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工夫して10秒で計算してみて!「99×99」→暗算できる?

  • 2025.12.9
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二桁の掛け算を暗算するのって、なかなか難しそうですよね。

しかし、最初から「暗算できない」と電卓を持ち出すのはもったいないです。問題によっては、工夫次第で案外簡単に答えがでる場合もあるからです。

さて、今回の問題、あなたは暗算できますか?

問題

次の計算を暗算でしなさい。
99×99

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「9801」です。

どうやって暗算すればよいか、分かりましたか?

「頭の中で筆算をする」というのも一つの手かもしれませんが、もっと簡単に答えを出す方法があります。

次の「ポイント」で、その方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、次の「分配法則」を使うことです。

<分配法則>
a×(b+c)=a×b+a×c
(a+b)×c=a×c+b×c

※()の中が−でも分配法則が使える
a×(b−c)=a×b−a×c←今回使うのはこの形
(a−b)×c=a×c−b×c

まず、掛け算の中の一方の99を100−1で表します。掛けられる数、掛ける数、どちらを100−1にしてもよいですが、ここではとりあえず掛ける数の方を変形してみましょう。

99×99
=99×(100−1)

これで、分配法則が使える形になりました。

()の中に99をそれぞれ掛けていくと、次のように計算ができます。

99×(100−1)
=99×100−99×1←分配法則を使って計算
=9900−99

掛け算は簡単でしたが、次の9900−99は、繰り下がりの多い引き算になるのでちょっと暗算しづらいです。そこで、9900から100を分離して計算してみましょう。

9900−99
=(9800+100)−99←99を引くための100を9900から分離する
=9800+(100−99)←100−99=1は比較的計算しやすい
=9800+1
=9801

これで答えが出ましたね。

【別解】インド式計算法で計算する

この問題は、インド式計算法を使って暗算することもできます。

インド式計算法では、100に近い数どうしの掛け算は次の2ステップで行えます。

1.(100−▲)×(100−■)の形に変形する
2.10000から(▲+■)×100を引いて、▲×■を足す

99×99=(100−1)×(100−1)なので、インド式計算法を使えば、次のように答えが出せます。

10000−(1+1)×100+1×1
=10000−200+1
=9801

簡単に答えが出ましたね。

なお、このインド式計算法が成り立つ背景も、分配法則を使って説明ができます。

99×99
=(100−1)×(100−1)
=(100−1)×100−(100−1)×1←前の(100−1)をひと固まりと見て、後ろの(100−1)の中の数それぞれに掛けていく(分配法則)
=100×100−1×100−100×1+1×1←(100−1)×100と(100−1)×1それぞれに分配法則を使う※
=10000−100−100+1
=10000−200+1
=9801

※−()の状態で()を外すと、()の中の+−符号が反転します。この式の場合−(100−1)×1=−100×1+1×1と、1の前が+になる点に注意しましょう。

まとめ

99×99の暗算方法、思いついたでしょうか?

100に近い数の掛け算であれば、式の中に×100が登場するように変形すると計算が簡単になります。なお、計算の際には分配法則を効果的に使うのがポイントですよ。

分配法則は計算の工夫をしたいときにとても便利なので、使いこなせるようになりましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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