1. トップ
  2. エンタメ
  3. 小栗旬が考える“かっこいい大人”の条件――20代の「俺、イケてる」から「守るものがある」今の心境の変化も語る

小栗旬が考える“かっこいい大人”の条件――20代の「俺、イケてる」から「守るものがある」今の心境の変化も語る

  • 2025.7.5

スタイリスト・フォトグラファーをはじめ、マルチに活躍する熊谷隆志氏の連載『Tokyo Fashion Tribe』。7月号に続き8月・9月合併号にも小栗旬さんが登場。熊谷氏とはプライベートでも親交のあるお二人のゆるっとTALKをお届けします。

背筋の伸びる服に袖を通すことを意識しています

――お二人は何がきっかけで知り合われたんですか?

小栗旬(以下、小栗)「熊さんは覚えてないと思うんですけど。僕は10代後半か20代前半くらいのときに、友人がGDCの展示会に連れていってくれたことがあって。そのときは、めっちゃ怖そうな人だなって思った覚えがあります(笑)。それから、写真を撮っていただく機会があったり、挨拶をしたり話すようになって。でも、プライベートで連絡を取り合うようになったのは、ゴルフに行ったときですよね?」

熊谷隆志(以下、熊谷)「そうだね。(小栗さんは窪塚)洋介君と仲がいいから、そのつながりでゴルフもご一緒したり」

――3人でゴルフに行っている様子も、熊谷さんのSNSにアップされていますよね?

熊谷「そこにOCEAN TOKYOの高木(琢也)君も加わったりして。今回は、久々にGDCが復活したということで、旬君に来てもらったんだけど、久しぶりのGDCはどうだった?」

小栗「(7月号で着た)YOHJI YAMAMOTOのコラボラインのセットアップとかも、熊谷さんじゃないとできないことをやってると思うので、そこはやっぱりすごいなと思いますし。僕が今までお会いしてきたスタイリストの方って、みなさんそれぞれが自分のスタイルを持っていらっしゃる。そういう方々が作るものはやはり誰かの何かに刺さるものがあるなと」

熊谷「GDCを(小栗さんに)着てもらいたいってずっと思っていたんだよね。ゴルフはよく一緒に行くし、(熊谷さんが手がけているTANGRAMやrenoma golfなど)いろいろ着てもらってるんだけどね。GDCは再始動したばかりなので、ぜひ旬君にと」

小栗「ゴルフウェアはいつもいろいろいただいているんですけど、僕はSNSとかをやってないので、発信できるところがなくて申し訳ないなと思いつつ(笑)」

熊谷「旬君に似合うと思うから着ていただきたいってだけなので。GDCも普段、居酒屋に行くときなんかに着てくれたらいいなっていうね」

――小栗さんは、プライベートで、お洋服のこだわりはありますか?

小栗「全然ないんですよ。ただ昔、タナカノリユキさんというアートディレクター&アーティストの方にお会いしたときに『あんまりラクな格好ばっかりするな』って言われたことが今も心に残っていて。『旬の仕事は、ジャージを着て現場に行って、衣装に着替えて、またジャージを着て帰ってくればいい仕事かもしれないけれど、そればかりだと体も心も緩むから、緩まない洋服選びをしたほうがいい』って。それからは少し背筋の伸びる服を意識して着るようにしています。とはいえ朝から晩まで撮影のときは、大体Tシャツにスウェットみたいな着こなしになっちゃうんですけどね。でも、その言葉をいただいてからは、自分の服を着る時間が長いときなんかは、ちゃんとしたものを選ぶようにしたりしています。それでも好きなものを着ているっていう感じですけどね」

熊谷「仕事柄、ラクなものになりがちだよね」

小栗「一時期、ジュエリーなんかもすごく好きだったんです。でも、私物でつけて行ったとしても、仕事で外すことになるし、つけて外す作業が多いので、だんだんつけなくなってしまって。そういう意味ではどんどんシンプルになっていっていますね。年単位で仕事がないとかだったら、きっと気に入ったジュエリーを日々つけるようになると思うんですけどね」

熊谷「旬君は、常に映画やドラマなど作品に参加しているイメージがあるんだけど、ゆっくり休めるときなんかはあるの?」

小栗「コロナ禍になる前に、1年間お休みをもらって海外に行ったんです。ちょうど36歳くらいの頃かな。1年間家族でのんびり過ごせましたね」

Tシャツ¥9,900、チノパンツ¥26,900、ハットは価格未定/全てGDC、ベルト¥89,000/GDC×HTC(全てGDC 代官山店☎️080-4153-2623)

遊び心のある大人ってかっこいい

――映画『フロントライン』の中では、小栗さん演じる結城は、さまざまな決断に迫られます。小栗さん自身が、普段何かの決断に迫られたときは何を基準に選びますか?

小栗「何を選べば、面白くなるのかということを考えて決断することが多いかもしれないですね。面白いもそうだし、どっちを選べば幸せになる人の数が多いのかということが判断基準になっているかもしれないです」

――役の上で、さまざまな立場や状況の方を演じてきた小栗さん。その中でも、多くの人に憧れられるような役が印象に残る小栗さんですが、小栗さんが今思う、かっこいい大人とは?

