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朝ドラ『あんぱん』が迎えた“感動のラスト”「これ以上ない演出」「エモい」“名もなき少年”にも注目集まる【1週間解説】

  • 2025.9.28
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『あんぱん』最終週(C)NHK

今田美桜がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』は、第26週「愛と勇気だけが友達さ」が放送された。最終週となった今週は、嵩(北村匠海)とのぶ(今田美桜)が情熱を注いできたアンパンマンがついにアニメ化へと動き出す展開となった。年を重ねた登場人物たちの行く末が描かれ、感動のフィナーレへ。

この記事では、一週間の見どころを視聴者の反応とともに振り返る。

※以下本文には放送内容が含まれます

通い合う親子のこころ

のぶが撮影したミュージカルの写真を眺めていた嵩は、その中に登美子(松嶋菜々子)の姿を見つけて驚く。やがて、のぶ、登美子、羽多子(江口のりこ)が旅行へ行くことに。前夜、初めて柳井家に泊まった登美子と布団を並べた嵩は、写真の笑顔が嬉しかったと語る。

そして嵩が「母さん言ってただろ。あなたみたいに真っ正直に生きていたらダメになる。もっとずるく生きなさいって」「母さんはずるく生きたつもりだったの?」と尋ねると登美子は「少なくともあなたの100万倍、ずるく生きてきたわ」と答える。

長年、互いを想いながらも衝突することが多かった親子が、素直な思いを打ち明け合った。このシーンに視聴者からは、「登美子の深い愛情に涙」「深いセリフに心がぐっときます」など感動を伝える声が多く寄せられた。

八木が語った封印の戦争体験

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『あんぱん』最終週(C)NHK

嵩はアンパンマンに必要な存在として悪役を描き出す。その結果誕生したバイキンマンは、2年後には子どもたちに親しまれるキャラクターとなる。蘭子(河合優実)から、アンパンマンとバイキンマンが、互いに相手が死なないように戦っている理由を問われた嵩は、八木(妻夫木聡)の前で心の内を語り始める。未来を担う子どもたちのために描き続けているという嵩の真意を受け、八木は蘭子に戦争体験を話す決心をした。

八木は金鵄勲章を受けた経緯について、「兵隊の勲章は、どれだけ敵を殺したかで決まる」と語り始める。苛烈な戦況下、彼は夜襲してきた敵兵を銃剣で刺し、その命が途絶える瞬間を間近で見届けたという。倒れた敵兵の亡骸を土のう代わりにして夜明けを迎え、立ち上がったとき、敵兵のポケットから財布が落ち中を見ると、妻子と見られる写真が挟まれていたのだ。当時を振り返りながら涙にむせぶ八木を、蘭子は静かに抱きしめ、共に涙を流した。

八木が語りたがらなかった戦争体験が明かされたこのシーンに「本当に考えさせられます」「あまりにも辛すぎる」などSNSでは注目が集まっている。

アンパンマンへの情熱をもったもう1人の人物

アンパンマンをアニメ化したいと武山プロデューサー(前原滉)が申し出るが、嵩は首を縦に振らなかった。しかし数日後、のぶが彼の熱意を伝えると心を動かされ、最終的に承諾する。さらに主題歌の作詞も任され、完成した歌詞をのぶに見せると、彼女の瞳には涙があふれた。そこには、嵩の歩んできた人生と深い想いが込められていたのだ。

視聴者からは「アンパンマンのガチファン過ぎて神」「強火のファンで笑っちゃいました」や、日ごとにお気に入りのキャラクターが変わると言う発言に、「「今日はかびるんるん」ってチョイスも渋くて可愛い」など、武山へのコメントで溢れていた。

テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』ついに放送開始

2年の歳月をかけて完成したテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』が、ついに放送を迎える。やないたかしの名前と作品は瞬く間に日本中へ広がっていった。草吉(阿部サダヲ)も街角のテレビで放送を見つめていたが、通りがかった少年に「ジャムおじさんですか?」と声をかけられる。草吉は否定しつつも、穏やかに微笑み、その場を立ち去るのだった。

この少年役を務めたのは、幼少期の嵩を演じた木村優来。懐かしいキャストの再登場に「これ以上ない演出だよね天才過ぎる」「エモい!」「ほっこり」など、視聴者の間で大きな反響を呼んだ。

その一方で、人気漫画家となった嵩は多忙を極め、スケジュール管理をのぶが支えていた。だが、そんなのぶが体調を崩し、病院に行くことに。星子(古川琴音)から状況を聞いた嵩は急いで駆けつけ、後日手術を受ける必要があると知らされる。

感動のフィナーレ

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『あんぱん』最終週(C)NHK

病室を訪ねた嵩の前に現れたのは、笑顔を浮かべるのぶの姿だった。退院後、のぶは「自分がいなくても大丈夫?」と問いかけ、今年の桜は見られないかもしれないとつぶやく。それを否定するように強く抱きしめる嵩。やがてアンパンマンは国民的ヒーローとなり、のぶは満面の笑みで告げる。「嵩は、うちのアンパンマンや」と。

のぶと嵩の歩みは数々の苦難を越え、ついに国民的ヒーロー『アンパンマン』の誕生へとつながった。家族や仲間に支えられながら育まれた物語は、やがて多くの子どもたちの心を照らす希望となる。涙と笑顔で締めくくられた物語は、2人の絆と創作への情熱が不滅であることを強く印象づけた。


連続テレビ小説『あんぱん』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHKプラスで見逃し配信中