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『糖質オフ』すれば体にいいって本当?医師が教える“糖質との正しい付き合い方”とは

  • 2025.10.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

最近、健康やダイエットの話題でよく聞く「糖質オフ」ですが、これって本当に私たちにとって正しい選択なのでしょうか?「糖質は太るから控えよう」「糖質を減らせば痩せる」というイメージは浸透していますが、実は糖質は体にとって大切なエネルギー源であり、過剰な制限はかえって健康を害するリスクもあります。

医師の視点から、糖質オフのメリット・デメリットをバランスよく理解し、糖質とどのように付き合うことが正しいのかを解説していきます。

糖質オフのメリットと落とし穴とは?

糖質は私たちの体にとってエネルギーの主要な供給源です。特に脳は糖質由来のブドウ糖をエネルギーとして使っているため、適切な糖質の摂取は集中力や記憶力の維持に欠かせません。一方で、現代の食生活は糖質の摂りすぎによる肥満や生活習慣病の増加が問題視されており、そのため「糖質オフ」や「低糖質ダイエット」が推奨されるようになりました。

しかし糖質を極端に制限すると、エネルギー不足だけでなく、筋肉の減少や疲れやすさ、さらには精神的な不調を招くこともあります。「糖質は悪者」ではなく「バランスが大事」という点を理解することが、健康的な食生活の鍵です。

糖質との正しい付き合い方を知ろう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

糖質オフが一概に悪いわけではありません。例えば、糖尿病や血糖値のコントロールが必要な方にとっては、糖質の質と量の管理が健康維持に直結します。つまり、糖質の種類や摂取タイミングを工夫しながら、上手に取り入れることが重要なのです。

医師がすすめるポイントは、まず精製された白い砂糖や白米、パンなどの「過剰な精製糖質」を控え、代わりに食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富な玄米や全粒粉、野菜、果物を積極的に摂ること。こうした低GI食品は血糖値の急激な上昇を抑え、持続的なエネルギー供給をサポートします。また、適度な運動を取り入れることで、糖質の代謝効率が高まり、健康的な体脂肪の管理が期待できます。

さらに、1日の食事全体のバランスを意識し、糖質、脂質、タンパク質のバランスを保つことが健康的な体づくりには欠かせません。断続的な糖質制限ではなく、持続可能な食生活の改善こそが、真の健康へつながる近道です。

糖質オフは“すべての人の正解”ではない。正しい知識で賢く付き合おう!

糖質オフが注目される中で、「糖質は悪者」と思い込むのは危険です。糖質は体に必要なエネルギー源であり、適切な量と質を選ぶことが健康維持のカギ。過度な糖質制限はかえって体調を崩す原因になることもあります。医師の視点では、精製糖質を控えつつ、野菜や果物、全粒穀物などの良質な糖質をバランスよく取り入れることが望ましいとされています。

「糖質との正しい付き合い方」は、単なる数字のカットではなく、食材選びや生活習慣の見直しにあります。あなたも正しい知識を持って、無理なく続けられる健康的な食生活を目指してみませんか?


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。