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「お店が出したから大丈夫」“生焼けハンバーグ”提供にSNS騒然.…厚生労働省も注意喚起

  • 2025.10.15
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

子どもから大人まで幅広い世代に愛されている「ハンバーグ」。使用するお肉や味付け、焼き加減やソースの配合など、お店によってさまざまな個性がありますよね。

一方で、最近SNSで「生のハンバーグを提供された」という趣旨の投稿が度々話題になっています。お店が提供しているものだし食べても大丈夫…そう思ってしまうかもしれませんが、実は大間違い。そのまま食べると、食中毒を発症するリスクがあるというのです。

他の肉料理と異なる、ハンバーグ特有の危険とは何か。また、なぜ生焼けのハンバーグを食べると問題なのか。詳しく解説させていただきます。

生焼けのハンバーグが危険な理由

厚生労働省によると、「牛や豚などは、と畜場で解体処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌がお肉や内臓に付着したり、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります」とのこと。そのため、鮮度にかかわらず、生や加熱不十分なものを食べると重篤な食中毒を発症する可能性があると注意を呼び掛けています。

さらに、ハンバーグという料理特有の問題も。厚生労働省曰く、「メンチカツやハンバーグなどの生のひき肉から作られる製品は、動物の種類に関わらず、ひき肉に付着している病原体が中心部まで入ってしまいます」とのこと。そのため、中心部までしっかり加熱するよう呼びかけています。

しかし、一見外側は焼けているように見えても、中は生焼けの状態である場合もあるのだそう。そのため、火がしっかり通っているかわからない時は、肉汁や断面の色を確認する必要があると説明しています。

肉料理の喫食による食中毒の例

実際に、過去に飲食店で提供されたハンバーグを食べたことが原因と思われる食中毒が起きているそうです。

新宿区によると、「令和5年10月に飲食店で提供された挽肉調理品(ハンバーグ)を原因食品と推定される腸管出血性大腸菌O157 による食中毒事例が複数の自治体で発生しました」とのこと。また、「令和4年8月に京都府等においても、レアステーキと称するユッケ様の食品等を原因食品とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒事例が発生」したとも発表されています。それにより、当該のレアステーキを喫食した方が1名死亡に至りました。

また、国立保健医療科学院によると2016年10月に「冷凍メンチカツを原因とする腸管出血性大腸菌O157食中毒が発生」したのだそう。こちらは「未加熱の挽肉を冷凍したもので、消費者自身が加熱調理して食べる製品」で、患者らへの聞き取り調査の結果、十分に加熱されていない状態で食べた可能性が確認されたそうです。

他にも、国立保健医療科学院の公式Webサイトでは、2009年5月に「生食用と表示された鴨肉を原因とするカンピロバクター食中毒」が発生したことが確認できます。生食用と表示されていた調理済みの鴨肉を食べたにもかかわらず、食中毒を発症してしまったそうです。しかし、同時期に他の地域でも、「同じ製造元から出荷された鴨肉が原因と推定される苦情事件が発生」していたとのこと。飲食店が注意していたとしても、製造元に問題があるケースも確認されているのです。

SNSでも体験談が多数…生焼けハンバーグへの不安の声

生焼けのハンバーグに恐れを抱いている方は多いようです。SNSでも、自分は絶対に食べられない、提供されても食べない方が良いなどのコメントが多数ありました。

実際、飲食店で生焼けのハンバーグを提供された経験のある人は少なくないようです。中には、いつも注文していたメニューが、その日に限って生焼けだったという声も。ひき肉を使った料理を食べる際は注意が必要かもしれません。

  • 先日、行きつけのカフェでお気に入りのメニューを注文しました。しかし…明らかに中が生焼けだったんです。
  • 今日提供されたハンバーグ、明らかに生焼けだったんですが…。

提供されたハンバーグが生焼けだったため、店員さんにお願いして焼き直してもらったという人も。お店の方から謝罪を受け、食中毒が起きてしまった時の対応を説明された方もいるようです。

  • 私も、レストランで提供されたハンバーグが生焼けだったことがあります。店員さんにお願いして焼き直してもらいました。
  • 店員さんに確認したら、生焼けかもしれないと丁寧な謝罪をいただき、食中毒を発症してしまったらご連絡くださいと言われました。

一方で…気にせず食べた結果、食中毒を発症してしまったという人も。大変苦しい思いをすることになる可能性もあるため、生焼けのハンバーグは絶対に食べないようにした方が良いでしょう。

  • うっかり生焼けのハンバーグを食べてしまい、一晩中もがき苦しみました…。
  • 気のせいかなぁと思って食べたら、今お腹が痛いです…。
  • 以前、肉詰めを食べてお腹を壊しました…。

安全にハンバーグを食べるための方法は?

安全にハンバーグを食べるために、私たちにできることはあるのでしょうか?

自分で調理する場合、前提として中心部までしっかり加熱することが必要不可欠です。厚生労働省は「多くの病原体は75℃で1分間以上の加熱で死滅することから、中心部までしっかり火を通すことが重要」と説明しています。こちらを守った上で、少しでも不安がある場合、肉汁が透き通っているか確認したり、半分に切って断面に赤い部分がないか確認すると良いでしょう。

また、飲食店で提供されたハンバーグが生焼けだった時は、店員さんに「中まで火が通っていないのではないか?」と丁寧に尋ねてみるのも手段の一つ。必要であれば焼き直してもらい、中心部までしっかり加熱してもらいましょう。くれぐれも、お店で提供されたものであると安心して、生焼けと思われるハンバーグを食べないようにしてください。

一方、たとえ中身が赤くても、安心して食べられるハンバーグを提供している飲食店もあります。例えば、ハンバーグレストラン「さわやか」では、微生物リスクの高い鶏肉や豚肉を使用せず、全て牛肉のブロック肉を使っており、専用の殺菌機で表面の微生物を完全に殺菌しているとのこと。他にもさまざまな品質管理を実施することで、お客さんが安心して食べられるハンバーグを製造・提供していると発表されており、そのような飲食店に限り、赤みの残るハンバーグを食べることができるでしょう。

絶対に安全…ではありません!生焼けのハンバーグに要注意

自分で調理したものだけでなく、たとえ飲食店で提供されたハンバーグでも、中心部までしっかり火が通っているか確認した方が良いでしょう。実際に、過去にも生焼けのひき肉料理を食べたことによる食中毒が多数確認されています。

お店の料理だから安全と過信せずに、少しでも不安がある場合、店員さんに生焼けではないかと確認するとよいでしょう。


参考:
お肉はよく焼いて食べよう(厚生労働省)
お肉は十分加熱して食べましょう(新宿区)
No.17012 冷凍メンチカツを原因とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒事例(国立保健医療科学院)
No.1471 生食用と表示された鴨肉を原因とするカンピロバクター食中毒(国立保健医療科学院)


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