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環境に配慮しながらできる暑さ対策環境ライター・ジャーナリスト箕輪弥生さんの暮らし

  • 2025.8.25

地球温暖化に配慮した持続可能なエコハウスで 夏を快適に過ごす工夫を

箕輪さんはマーケティング業に就いていた30年以上前、仕事の資料で温暖化の深刻さを知り、環境ジャーナリストの道へ。築25年の自宅は、雨水や太陽熱を利用できる設計。

庭には様々な植物が植えられ、強い日差しを遮る緑のカーテンに。

「庭木は落葉樹で夏は茂って日光を遮り、冬は裸木になって陽を入れてくれます。雨水タンクは雨どいから地下の貯蔵タンクに溜まるしくみ。植物に水をやったり、打ち水ができ、災害時になども安心です。雨水タンクも太陽熱温水器も都や市区町村から補助金も出ていて、戸建てなら設置できます。太陽熱温水システムは太陽光発電より安価ですよ」

これからの暮らしに取り入れたいヒントが満載です。

環境にも気持ちを寄せて、工夫できること

庭木の水やりと打ち水は地下のタンクに溜めた雨水で

地下に設置してある雨水タンクから水をポンプでくみ上げ、庭木やプランターの水やりや打ち水に。
「水道水と違って塩素が入っていないので、土に優しく、植物にもいいうえ水道代のカットにも。災害時のトイレ用などにも使えます」

庭木を南側に植えることで遮光&気化

南側の外壁には蔦を、庭には落葉樹を植え、夏場の日差しを遮光し、目隠しにも。「気化熱の効用もあり、見た目にも涼しく過ごせます」

OMソーラーシステムで給湯には太陽熱を利用

箕輪家では、OMソーラーパネルを屋根に設置し、太陽で温められた熱を夏の給湯や冬の暖房に利用。
「光熱費を削減できて、夏季は1500 ~1800 円ほどのガス代で済みます」

ソーラーパネル&バッテリーで蓄電し、家事に活用

ポータブルソーラーパネルを日当たりのいいところに置いてバッテリーにつないで太陽光発電。
「これで溜めた電気で掃除、洗濯、PC充電などを賄っています。電気代を節約でき、防災やキャンプにも活用できます」

衣食住、全方位の熱を入れない暮らしで夏バテから体を守る

箕輪家の窓は断熱効果抜群の二重サッシ。冷暖房の効きもよくなり、防音、結露予防などいろいろなメリットがあるとか。

「二重サッシはマンションでも付けられ、数時間の工事でできます。都や市区町村で補助金も出ていて断熱ガラスに替えることもできますよ。うちは、サッシの外側にすだれ、内側には遮熱カーテンをつけ、外からの熱をなるべく入れないようにしています」

一度、設備面を整えてしまえば、夏はもちろん、1年を通して快適な暮らしのベースができることがわかります。さらに、食事面でも熱を冷まし、夏バテを防ぐ工夫が。

「梅干しを毎年漬けていて、作る際にできる梅酢なども余すことなく使っています。また、体の熱を冷ますために夏野菜のピクルスを作ったりして体調を整えています。衣服も、熱がこもらない天然素材のものを選んでいますね」

夏は梅をとって体調を整える

夏、梅仕事は欠かさず行い、自家製の梅干し、梅酢などで熱中症を予防。
サーキュレーターは1年を通して使い、空気を循環させて冷暖房の効果アップ。愛犬のリンジー(元保護犬)とともにお手製の梅ジュースで涼しく過ごします。

梅シロップは炭酸で割ってジュースに。

梅酢とゆかりは梅干しを作る際の副産物。梅酢は色がキレイなので、ピクルスや紅しょうがに。
赤紫蘇を乾燥させてフードプロセッサーにかけ、ゆかりに。

梅干しと塩昆布の炊き込みご飯は冷めても美味しい十八番料理。

窓を多重構造にし、外の熱をシャットダウン

二重サッシは断熱効果が大きく、光熱費削減にも。
「窓は内側からだけ遮光しても効果があまりないので外側にすだれ、内側に遮熱機能のあるレースカーテンをつけました」

日当たりのいい部屋の窓の外側はすだれを取り付けて遮光&断熱。
「窓から7割以上の熱が入ってくるので、それを防ぐようにしています」

通気性のいい天然素材の服でムレずにおしゃれ

白のインナーは高島縮。昔から甚平などに使われてきた和の素材でシボがありさらっと涼やか。
ベストはイラクサを紡いだ糸で編まれたもので、村人たちが作ったネパール製。

撮影/大森忠明 文/坂口みずき

大人のおしゃれ手帖2025年8月号より抜粋
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