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ももクロ・玉井詩織が語る20年と30歳の今──二作の写真集『たまゆら』『しおどき』に込めた“ありがとう”

  • 2025.8.27

アイドルとして第一線を走り続けてきた、ももいろクローバーZの玉井詩織さんが、芸能活動20周年&30歳の節目に、初の写真集を二作同時リリース。南国の風景の中で自然体の魅力を収めた『たまゆら』と、脚本家・生方美久さんによる書き下ろしストーリーのもと3人の女性を演じ分けた『しおどき』。まったく違う二作を通して、「今の私」をさまざまな角度から表現している。写真集に込めた思いや、最近芽生えた“個人で表現すること”への意識の変化まで、インタビューで語ってもらった。

すっぴんも、役になりきった姿も。今の私を全部見せた

ワンピース¥49,500/アディクシー(THÉ PR)、ピアス¥34,100、ブレスレット¥14,850/LOHME、リング¥27,500/CESOI、シューズ¥10,900/チャールズ&キース(チャールズ&キース ジャパン)

――芸能活動20周年で初めての写真集ですが、発売が決まったときどんなお気持ちでしたか?

玉井詩織(以下、玉井) 写真集はアイドル活動とすごく密な関係にありそうですが、私たちのグループは意外と無縁でその“王道”を通ってこなかったので、芸能活動20周年にして初めての写真集という形になりました。自分にとっても30歳という良い節目で初写真集を出すことができて、本当に嬉しかったです!

――二作同時発売というのは珍しい試みですね。

玉井 ももクロの他のメンバーも、ちょうど30歳のタイミングでそれぞれ記念の写真集やスタイルブックを出しているんですが、みんなとの違いをつけられたらファンの方にも喜んでもらえるかなと思いました。私は好奇心が旺盛でいろんなことに挑戦したいタイプなので、全く種類の異なる写真集を二作同時に出すというのが自分らしいですし、ファンの方も驚かせることができるかなと思いました。

玉井詩織1st写真集「たまゆら」©SDP

玉井詩織1st写真集「たまゆら」©SDP

――それぞれの見どころはどんなところでしょうか?

玉井 『たまゆら』のほうは、等身大の玉井詩織を見ていただけると思います!私自身旅行が大好きですし、夏生まれということもあって「夏が似合うね」と言ってもらうことが多いんです。今回、ベトナムのフーコック島で撮らせていただいたんですが、「素の自分に合ってる場所だな」と思い、ロケ地に選ばせていただきました。旅行中の表情とか、寝起きっぽい写真とか、水着や少し大人っぽい肌着もあったりして、これまでにない表情を見ていただけるかなと思います。『しおどき』の方はストーリーが乗っているので、自分の中で少しギアが変わっている部分があります。ドラマや映画の撮影のような感じで撮ったので、表情の作り方や衣装も、役柄に応じたファッションなんです。私自身に役が乗っかっている状態なので、それによって引き出していただいた表情も楽しんでもらえると思います!

――今回出された写真集の中で、ご自身としてお気に入りの写真を教えてください。

玉井 『たまゆら』の表紙にも使われている朝のカットが好きですね。本当にすっぴんで、ほとんどメイクもしていない状態で撮ってもらったんですけど、等身大の今の自分だという感じがして好きです。実際に朝に撮ったカットですが、綺麗な自然光のもとで「いま起きたぞ」みたいなシチュエーションを普段でお見せする機会はないので、そういった“無防備な姿”みたいなのを新鮮に見ていただけるかなと思います。

玉井詩織1st写真集「たまゆら」©SDP

「味付けしてもらった方が活きる」“普通な私”が演じた3人の女性

――二作のうち、『しおどき』はドラマ『silent』の脚本家・生方美久さんが担当されたストーリー写真集になっています

玉井 1冊は皆さんが思い浮かべる一般的な写真集というものを出したかったのですが、もう1冊はより自分らしさを出すために新しい挑戦をしたいと思いました。実は私、昔から“自分の個性”というものがあまりわからないというか、グループの中でも「自分ってすごく普通だな」と思っている節があって。そうであるなら、自分という器にいろんな人からの“味付け”を加えてもらった方が、自分らしさが活きるかなと思ったんです。そこで、打ち合わせで案をいただいた “ストーリー写真集”というものを作ってみようと思いました。

玉井詩織ストーリー写真集「しおどき」

玉井詩織ストーリー写真集「しおどき」

――今回の写真集のために書き下ろされた生方美久さんのストーリーの印象をお聞かせください。

玉井 生方さんの作品は雰囲気がとても柔らかくて、日常の些細な会話のキャッチボールみたいなセリフがとても好きなんです。最初に打ち合わせをさせていただいたときに、生方さんから「どういった自分を見せていきたいですか?」というような、簡単な質問をいただいたんです。その後、できあがったストーリーを読ませていただいたところ「少しの打ち合わせだけで、こんなにも世界を広げてストーリーを描いていただけるんだ!」とすごく驚きました。3つのストーリーのキャラクターは全然違うはずなのに、同じ女性、同世代っていう部分ではそれぞれに共感するポイントもたくさんあって。「自分がこのプロットに応じた表情ができるのか……?」と、少しプレッシャーを感じました(苦笑)。

――ストーリーを読んで、登場する人物と同じ30代として共感する部分も多かったですか?

玉井 同世代として刺さる部分は多かったです!なので、「ストーリー写真集にしておくのがもったいない!」と感じました。すごく贅沢なストーリーを作っていただいたと感じています。

――ストーリー写真集には3人の女性が登場しますが、もし生まれ変われるとしたらどの世界線が良かったですか?

