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『認知症』になる可能性が高まるかも…今日から改善したい睡眠時の“NG行動”とは【医師の監修】

  • 2025.9.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「睡眠は健康の基本」とよく言われますが、実は睡眠の質や習慣が将来の認知症リスクにも大きく関わっていることをご存知でしょうか?睡眠に関する“やってはいけない行動”が、認知症の発症可能性を高める恐れがあるのです。

今回は、その“NG行動”とは何か、どうすれば改善できるのかをわかりやすく解説します。毎日の眠り方を見直して、健康的な未来を手に入れましょう!

睡眠の質を左右する要注意ポイントとは?認知症リスクアップの真相

近年の研究で、睡眠の質が認知症リスクと密接に関係していることが明らかになってきました。特に、睡眠時の「無呼吸症候群」や「深刻な睡眠不足」は、認知症リスクとの関連が報告されています。睡眠中にきちんと呼吸ができていないと、脳が酸素不足に陥り、脳内の老廃物の排出機能が低下。これが蓄積すると神経細胞が損傷し、記憶力や認知力に影響を与えると考えられています。

また、睡眠時間が極端に短いかまたは長すぎる場合も問題です。毎晩十分に眠ることは、脳を休ませるだけでなく、情報整理や記憶の定着、不要な物質の除去にも重要な役割を担っていますが、長時間睡眠と認知症リスクの関連が報告されています。

加えて、長時間睡眠には認知症のリスクのみならず、別の背景が関与している可能性も考えれられています。例えばうつ病や慢性疾患が影響している場合もあるため、軽視しないことが大切です。

これがNG!睡眠時の危険な習慣と具体的な改善策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

それでは、具体的に睡眠時にやってはいけないNG行動とは何でしょうか。

  • いびきや無呼吸の放置:「睡眠時無呼吸症候群」は酸素量の低下を招き、脳へのダメージを与えます。症状がある場合は早めに検査や治療を受けることが大切です。
  • 不規則な睡眠リズム:毎日寝る時間と起きる時間がバラバラだと、体内時計が乱れて睡眠の質が下がりやすいです。就寝・起床時間はできるだけ一定にしましょう。
  • 寝る前のスマホ・テレビの長時間利用:ブルーライトはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を妨げ、眠りを浅くします。就寝1時間前からはデジタル機器を控える習慣がおすすめです。
  • アルコールの過剰摂取:一見寝つきを良くするように感じるアルコールも、眠りの質を低下させる原因になります。飲んでも就寝の数時間前までに留めましょう。

ブルーライトやアルコールの摂取が直接的な原因となるというわけではなく、睡眠の質の低下が長期的な認知症リスクを増加させる可能性があるため、上記以外にも睡眠の質を下げる生活習慣は今日から改善していきましょう。

健康的な毎日の眠りが未来の脳を守る!しっかりケアで認知症予防を

睡眠は誰にとっても欠かせない日々の営み。ちょっとした習慣の見直しで、認知症のリスクを大幅に減らせる可能性があります。睡眠時の無呼吸やいびきを疑う症状がある人は専門医に相談し、空気の通りを良くする治療を進めましょう。また、寝る前のスマホやアルコールは控える、寝る時間と起きる時間は規則的にする、といった基本的な生活習慣をしっかり守ることも重要です。

未来の脳の健康は、今日の眠り方から始まります。ぜひ、この機会に自分の睡眠習慣をチェックしてみてくださいね。


監修者:鈴木枝里子
医療法人社団ユーアイエメリー会(埼玉県久喜市)理事長
精神科専門医、精神保健指定医