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「輸入松茸」がコスパ良好すぎ!栄養士の推しは“ブータン”産!?「状態がとてもいい」と味も栄養も太鼓判

  • 2025.8.31

輸入物なら手が届きやすい!秋の味覚「松茸」

秋の味覚「松茸」…輸入物ってどうなの?
秋の味覚「松茸」…輸入物ってどうなの?

秋の味覚を代表する「松茸(まつたけ)」。国産の松茸は、ため息が出るほどのお値段が付いていますよね。ですが、輸入ものならお値段的にも手が届きやすく、7月頃から早々と野菜売り場の店頭に出回り始めるため、旬を先取りできます!

「松茸」は人工栽培が難しく、野生の「松茸」も減少傾向にあることから国産品は希少価値が高く、高値で取引されています。一方、近年増えているのが輸入もので、中国産、韓国産、北米産、トルコ産など輸入先はさまざま。海外では「松茸」を日本のように食べる習慣があまりないため、安価で手に入りやすいと考えられています。その反面、収穫から時間が経ってしまうことなどから香りが弱まってしまうのが短所とされています。

筆者は7月末に野菜売り場でブータン産の「松茸」と出会い、思わず即買いしました。国産に近い見た目で美しく、4本入り1650円というコスパ良好のお値段でした。

筆者が7月末に購入した「ブータン産」松茸。4本入りで1650円でした!
筆者が7月末に購入した「ブータン産」松茸。4本入りで1650円でした!

確かに香りは弱めでしたが、松茸ごはんと鱧(はも)鍋に使ったところ、「松茸」らしい香りと歯切れの良さをちゃんと感じられました。野菜売り場の方に聞いたところ、「ブータン産の松茸は標高が高い場所で収穫され、状態がとてもいい。他の外国産地よりも知名度が低く、安価で手に入りやすいのも利点。入荷数が少ないので出会えたらラッキーですよ」とのこと。ご参考まで。

松茸に秘められた栄養パワー

「松茸」の栄養ポイントは以下の通りです。腸活やダイエットを意識している人、疲れやすい人にとって、助っ人となり得る栄養を多く含んでいます。

・低エネルギー食材で食物繊維が多い

「松茸」のカロリーは調理前(生)の100gあたり32 kcalと控えめなのに、食物繊維は4.7gも含まれています。正味重量の目安は1本あたり50g程度。ダイエット中の人もカロリーを気にせず食べられ、整腸作用も期待できますね。

・骨を強くするビタミンDが豊富

「松茸」をはじめ、きのこ類には、紫外線にあたるとビタミンDに変化するエルゴステロール(プロビタミンD2)が豊富に含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を促して骨を強くする働きがある大切な栄養素です。

・糖と脂質の代謝をサポートするビタミンB群が多い

糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変える重要なアシスト役を担うビタミンB群(B2やナイアシンなど)も多め。不足すると疲れやすくなったり、肌荒れや口内炎などの不調を招きやすくなったりします。

・松茸の「香り成分」は食欲増進につながる

「松茸」の代名詞とも言える芳香の主成分は、マツタケオールとケイ皮酸メチル。実は、食欲アップや消化酵素の分泌を促す働きがあると言われています。また、うまみ成分のグアニル酸も多く含まれています。

松茸の下処理と保存方法

「松茸」は日常的に食べる機会が多くないため、いざ手に入れてみると下処理や保存方法がわからず戸惑うことも(筆者もその一人でした)。下処理のポイントは以下の通りです。保存する場合は水洗いはせずにペーパータオルで包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫へ。香りと食感を損ねないためにも、できるだけ早く食べるのがおすすめです。

・石づきは土が付いている部分をエンピツ削りのように削ぎ落とす

・サッと短時間で洗う(または湿らせたペーパータオルで汚れをふきとる)

・包丁で切り目を入れ、できるだけ手でさくと食感を生かしやすい

香りを生かす調理のコツ

「松茸」の香りを活かす食べ方のコツは、香りが放散しないようにすること。定番料理のホイル焼き、土瓶蒸し、炊き込みごはんは、いずれも理にかなった香りを閉じ込める調理法と言えます。王道かつ間違いない美味しさに仕上がる「松茸ごはん」のレシピと栄養アップポイントをお伝えします。

王道の美味しさ!松茸ごはんのレシピ

●松茸ごはん

<材料 3~4人分>

・松茸 2本・米 1.5合分・油揚げ 1/2枚・三つ葉 適量・だし昆布 4センチ角程度・顆粒だし 小さじ1・酒 大さじ1・塩 小さじ1/2・薄口しょうゆ 小さじ1

<作り方>

(1)米を洗ってザルにあげ、30分以上おく。(2)松茸の下処理をする(石づきを包丁で削り取り、サッと洗い、手でさく)。(3)油揚げはお湯をかけて油抜きをしてから、縦4等分にして2~3ミリ幅の細切りにする。(4)三つ葉を細かく刻んでおく(トッピングに使用します)。(5)炊飯器に米を入れ、水と調味料(顆粒だし、酒、塩、薄口しょうゆ)を合わせて1.5合の規定量になるようにして、松茸(2)と油揚げ(3)、だし昆布を加えて炊く。(6)炊き上がったらお茶わんに盛り、三つ葉を添える。

栄養アップのポイント

たんぱく質アップに油揚げをプラス。香り重視なら、油揚げはナシでも構いません。
たんぱく質アップに油揚げをプラス。香り重視なら、油揚げはナシでも構いません。

「油揚げ」を加えることで、「松茸」に不足している、たんぱく質とカルシウムをプラス。彩りに緑黄色野菜の「三つ葉」をトッピングすることでβカロテンをはじめ、ビタミンKも補うことができます。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養大学出版部,2022、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019

(野村ゆき)

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