熊谷「僕が旬君のことをかっこいいなと思ったのは、『情熱大陸』(TBS)。あの番組を見たあと、(熊谷さんの元アシスタントで、現在スタイリストとして活躍中の)三田(真一)か伊賀(大介)に“旬君ってかっこいいなぁ”って電話したくらい。仕事への向き合い方とか、全てがかっこよかった。あれは20代前半?」

小栗「24歳の頃ですね」

熊谷「DVDなんかで見ることができると思うのでsmart読者にも、ぜひ見てほしい。あれを見れば、響くものがあると思うから」

小栗「ありがたいです。あの『情熱大陸』が好きだと言ってくれる人はいまだに多くて。元気がなくなるとあれを見返す、みたいなことを言ってもらえたり。SUPER BEAVERの渋谷(龍太)君とかにも言われたことがあります。24歳だったあの頃は、駆け抜けるしかない時期で」

熊谷「(作品の中で)壁に向かって、逆立ちしてたじゃない? あれをさ、見終わった後に真似したんだよね。そしたら危なかった。本当に怪我するところだった(笑)」

小栗「(笑)。本当に怖いものはなかったし、“俺、めっちゃイケてる”みたいな気持ちで生きてましたけど、そこから今に至るまで、守るべきものなんかも増えてくる中、怖いこともいっぱいありますしね。なので今、改めてかっこいい大人だと思うのはやっぱり遊び心がある人じゃないですかね。僕の周りにはかっこいい大人が多いと思います。みんなそれぞれ背負っているものもありながら、ちゃんと遊んでいたりとか。僕の周りには仕事だけじゃなく遊びにも全力の人が多いです。熊さんもそう」

――小栗さんから見た熊谷さんとは?

小栗「(熊谷さんの性格的に)せっかちっていうのもあるんだけど、本当にレスが早い。最近、ビジネス関係の本を読んだり話を聞いたりしていると、みなさんが口を揃えていうのが“とにかく仕事を溜めないことが大切”っていう言葉が出てくるんです。要は、人ってできることとできないことがある。なので(仕事が)できる人は、自分ができない仕事に関しては、すぐに人にパスしてそこが循環するようにするようにしていると。熊さんと一緒にいても、何かを思いついたりすると、すぐに誰かに連絡をして情報を飛ばしていたりして。それによって、別の場所ですぐに仕事が動き始める状況を作れるのがすごいなと思っていて。僕は意外と自分で溜めちゃうんですよね」

熊谷「確かにそうかもしれない」

小栗「タスクを背負わないっていうのがやっぱり重要なんだなと思ってて。今はそれをできるようになりたいなと思っている最中です」

――そういう意識改革が進んでいる最中なんですね。

小栗「そうなりたいと思いつつ、(窪塚)洋介君にはいつも『レスが遅い』って怒られています(笑)」

熊谷「僕にも、洋介君が言ってた。(小栗さんのレスが遅いから)熊谷さんから言ってくれって。でも、僕が(小栗さんに)連絡するときは、そんなに待たずに返事が来るんだけどね(笑)」

小栗「熊さんの場合は、直近のお誘いだったり、すぐに返事をすべき要件のことが多いんだけど、洋介君は、3〜4カ月後とかすごい未来の話をするんですよ。なんか、予定を立てるのが好きみたいなんですよね(笑)。だけど、そんな先のことなんてわからないから、見えてくるまで寝かしておこうと思っていると『旬、既読スルーやめろ』みたいな追いLINEが来て(笑)。まあ、『まだ、わからないんでちょっと待ってください』とか送ればいいんだなってことはわかっているんですけどね(笑)」

熊谷そんな交流のある旬君と洋介君が出演をしている映画『フロントライン』が現在公開中です。僕も観に行ったんだけど、すごくよかった。コロナ禍では、全てが混乱していてゆっくり振り返る時間なんてないまま、ここまできたけど、作品を観て改めて考えることができたような気がする。また、ダイヤモンド・プリンセス号に関しては、ニュースなどの報道では知っているものの、実際に何が起きていたのかは、全く知らなかったので、いいきっかけになりました」

小栗「実在する船の中で何が起きたのかを明らかにしていくところにスポットを当てているので、ぜひsmartの読者のみなさんにも観ていただきたいです」

熊谷「僕からもおすすめします!」

Profile/小栗 旬(おぐり・しゅん)
1982年生まれ。東京都出身。 子役として活動を始め、1998年『GTO 』で連続ドラマに初のレギュラー出演。主な出演作として、『人間失格 太宰治と3人の女たち』『罪の声』がある。22年大河ドラマ『鎌倉殿の13人 』では主演を務めた。Netflix作品『匿名の恋人たち』『ガス人間』の公開が控えている。

Profile/熊谷隆志(くまがい・たかし)
1994年スタイリストとして活動を開始。1998年フォトグラファーとしての活動もスタート。 広告・雑誌等で活動するかたわら、様々なファッションブランドのブランディングやショップ内装、植栽のディレクションなど、幅広い分野で活動。
公式Instagram@takashikumagai_official

小栗旬さん主演映画『フロントライン』が全国公開中!

日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いをオリジナル脚本で描いたドラマ。

STORY
横浜港に入港した乗客乗員3711名を乗せた豪華客船。乗客のひとりは新型コロナウイルスの感染が確認されており、船内では100人以上が症状を訴えていた。国内に大規模なウイルス感染専門の機関がない中、災害医療専門組織のDMATが急きょ出動する。

企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才
キャスト:小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:FRONTLINE-MOVIE.JP
公式 X: @frontline2025

© 2025「フロントライン」製作委員会

元記事で読む
の記事をもっとみる