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『内臓脂肪』が増える原因は“朝食”にあった…医師が教える“まさかの答え”とは【医師の監修】

  • 2025.9.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「内臓脂肪」と聞くと、運動不足や甘いものの食べ過ぎを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?しかし、最近の研究や医師の意見によると、実は朝食の摂り方が内臓脂肪の増加に大きな影響を及ぼしているという意外な事実が明らかになっています。朝食は、1日の始まりを整える大切な食事。しかし、その食べ方を間違えると、体内では内臓脂肪がじわじわと増えてしまうことも。

今回は医師の見解も踏まえながら、朝食と内臓脂肪の関係についてわかりやすく解説していきます。

朝食の内容・タイミングで変わる内臓脂肪の蓄積リスク

内臓脂肪は、お腹の中の内臓の周りに付く脂肪のことを指し、生活習慣病のリスクを高める要因として注目されています。では、どうして朝食がこの内臓脂肪の蓄積に関係するのでしょうか?実は、朝食の摂り方によって私たちの代謝リズムやホルモンバランスが大きく変わってしまうからです。

例えば、朝食を抜くと「空腹時間」が長くなり、体はエネルギーを節約しようと代謝を抑えます。この状態が続くと、食事が摂られた際に血糖値が急激に上がりやすくなり、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなるのです。特に朝食を抜きがちな人は、昼食や夕食での食べ過ぎや脂質過多の食事によって、内臓脂肪が増えやすくなる傾向が報告されています。

逆に、朝食をしっかり食べると体内時計が整い、インスリンの分泌も適切に働くため、血糖値のコントロールがスムーズになり、内臓脂肪の蓄積を抑制すると考えられています。つまり、単に朝食を食べるかどうかだけでなく、朝食の内容や食べるタイミングが内臓脂肪に大きく影響するのです。

糖質とタンパク質が朝食のカギに

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

次に、具体的な朝食の内容による違いに注目してみましょう。特に「糖質中心の朝食」がもたらすリスクです。パンやシリアル、甘い飲み物など糖質ばかりを摂ると、血糖値が急上昇し、それに応じてインスリンが大量に分泌されます。長期的にこの状態が続くと、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が起こりやすくなり、内臓脂肪を増やす悪循環につながります。

一方で、タンパク質が不足した朝食もおすすめできません。タンパク質には満腹感を維持し、食後の血糖値上昇を緩やかにする働きがあります。タンパク質をしっかり摂ることで、筋肉量の維持・増加も促され、基礎代謝が上がって内臓脂肪の蓄積を防ぐ効果も期待できます。例えば、卵やヨーグルト、豆類を使った朝食は理想的と言えるでしょう。

さらには、朝食の時間帯も重要で、起床から遅すぎる摂取は空腹時間を長くしてしまい、内臓脂肪の原因となることがあります。

毎日の朝食のメニューやタイミングを見直そう

この記事では、内臓脂肪が増える意外な原因として朝食の摂り方に焦点を当ててきました。食べない朝食や糖質ばかりを摂る朝食、さらに摂取タイミングの遅れがじわじわと内臓脂肪の増加に繋がるリスクを高めているのです。対策としては、起床後なるべく早めに、タンパク質を含んだバランスの良い食事を摂ることが大切です。

食事の内容を意識することで、体調も整い、生活習慣病の予防にもつながります。今日からでも遅くないので、自分の朝食メニューをチェックしてみましょう。


監修者:用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック 院長 菊池真大

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慶應義塾大学医学部卒業
東海大学医学部客員准教授
米国ペンシルバニア大学消化器内科元博士研究員
日本アルコールアディクション医学会理事
日本総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本内視鏡学会専門医、日本人間ドック健診専門医、日本病態栄養学会専門医、日本抗加齢医学会専門医
2024年秋、メタボとロコモを同時予防管理する未来志向型クリニックを東京・用賀の地に開業。

https://www.youga-naika.com/