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これどうやって計算するか覚えてる?「(10+2/3)÷(1+7/9)−6−(−6)」→正しく計算できる?

  • 2025.12.9
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普段計算はなるべく自分の頭でするようにしているという人でも、ちょっと特殊な数の問題は難しく感じるものです。

今回は、帯分数と負の数の計算問題にチャレンジしてみましょう。

どちらの計算ルールも忘れやすいので、この機会にぜひ復習してください。

問題

次の計算をしなさい。
(10+2/3)÷(1+7/9)−6−(−6)

解答

正解は、「6」です。

分数部分はきれいに消えて、答えは整数になりましたね。

なお、この問題の答えを−6としてしまった人は、惜しくも間違いです。

次の「ポイント」にて、どうやって計算をすればよいかを確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、次の二点です。

帯分数は仮分数に変換して割り算する
負の数の引き算は正の数の足し算にして計算する

どちらの場合も、一度別の形に直してから計算するのがポイントになります。

では、さっそく具体的に計算をしてみましょう。

帯分数の割り算

帯分数とは、整数と真分数(分子が分母より小さい分数)を組みわせた分数のことです。帯分数を使うと、1よりも大きな数を分数で表せます。今回の問題でいえば、(10+2/3)と(1+7/9)が帯分数になります。

(10+2/3)÷(1+7/9)−6−(−6)

※本来の帯分数では+記号を省略します。ただし、本記事では整数部分と分数部分の区別をつけやすいように+記号を用いて帯分数を表しています。

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分数の割り算では、割る数の分子と分母を逆にした逆数を掛けて計算します。また、分数の掛け算をするときには分子どうし、分母どうしを掛け合わせます。

しかし、帯分数だと整数部分が邪魔になって割り算や掛け算がうまくできません。そこで、帯分数を一度仮分数に変換してから計算をする必要があります。

仮分数とは、分子が分母より大きいか等しい分数のことです。帯分数を仮分数にするときは、整数部分を分数に変換して、分数部分と足します。

10+2/3であれば、まず10を分数にします。となりの2/3と足すので、分母は同じ3にそろえて30/3としましょう。これを、2/3と足せば帯分数から仮分数への変換が完了します。

<10+2/3を仮分数に変換する>

10=30/3←10を分母3の分数にする

10+2/3
=30/3+2/3
=(30+2)/3←分母が同じなので、分子どうしを足して足し算ができる
=32/3

同じように、1+7/9も仮分数に変換しましょう。

<1+7/9を仮分数に変換する>

1=9/9←1を分母9の分数にする

1+7/9
=9/9+7/9
=(9+7)/9←分母が同じなので、分子どうしを足して足し算ができる
=16/9

これで割り算ができるようになりました。では、仮分数の割り算として、計算をしてみましょう。

(10+2/3)÷(1+7/9)
=32/3÷16/9
=32/3×9/16←割る数を逆数にして掛ける
=(32×9)/(3×16)←分子どうし、分母どうしを掛け合わせる

このまま計算してもよいのですが、掛け算の答えが大きくなるとその後の約分(分子と分母を同じ数で割って分数を簡単な数で表すこと)が面倒になります。

実は、分数の掛け算では、掛け算の前に約分ができます。数が小さくなり、計算が簡単になるので、掛け算前に約分をするのがおすすめです。

(32×9)/(3×16)
=(32÷16×9÷3)/(3÷3×16÷16)←約分(下図参照)
=(2×3)/1
=6/1
=6
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負の数の引き算

帯分数の割り算が終わると、式は整数の計算問題になります。

(10+2/3)÷(1+7/9)−6−(−6)
=6−6−(−6)

6−6は0なので、最後の−(−6)が答えになります。

負の数の引き算は、正の数の足し算に直して計算することができます。

<負の数の引き算>
−(−■)=+■

日常生活ではちょっとイメージしづらい演算ですが、「支出が減る(負の数を引く)と、全体の貯金はプラスになる」という感覚で覚えてください。

つまり、−(−6)は+6と同じ計算になるので、この問題の答えは−6ではなく、6になるのです。

6−6−(−6)
=0−(−6)
=0+6
=6

これで答えが出ましたね。

まとめ

今回の問題では、帯分数の計算を仮分数の計算に、負の数の引き算を正の数の足し算に変換して答えを出しました。

そのままでは計算できない式は、別の形に変換できないか考えてみることが大事です。

帯分数と仮分数、負の数の引き算と正の数の足し算の変換に慣れたら、類問にもぜひチャレンジしてみてください。今回は難しく感じた計算も、次はスムーズにこなせるかもしれませんよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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