玉井 ジュエリーブランドを自分で立ち上げた女社長ですね(笑)。バリキャリの自立している女性像というのが、すごく自分からかけ離れているキャラクターだと思うので、かっこよくて憧れがあります。

――『しおどき』の撮影はNetflix『First Love』のメインビジュアルを担当した濱田英明さんですが、ディレクションで印象的だったことを教えてください。

玉井 濱田さんは、「いつ撮っているんだろう」と感じてしまうぐらい自然な撮り方をするカメラマンでした。役が乗っているとはいえ、ずっとお芝居をしながら撮っているわけではないので、シチュエーションに合うような話をしながら、パッパッと切り抜いてくださる感じで撮影が進んでいきました。「こういう撮影をしましょう」という部分もあったんですけど、ちょっと時間ができたら「ストーリーとは別に撮らせて」みたいな感じでプライベートっぽく撮ってもらったことがあって、そのカットが使われたものもあります。

玉井詩織ストーリー写真集「しおどき」

――ドラマなどの映像作品と今回のスチール撮影では、演技をするうえで違いはありましたか?

玉井 演じるうえでそんなに大きな違いはないんですが、写真はその瞬間を切り抜くという点で映像とは違います。自分の気持ちや表情のタイミングとカメラマンさんが表情を切り抜くタイミングが重ならないといけないところが、難しかったですね。でも実際に撮っていただいた写真を見たら、自分でも驚くような表情をしていたり「こういう切り取り方があったんだ!」と新鮮な感じがしたりして、すごく素敵に仕上げていただいたと思っています。

ももクロという“おうち”を出て…… 好奇心と負けず嫌いで切り開く、“個人”としての表現

――6月4日で30歳になられたということですが、イメージしていた30歳と現在地とのギャップはありましたか?

玉井 理想とのギャップはすごく感じます(笑)。昔考えていた30歳って、すごく大人で生活も整っていて自分なりのペースや過ごし方がきちんとしている……というイメージでした。まだ若い気持ちのままな気がして、理想と現実を照らし合わせたときに「これでいいのかな……?」という戸惑いもありました。ですが、実際に30歳を迎えると「まだまだ何でもできる!」「これからいろんなことができるんだ!」というワクワクを感じていますね。

――写真集を二作制作してみて、「これが自分の強み」と感じたことがあれば教えてください。

玉井 やっぱり、好奇心旺盛なところは自分の強みですし、好きな部分でもあります。いろんなことに興味を持つタイプなので、それがゆえに中途半端になってしまうこともあるんですけど(笑)、「これやってみよう!」「あれ楽しそう!」と、自然に新しいことへ挑戦する原動力になっていると思うんです。

――最近は、その好奇心はどんな分野に向いていっていると感じますか?

玉井 お仕事の面だと、これまで個人での活動にはあまり積極的ではありませんでした。グループでやりたいことができていましたし、周りがソロで動いていても、私は「やろう」と思うというより「どう出していいかわからない」感覚があって。自分の個性や強みがはっきりしないぶん、ソロで何かをやるときに何を出せばいいのか分からなかったんです。ファンの方から「ソロライブを見たい」という声をいただいたり、周りのスタッフさんから「これやってみたら?」って提案してもらったりしても、いつもなら好奇心旺盛なはずなのに、自分のことになると「いや、いいです」と遠慮してしまう自分がいて……。でもそれじゃもったいないなと思って、少しずつ殻を破ってみようと動き出したら、ソロで歌う機会や、トリビュートアルバム、フェスに出させていただくことも増えました。去年はドラマのお仕事も多くて、ももクロという“おうち”を出て、新しい現場に行くことが増えたなと感じています。

――好奇心を追い求めていった先に、どんな理想の自分像があるのでしょうか?

玉井 私自身すごく負けず嫌いなんですけど、負けず嫌いの対象というのは、自分自身に対してなんです。「できないことがあるのが悔しい!」と感じることが多いので、自分が“好きだと思える自分”になるために頑張っていけたらいいなと思います。

――最後に、今回写真集を手に取ってくださるファンの方にメッセージをお願いします。

玉井 30歳、そして芸能生活20周年という節目で初めて写真集を出させていただきました!これだけ長い間芸能生活ができているというのは、応援してくださるファンの方々のおかげです。この二作の写真集は、みなさんへの感謝の気持ちをギフトとしてお届けできたらいいなという思いで作りました!ぜひたくさんの方に手に取ってもらえたら嬉しいです!

(了)

Profile/玉井詩織(たまい・しおり)
1995年6月4日神奈川県生まれ。2025年5月で結成17周年を迎えたアイドルグループ・ももいろクローバーZの黄色担当でキャッチフレーズは「ももクロの若大将」。2014年に女性グループ初となる国立競技場でのコンサートをはじめ、数々の大型会場でコンサートを開催。今年5月、日本武道館にてソロコンサートを開催し、今年8月2日、8月3日には、「ハマの夜祭り番長襲名記念ももクロ夏のバカ騒ぎ2025 in 横浜スタジアム」を開催。ギター、カメラ、旅行、など多趣味でオールマイティな一面を持つ。
玉井詩織公式Instagramアカウント:@shioritamai_official
公式サイト:https://www.stardust.co.jp/talent/starplanet/tamaishiori/
玉井詩織写真集「たまゆら」「しおどき」Instagramアカウント:@shioritamai_photobook

玉井詩織 初の写真集「たまゆら」「しおどき」概要

玉井詩織1st写真集「たまゆら」

著者:玉井詩織
撮影:遠藤優貴
発売日:2025年8月27日(水)
価格:3,300円(3,000円+税)
サイズ:B5
発行:SDP

玉井詩織ストーリー写真集「しおどき」

著者:玉井詩織
撮影:濱田英明
執筆:生方美久
発売日:2025年8月27日(水)
価格:3,300円(3,000円+税)
サイズ:B5
発行:SDP

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