1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【前田敦子】「大人になった今の私に、需要はあるのかな?と迷いました」写真集『Beste』に込めた想いと制作の裏側」<前編>

【前田敦子】「大人になった今の私に、需要はあるのかな?と迷いました」写真集『Beste』に込めた想いと制作の裏側」<前編>

  • 2026.2.26

<後編はこちら>

「花嫁姿を見せるような気持ちで。今回が人生最後の写真集だと思います」

前田敦子さん

──今回、写真集『Beste』を出そうと思ったきっかけや想いを教えてください。

「お話をいただいたのは2024年の冬頃だったのですが、正直に言うと、最初はかなり迷いました。この年齢になって私が写真集を出すことで、どこに需要があるんだろう?と思って。20代の頃は何も考えず開放的に撮影できていたんですけど、年齢的にも写真集に向けて自分のコンディションを整えられるとは思わなかったし、実はすごく後ろ向きだったんです。

でも、その頃ちょうど役者としての仕事が続いていて、自分の中で“少しアウトプットしすぎたな”と感じていた時期でもあって。何かを表現し続ける一方で、きちんとインプットする時間が足りていない。だったら、写真集に向けて自分と向き合う時間をつくるのもいいのかもしれないなって思ったんですよね。

あともう一つ大きかったのが、芸能活動を始めて20周年という節目です。このタイミングを逃したら、私はきっともう二度と写真集を出さないだろうなと思って。撮影中もずっと“これが最後”という意識がありました。自分の中では、人生最後の花嫁姿を見せるような気持ち。ウェディングドレス以上に肌を出していますけど(笑)、それくらいの覚悟を持って臨みました」

前田敦子さん

──準備期間はどのくらいだったのでしょうか?

「2025年の夏に編集部の方と本格的に打ち合わせをして、そこから一気に動き出しました。ただ、冬にお話をいただいてから、やるかやらないかは別として、念の為準備はしておこう!と意識はしてずっと生活していました。最後の追い込みは、撮影前の1カ月間。本当にあらゆることをやりました。ピラティスは週に3回。子どもが夏休みだったので、一緒に付き合ってもらいながら通っていました。クリニックにも一緒に来てもらって。

中でも一番キツかったのは、食事制限です。特に撮影中の5日間は食べるという選択肢がほとんどない状態だったので、撮影が終わって思いっきり好きなものを食べられたときの幸せな気持ちは忘れられません(笑)。

帰国してからは毎日ずっと食べていましたね。まず食べたかったのはお寿司で、子どもと二人でちょっとしたパーティーみたいに48時間くらいずっと何か食べていました。今思うとフードファイトしていたな(笑)」

前田敦子さん
©︎講談社 撮影/北岡稔章

──(笑)。ちなみに、今回の撮影場所にウィーンを選んだ理由はありますか?

「“過去の作品と同じものにしない”ということに、写真集を作る上で一番こだわったからです。既に見たことのある風景や、想像がつくシチュエーションでは意味がなかったというか。自分のこれまでの写真集はもちろん、ほかの方の作品もたくさん見てかなり研究した中で、あまり行っていない穴場のウィーンにしました。

結果的に、この選択は大正解だったと思います。街がとにかくきれいで空気が澄んでいるし、ゴミも落ちていないし、虫も少ない。通りすがりの人がピースをしてくれたり、自然と笑顔になるような街でした。中心部から少し離れてヴィラに行ったときも、大自然やワイナリーがあって、とても開放的で気持ちが良かったです。芸術も楽しめる街で、グスタフ・クリムトの作品を見ることができました。撮影期間中はオペラがお休みでしたが、街を歩いていると道端でバイオリンを弾いている人がいたりして、街全体に音楽が流れているような空気感も素敵でしたね」

「これ以上はないというところまで、ランジェリー衣装にこだわりました」

前田敦子さん

──今回の写真集のテーマは「大人の恋」だと伺いました。

「そうなんです。大人の恋というテーマにしても、ウィーンはイメージにぴったりだなと思いましたね。“好きな人と来たいな”とか、“こんな場所に連れてきてくれたら、きっと好きになるだろうな”と、自然に妄想が膨らむ街で、私自身も撮影をしながら久しぶりに恋人が欲しいと思いました。夜のウィーンも本当に素敵で。今ユーロはちょっと高いですけど、頑張ってでも一生に一度は行ってほしい街です。何かを買うための場所というよりも、心に焼き付けたくなる大人な場所。そういう体験や経験にお金をかけるのってすごく素敵なことですよね」

前田敦子さん
©︎講談社 撮影/北岡稔章

──現地での思い出はありますか?

「現地のランジェリーショップで衣装を買ったことですね。ランジェリーは、今回の写真集の中でも特に力を入れた部分なんです。打ち合わせやフィッティングを何度も重ねて、透け感や色、全体のバランスを細かく計算し尽くしたんです。日本のランジェリーショップは本当にすべて見たと言ってもいいくらい。スタイリストさんも寝る間を惜しんで探してくれて、“これ以上はない”というところまで一緒に詰めてくれました。“普通なら、ここまでやらない”。そう思われるラインを越えられたのは、スタッフのみなさんが本気で向き合ってくれたからです」

──写真集が完成するまで、制作の工程にも熱と想いが込められていたのですね。

「そうですね。誰にどんな気持ちで読んで欲しいか、誰に手に取ってもらいたいか。そのために必要なものは何か、いらないものは何か。今の写真集は、制作の工程からみんなで意見をたくさん出し合ったので、本当に作品を作るという感覚に近かったです。写真のセレクトに関してもなるべくいろんな人の意見を聞いて、読者目線を忘れずに写真を選びたいと思っていました。過去にひとりよがりになって失敗した経験もあるのですが、自分がいいと思うものと他者がいいと思うものは案外違かったりするんですよね。芝居もそうですし。だからこそ、いいものを作り上げることができたなと思っています」

PROFILE
前田敦子(まえだ・あつこ)

1991年7月10日生まれ、千葉県出身。2005年にAKB48の第1期生としてデビューし、AKB48劇場の舞台に立つ。2006年のインディーズデビュー以降、約5年間にわたりセンターを務め、“絶対的センター”として国民的な人気を獲得。2012年にグループを卒業後は、俳優・歌手として活動中。直近の出演作品に映画『恋に至る病』、舞台『飛び立つ前に』(ともに’25)がある。今後は4月に舞台『ポルノ』が控えている。

『前田敦子写真集 Beste』

前田敦子写真集 Beste
©︎講談社 撮影/北岡稔章

AKB48の“絶対的センター”と称され、時代を象徴する国民的アイドルとして人気を博し、現在は俳優として新たな道を歩んでいる前田敦子。芸能活動20周年を迎える彼女が、「これが最後」と語るメモリアル写真集の発売が決定! 撮影の地に選んだのは、中欧オーストリアのウィーン。歴史と芸術、音楽が息づく街を巡り、全編丁寧に撮り下ろしました。30代の女性の“大人の恋”をテーマに、愛する人との夢のような時間と現実を揺れ動く切ない表情を、ウィーンの光の中に映し出しています。
2月13日(金)発売

構成・取材・文/高橋夏実(Spacy72)

元記事で読む
の記事をもっとみる