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【イカの豆知識】夏が旬のイカは?代表的な種類と見分け方 タコとの違いなどを栄養士ライターが解説

  • 2025.8.18

似ているようで違いがある「イカ」の種類

似ているようで違いがある「イカ」の種類
似ているようで違いがある「イカ」の種類

世界には大小およそ450種類ほどのイカが生息しているとされ、日本で食用として親しまれているのは、スルメイカ、ケンサキイカ、ヤリイカ、コウイカ、ホタルイカなど。代表的なイカの種類と、それぞれの旬や特徴、向いている料理などをまとめてみました。

・スルメイカ日本で最も食べられているイカの代表格。初夏から秋に全国各地で水揚げされ、夏が最盛期であることから別名「夏イカ」とも。歯応えがよく、イカそうめん、フライ、天ぷら、煮物、マリネなど幅広い調理法で楽しめるのが魅力。一夜干しや塩辛などの加工品や冷凍品にもよく利用されています。

・ケンサキイカ(剣先イカ)こちらも夏が水揚げの最盛期。その名の通り、剣先のような胴体をしています。身が厚めで甘みが強く、新鮮なものは刺身に、天ぷらや塩焼きも人気です。また、乾燥させると旨みと甘みが増すのも大きな特徴。ケンサキイカのスルメは「一番スルメ」とも呼ばれ、極上品とされています。

・ヤリイカ冬から春が最盛期。槍(ヤリ)の穂先に似た姿が名前の由来。ケンサキイカよりも細長く尖った胴体、触腕(獲物を捕獲するための一対の腕)が短いのが特徴です。上品な甘みがあり、活造りや寿司ネタとして人気です。身がやわらかく、加熱しても硬くなりにくいため加熱調理にも向いています。

・コウイカ秋から春が最盛期。胴部分に厚みがあり、硬い甲(こう)があるため、こう呼ばれています。モンゴウイカはコイウイカの仲間です。肉厚で旨みが強いのが特徴で、墨を大量に吐くことから「スミイカ」とも呼ばれています。寿司ネタのほか、イカスミパスタなどのイカ墨料理にも活用されています。

・ジンドウイカ(ヒイカ)冬から春が最盛期で、主に「ヒイカ」の名で流通しています。胴長10cm前後の小型のイカで、チビイカ、小イカと呼ばれることも。身がやわらかく、甘みが強いため、丸ごと煮付けにするとおいしいです。また、シンプルにサッと塩ゆでして酢味噌やポン酢などでいただくと、プリプリとした食感が楽しいおつまみに。

・ホタルイカ日本海側の春の風物詩として知られています。小指サイズの小さなイカで、名前の通りホタルのように発光します。ボイルして酢味噌和えなどで食べるのが一般的。富山湾で水揚げされるものが人気で、「ホタルイカの沖漬け」は名物料理の一つ。水晶体(白い目)を取り除くと、食味よくいただけます。

知っているようで知らなかった!イカとタコの違い

ちなみに、イカとタコは同じ軟体動物ですが、似ているようで色々な違いがあります。

まず、腕や足の数。イカは10本、タコは8本。イカは泳いでいるので「腕」と呼び、タコは海底を這うため「足」と呼びます。さらに、イカには吸盤内部に角質環(かくしつかん)という獲物を捕らえるためのリング状の歯のようなものがありますが、タコにはありません(吸盤のみ)。

そして、スミ(墨)の違い。イカは粘り気のある墨を塊のように吐き出し自分のダミーを作って敵から逃げるのに対し、タコは粘り気のないサラサラの墨を煙幕のように広げて敵から逃げます。また、イカの墨袋は取り出しやすく、タコは墨袋が肝臓に埋まったように存在して取り出しにくい違いも。こうした理由から、イカスミは料理に活用されるのに対し、タコスミはほとんど使われません。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017、藤原昌高著『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店,2010、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018

(野村ゆき)

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