれる騎士団長・アレシュだ。

序盤は真面目な異世界労働譚として読めるのだが、徐々に恋愛フラグが立ち、「え、ここで?」と思わされる予想外の展開が重なり、BLみを帯びていく。この裏切り方が、とにかく楽しい。

特に印象的なのは、冷静で理性的だった主人公が、BL的な関係性に足を踏み入れた途端、どこか可愛らしく見えてくるところだ。照れや戸惑いを隠せない慣れない様子には、強いギャップを感じる。効率至上主義が感情に揺さぶられていく姿はまさにギャップの宝庫であり、氷のように感情を抑えてきたアレシュとの対比も美しい。

異世界ものが好きな人にも、BL初心者にも勧めやすい一作。働けば働くほど恋愛フラグが立つという、あまりにも新しすぎる異世界社畜BLは、予想外のときめきをきっと連れてきてくれる。

文=ネゴト / すずかん

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