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医師「命に関わることも」→ストレスで胃が痛くなる…気をつけたい“3つのサイン”とは

  • 2025.8.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

何となく胃がキリキリ痛む…そんな経験はありませんか?その痛み、実はストレスが大きく関わっているかもしれません。私たちの生活は、仕事や人間関係などさまざまなストレスに囲まれており、その影響は胃の不快感として現れることが多いんです。
今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『ストレスで胃が痛くなる原因と解決方法』を紹介します。

ストレスと自律神経の関係

私たちは日常生活の中で、仕事や人間関係などさまざまな場面でストレスを感じています。実はこの「ストレス」が、胃や腸といった消化器の不調と深く関わっていることをご存じでしょうか。

大きな理由のひとつが 自律神経の乱れ です。自律神経は体の働きを自動的にコントロールしており、「交感神経」と「副交感神経」の2つから成り立っています。

  • 交感神経は、緊張したときや活動しているときに優位になり、心拍数を上げたり体を「戦闘モード」に切り替える役割があります。
  • 副交感神経は、リラックスしているときに働き、消化や休息をサポートする役割を担っています。

ところが、強いストレスや緊張を感じると交感神経が優位になりすぎてしまい、次のような不調が起こりやすくなります。

  • 胃の動きが低下し、食べ物をうまく消化できない
  • 胃酸が過剰に分泌され、胸やけや胃痛の原因となる
  • 腸の働きが乱れ、便秘や下痢を繰り返す

このように、ストレスは「気分の問題」にとどまらず、消化器の働きそのものに影響を及ぼします。原因がはっきりしない胃腸トラブルが続く場合、その背景には自律神経のバランスの崩れが関係していることも少なくありません。

ストレスが引き起こす深刻な消化器疾患 

自律神経の乱れは、便秘や下痢、胃もたれといった一時的な不調だけでなく、さらに深刻な病気へと発展する場合があります。その代表的なものが ストレス性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍 です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは?

胃や十二指腸は、強い酸性の胃酸にさらされながらも、自らの粘膜で守られています。しかし、ストレスや不規則な生活、過剰な胃酸分泌などが重なると、このバランスが崩れ、粘膜が傷ついて炎症や潰瘍を起こすことがあります。

潰瘍とは、粘膜がただれる状態を指します。多くの場合は粘膜の炎症や出血で済みますが、重症化するとまれに「穿孔(せんこう)」と呼ばれる状態、つまり胃や腸の壁に穴が開いてしまうケースも。これは命に関わることもあり、緊急の治療が必要です。

早期に気づくための3つのサイン

  • みぞおちのあたりの痛み(特に空腹時に強まることが多い)
  • 胸やけ、吐き気
  • 黒っぽい便(消化管出血のサイン)

こうした症状が続く場合は、自己判断で放置せず、医療機関を早めに受診することが大切です。

胃に優しい食習慣とは? 

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や改善には、ストレス管理とともに 食習慣の見直し が欠かせません。特に、胃酸の分泌を増やしたり胃粘膜を刺激したりする食べ物は、症状を悪化させる可能性があります。

避けたほうがよい食べ物

  • カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)
    カフェインは胃酸の分泌を促すため、胃の調子が悪いときには控えることが望ましいです。
  • 香辛料の強い食べ物(唐辛子、スパイス系料理)
    胃粘膜を刺激し、炎症や痛みを悪化させることがあります。
  • 脂っこい食事(揚げ物、脂身の多い肉)
    消化に時間がかかり、胃に負担をかけやすい食品です。

食べ方の工夫も大切

食べ物だけでなく、「食べ方」も胃への負担を大きく左右します。

  • 早食いを避ける:よく噛まずに食べると消化が追いつかず、胃に大きな負担がかかります。
  • よく噛む習慣をつける:唾液に含まれる消化酵素が働き、胃での消化を助けます。
  • 暴飲暴食を控える:急激な胃の膨張は胃酸の分泌を促進し、症状を悪化させる要因になります。

胃腸の不調は放置しないで

ストレスは誰にとっても避けにくいものですが、日常の中で意識的にリラックスできる時間を持つことが、胃腸の健康を守る第一歩になります。

「痛みや張りが続いて不安…」という気持ち自体も大きなストレスにつながります。そんなときは1人で抱え込まず、気軽に近くの病院やクリニックを受診してみてください。

症状の原因がわかるだけでも安心につながり、ストレスが軽減されるケースも多くあります。
ぜひ、生活習慣の見直しとあわせて専門家のサポートを受けながら、胃腸をいたわる日常を意識してみましょう。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『【新生活の方必見】ストレスで胃が痛くなる原因と解決方法を徹底解説!


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。