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医師「牛乳を飲んでいるだけでは不十分」 『骨粗鬆症』予防に試したい…“3つのポイント”とは

  • 2025.10.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

骨粗鬆症は年齢を重ねると誰もが気になる問題。骨の強さを保つために「まずは牛乳を飲もう」と思いがちですが、実はそれだけでは不十分です。カルシウム摂取だけに頼る予防法は骨の健康を守りきれないことも多いんです。なぜ牛乳だけでは足りないのか、骨粗鬆症を防ぐために必要なポイントは何なのか。

今回は、誰でも実践できる効果的な3つの対策をわかりやすく解説します。

牛乳だけに頼らない!骨粗鬆症予防の本当の課題

骨粗鬆症は骨密度が低下して骨がもろくなる状態で、特に高齢者の骨折リスクを高める深刻な疾患です。牛乳がカルシウムの良い供給源であることは間違いありませんが、骨の健康に必要なのはカルシウムだけではありません。骨の形成や修復にはビタミンDやタンパク質、適度な運動も欠かせない要素です。

実際、多くの調査でも、日本人の多くがカルシウム摂取量は推奨量に満たしておらず、またビタミンDの不足も報告されています。さらに運動不足による筋肉量減少も骨を支える力を弱めてしまいます。つまり、骨を強くするには食事だけでなく生活習慣全体を見直す必要があります。

このように、牛乳を飲むのは骨粗鬆症予防の一歩でしかなく、それだけに偏った対策は不十分といえます。

骨を強くするならこれ!絶対に押さえたい3つのポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

骨粗鬆症予防に効果的とされるポイントは大きく3つ。順番に見ていきましょう。

1、バランスのよいカルシウム摂取

牛乳はカルシウム補給の代表格ですが、カルシウムは乳製品に限らず小魚、豆類、緑黄色野菜などからも摂れます。特に食事から多様な食品をバランスよく摂ることが理想的。過剰なカルシウム摂取は体に負担がかかる場合もあるため、1日あたり約700~800mgを目安に適量を心がけましょう。

2、ビタミンDをしっかりとる

ビタミンDはカルシウムの腸からの吸収を助け、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割があります。日光浴による体内合成が主ですが、日常的に屋内で過ごすことが多いと不足しやすい栄養素です。サケやサバ、キノコ類などビタミンDが豊富な食品も積極的に取り入れましょう。

3、 適度な運動で骨に刺激を与える

骨は使うことで丈夫になり、運動で骨に適度な負荷をかけると骨形成が促進されます。ウォーキングや軽いジョギング、筋トレなどの負荷がかかる運動がおすすめです。特に加齢で運動量が減りがちな方は、無理なく続けられる運動を日常に取り入れることが大切です。

これら3つのポイントは互いに補い合い、総合的に骨の健康を支えてくれます。牛乳を飲むだけで安心せず、ぜひこれらのポイントを意識した生活習慣改善に取り組んでみてください。

骨を守る生活習慣を今日から始めよう

骨粗鬆症は怖い病気ですが、しっかり予防すればリスクを大幅に減らせます。牛乳だけに頼るのではなく、カルシウム摂取のバリエーションを増やし、ビタミンDを意識して、適度な運動を習慣化することが何より大切です。早めに対策を始めることで、年を重ねても自分の脚で歩き続けられる健康な骨をキープできます。

今回ご紹介した3つのポイントは、どれも特別な準備がいらず、今日からでも始められる方法ばかり。骨を丈夫にして、将来の骨折や寝たきりのリスクを下げ、より豊かな毎日を目指しましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。